□6・30集会報告 無実は無罪に 再審の扉を打ち破ろう! 6月30日、「かちとる会」は、大井町の『きゅりあん』で、富山さんの無実と再審を訴える集会を開きました。 |
□集会報告 6月30日、富山集会は「富山再審−無実は無罪に 再審の扉を打ち破ろう」というタイトルで行われた。 集会をやろうとすると、まずはこのタイトル名に苦労する。再審請求を申し立ててから今年で7年になるが、遅々として審理が進まないため、今回もなかなか気の利いたタイトルが思い浮かばなかった。 定例会で結局決まらず、定例会のあとの酒席(本会議という)で「これがいい!」と決めたのが、「来て、見て、納得!−富山事件」(どっかで聞いたことがあるようなフレーズ!?)であった。 ついついリズムの良さに決めたはいいが、今回は富山事件のビデオ上映はないし、図や展示物での説明もないため、初めて富山集会に参加した人に、「納得!」するまで理解していただけるだろうかという懸念から、このサブタイトルは抹殺されてしまった(ちょっと、残念!)。 結局、「再審の扉を打ち破ろう」という無難なタイトルに落ち着いたというわけである。 さて、今回の集会は、そのタイトルどおり、再審の扉を打ち破るための「富山再審にかける想い」が発言者一人一人から感じられた集会だったように思う。 富山再審弁護団からは、昨年の4月から弁護団に参加した原田史緒先生が講演を行った。原田先生は、富山事件が発生した1974年に生まれており、「当時の時代背景は正直言ってピンとこないが、私が生まれてから今まで短いなりにも過ごしてきた27年間という時間、それと同じ時間を富山さんはひたすらえん罪根絶の闘いのために費やしてきたと思うと、途方もない、気が遠くなるような時間だったんじゃないかと思う」「経験も浅いし、微力ではありますけれども、一日も早く再審無罪を勝ち取れるようにがんばっていきたい」と語っていた。 「富山さんの事件とは心中してもいいと思ってる。元気なうちに富山さんの再審開始の結果を見たら、心から好きなお酒を飲めるだろうなあ」と語ったのは八海事件の元被告とされた阿藤周平さん。 「富山さんとは、子供のじぶんから知っている。彼のお父さんとは、郵便局の仲間です」「富山君を『支援』するのではなく、自分の問題としてたたかっていきたい」「広島で もこのような多くの人たちの集会が持てるように一生懸命がんばっている。富山の再審請求が勝ち取れるまでがんばっていかなくてはいけないと思っています」と語ったのは、広島かちとる会の大槻泰生さん。 「われわれは、ともすると権力は犯罪を行うものだと、えん罪をデッチあげるものだというようなわけ知り顔になって、権力に対して一点でも許すようなことがあってはならない。そのようなものがあるとするならば、それをぶち抜かなければわれわれの未来はあり得ない。デッチあげを絶対に許さない、このことを貫き通すことが決定的に重要だと思っている。阿藤さんが富山再審と心中するつもりであると言われましたが、こうなった以上、私も徹底的にやるしかない、生涯かけて闘わなくてはならないと思っている」と語ったのは主任弁護人の葉山岳夫先生。 そして、私はかちとる会の活動報告で、「私がこの再審運動に関わってからでさえ十三年になる。私自身、この再審運動に関わることにより、いかにえん罪で苦しめられている人が多いのか、いかに泣き寝入りをしている人が多いのか、そして一度汚名をきせられたら、なかなか自分の無実を証明することは難しいという今の社会の闇の部分を見ることによって、この社会のあり方というものに矛盾を抱くようになった。そういう意味においては、私のこの13年間は決して無駄な時間ではなかったと言えるかも知れないが、富山さんにしてみれば汚名をきせられている時間が日々蓄積されているという状態だと思う。もう、こんな悲劇が起きる世の中を止めにしなくてはならない。今後も他のえん罪事件の人達と連帯しながら全力でがんばる」と誓った。 集会をするたびによく思うのだが、富山再審運動は、さまざまな人に支えられていることを強く感じる。この想いに報いていくには、必ずや再審を開始させ、無罪を勝ち取ることでしかないだろう。たとえ何年、何十年かかろうと。 (うり美) |
□あなたの意見を次の企画に生かしたい― アンケートから |
▼一つ一つの発言にとても重みがあり、大変感動いたしました。原田史緒弁護士が新たに弁護団に加わったことはものすっごくよかった。非常にさわやかな風が吹き込んだという感じがします。ともに無罪までたたかいぬきましょう。(49才/男性) |
