特集 その1
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八海事件の裁判経過
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一審 | 二審 | 第一次 上告審 |
第一次差 戻審 |
第二次 上告審 |
第二次 差戻審 |
第三次 上告審 |
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山口地裁 (1952.6) |
広島高裁 (1953.9) |
最高裁 (1957.10) |
広島高裁 (1959.9) |
最高裁 (1962.5) |
広島高裁 (1965.8) |
最高裁 (1968.10) |
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阿藤周平
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死刑 | 死刑 | 原判決破棄 差し戻し |
無罪 | 原判決破棄 差し戻し |
死刑 | 無罪 |
稲田 実
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無期懲役 | 懲役15年 | 無罪 | 懲役15年 | 無罪 | ||
松崎孝義
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無期懲役 | 懲役12年 | 無罪 | 懲役12年 | 無罪 | ||
久永隆一
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無期懲役 | 懲役12年 | 無罪 | 懲役12年 | 無罪 | ||
吉岡 晃
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無期懲役 | 無期懲役 |
(上告取り下げ、無期懲役確定。服役)
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一度目の最高裁判決(第一次上告審判決)は、阿藤周平さんに対する死刑、その他三名に対する懲役刑を破棄し、広島高等裁判所へ差し戻した(吉岡は上告を取り下げ、服役した)。 二度目の最高裁判決(第二次上告審判決)は、四名全員に対する無罪判決を破棄し、またまた広島高等裁判所へ差し戻しになっている。 これで晴れて四人の無実は証明された。
午前10時30分、最高裁判所第二小法廷・奥野健一裁判長が読み上げた判決文は、「原判決を破棄する。被告人らはいずれも無罪」だった。この無罪判決は、第二小法廷の裁判官五人全員一致によるものだった。 「東京から拘置所へ電話があったんでしょうね。無罪判決がおりたから支度しておくようにと、すぐさまドアを開放してくれたんです。ただ、まだ正式な書面が来ないから。それまで整理しておくようにと言われて」(1998年9月5日、阿藤さん談) 主犯格とされていた阿藤さんの身柄はこうして解放された。その時、阿藤さん、42才。24才で逮捕されて以来、長い年月をこの裁判に費やしてきた。阿藤さんはのちにこう語っている。 「無罪判決までの時間は『重み』だった。人生としては、いい勉強になった。無罪判決から今までは、何をして生きてきたんだろうなあ。経ってみれば早い。でも、尾は引いている。今でも(八海事件のことを)言われることはあるし、忘れたことはない。ぼんやりしていると、昔をふり返る。思い出すのはあの苦しみ。よく耐えられたなあと思う。孤独の中で生きてるんだけど、とにかく体の不自由とか自由を束縛されている以上の、それ以上の怒りを持っていた。苦しみがあった。信用されない、真実が裏切られた、その怒りで生きてきたんじゃないかなあ」(1997年12月23日、阿藤さん談) この八海事件を世に広く知らしめた映画がある。阿藤さんたちの無実を世の中に訴えた正木ひろし弁護士の著書『裁判官』を映画化した『真昼の暗黒』(今井正監督)である。 事件の起きた熊毛郡麻郷村字八海とは、どんなところなのだろうか。私は1999年に一度、足を運んでみたことがある。 無罪が確定した最高裁判所の前で、正木ひろし弁護士はこう演説している。 「現在の司法権、裁判制度、そういうものをおいといていいかどうか、我々は単なる被告たちだけを救うのでなく、日本の文化のこういった病気を、根性の悪さを、官権の横暴と、怠け者と、月給泥棒とを早くやめさせると、被告を苦しめた奴は恩給を取り上げると、場合によっては、司法殺人の未遂者であるとして皆さんの国民裁判にかけるまで行かなければ本当の解決ではないということを申し上げます」 これを受けて、広島では、この春にも、関係者の間で映画『真昼の暗黒』の上映や阿藤さんたちに体験を語ってもらうなどの記念事業を開催することを発表している。阿藤さんはぜひ若い人たちに八海事件のことを知ってもらいたいとコメントしている。 若い世代が昔話としてこの八海事件を聞くのではなく、現在(いま)の問題として認識していかなければならないのではないだろうか。そうでない限り時間の経過と共に忘れ去られることになると思うからである。 この春に行われる集会には、ぜひ私も参加したいと思っている。 (うり美) |
かちとる会に来た年賀状から 1
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かちとる会に来た年賀状から 2
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かちとる会に来た年賀状から 3
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21世紀最初の大井町での署名集めの成果は、
でした。
大井町のYさんから1月25日付で、 1月14日、大井町駅頭での私たちの署名集めをどこかで見ていてくださったのですね。お手紙を見てとてもうれしくなりました。ありがとうございました。 (山村) |
ご意見、お便り お待ちしています やっと双方向の態勢がとれました。ホームページを開設しながらメールアドレスが無いという奇妙な状態に終止符、どしどしお便りください。といっても御存知のとおり「五十の手習い」でどこまでお応えできるか保障の限りではないというのが実状ですが、なんとか努力しますのでよろしくお願いします。なんて殊勝なことを言っているが簡単にメールはこなせると思っているに違いない、といつも私をいじめるやさしい(!)女性達がのたまう声が聞こえるようです。叱咤激励ではなく叱咤ばかりだなどといじけないで、素直に激励とうけとってがんばります。 (富山保信)
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