▼原田弁護士の話も、阿藤さんの話もよかったです。再審運動が丁寧につくられてきている様子が伝わってきました。困難な闘いですが、がんばりましょう。 (46歳/女性) |
▼原田弁護士の奮闘に敬意を表します。整理されてわかりやすかったです。 阿藤さんのご発言は冤罪に苦しめられてきたご自身の体験から、大衆運動を起こさなければいけないことが強く訴えられ、身のひきしまる思いで聞きました。 素晴らしい内容の集会だったと思います。これからもっと積極的にがんばりたいと思います。 (57歳/男性) |
▼若い弁護士の参加、うらやましい。 阿藤さんのお話は、いつも感動し、考えさせられます。若々しい声で、引き込まれる話です。 (42歳/女性) |
▼多くの人が参加したと思います。日本の司法、裁判は長く時の権力にしたがっていると思います。人権を守らなくてはいけないと思います。皆さんよくがんばっていると思います。 (68歳/男性) |
▼阿藤氏の講演でえん罪のこわさが身にしみました。もしかしたら明日は我が身となるかも知れません。本当に、本当に、権力は正しく行われなければ「真昼の暗黒」です。こわい世の中です。でも、みんなの力で一すじの光となることを祈りたいと思います。 (62歳/女性) |
▼どうやって、この扉をうちやぶるか! 多士済々の方々の総決起ですね。工夫を凝らした集会企画が印象にのこっています。心ひきしまる集会です。 法学部に学ぶ学生たちにとって、テキストにでも演習用に使える「事件」です。すでに刑をつとめ、くやしいと思いますが、あきらめないで頑張って下さい。 人の親になっていれば、それぐらいであろう若手の弁護士の方(原田弁護士)の講演を聞きながら、感動しました。真実の継承というのは一世代でなく、脈々として伝承されているものだということを教えられました。感謝! 阿藤さんの話も感動!(大衆の運動の不可欠性) 人の話は聞くもんですね。 (52歳/男性) |
▼阿藤氏が、この運動を大衆運動として闘っていくことの重要性を語られていました。私も本当にそのことが重要であると思います。人権の闘いとして大衆の中に多くの支持を得ていくこと、そのことの本当の意味をとらえていくことに、再審の展望が開かれるのだろうと思います。 (51歳/男性) |
▼原田弁護士の講演が良かった。 (59歳/男性) |
▼原田弁護士が若く美人で、富山弁護団にこんな人がいるのかと少しうれしくなった。 木下先生の本「裁判官の犯罪『冤罪』」が出版されたが、一回出た判決を正す(覆す)のに、どうしてこのように消極的すぎるのか。完全な人間はいない。 日本にも陪審制をという声もあるが、今のように、刑事犯として疑われた人は、自分で無罪を証明できない限り有罪にするのはよくない。また、中核派で目立つ存在だった富山さんを、犯人像としてつくりあげた検察側、組織のあり方も早く正してほしい。 トイレ休憩があったら本がもっと売れそうだ。集中力も長丁場はなかなか続かない。 うり美さんが、前に学校の弁論大会で優勝されたことがあると聞いていたが、今日もなかなか迫力がありよかった。 (41歳/女性) |
▼皆さんのお話はわかりやすかったし、とても良かったですが、図があった方がもっとよくわかるかなと思いました。 (28歳/女性) |
▼「かちとる会」のあいさつがよかった。 原田さんの講演は事件説明よりも、彼女の感想、意見等に時間をさいてもらいたかった。 阿藤さんもやはり年を取ったなぁと思います。しっかり老人力がついてますねぇー。 (59歳/男性) |
■阿藤周平さんから(アンケートに書いてくださいました。) この集会に参加して下さったみなさん、本当にありがとう。えん罪事件のために共にがんばりましよう。みなさんの御健闘をお祈りいたします。一日も早く再審開始を。 (阿藤周平/73歳) |
□木下信男さんからのメッセージ 本日の富山事件の集会に、体調不全のため出席できませんので、書面にて、ふつつかな意のある所を述べさせて頂きます。 |
□検察官は証拠の全面的開示を!(6・30集会に参加し、広島に戻られた大槻泰生さんから早々と原稿を頂きました。紙面の都合で二度にわけて載せさせて頂きます。) □検察官は隠し持っている証拠を開示せよ!富山再審弁護団が証拠開示命令を求める上申書を提出 |
休載 (なお、今回の大井町での署名集めは、6月30日の集会のビラをまくことにしぼり、お休みしました。) 「明日のために第十五歩目。体に気をつけて、こつこつ進みましょう」というお便りとともに二千円頂きました。ありがとうございました。 |