□本の紹介「なぜ、『あれ』が思い出せなくなるのか・・・記憶と脳の7つの謎」 「ほら、あれだよ。あれ」 最近、富山さんは、固有名詞がなかなか出て来ないことがあるらしい。そういう人たちが本屋で見たら、たぶん、思わず手に取るだろうと思われる題名の本がある。 〈身に覚えがある〉人たちに買わせるのに、出版社はなかなか効果的な題名を付けたものである。しかも、本の帯には、「みんなの悩みをずばり解決」「この本は、次のような人たちに効用があります」とあり、 この題名と帯に牽かれて買った人が相当数いるのではないだろうか。実は、かく言う私も新聞の広告欄で目に留め、気にはなっていた。
富山再審にも関わる部分は、第5章の「偽の記憶の誕生〔暗示されやすさ〕」である。 〈面通しの場〉 〈30分後〉 〈数ヵ月後、法廷で〉 警察官の「結構です」という一言が暗示となり、被害者の記憶に影響を与える可能性が高いことが、心理学者のロフタス氏やウェルズ氏たちの実験の紹介を通して説明されている。 度忘れがもっとも頻繁に起きるのは固有名詞であり、その中でも人名がもっとも忘れやすいのだそうだ。 他にも、「ホシガラスは秋に3万個もの種子を5000ヵ所に貯えて、翌春それらを食べるという恐るべき記憶作業をやってのける」ことなど、おもしろい情報にも富んだお勧めの一冊である。 (山村) |
みなさんの大切な人を守り抜くために
大槻泰生 富山保信さんが再審請求裁判をおこしてから長い年月がたちました。 いまアメリカは、世界最強の軍事力を背景に、世界中の国々を恫喝と懐柔をもって支配し、特に中東の石油資源を独り占めにしようと、核兵器の使用さえ画策しています。また、自民・公明・保守の3党は失政の責任をわれわれ労働者階級におしつけて、アメリカの世界戦争計画へ公然と参戦しようとしています。そして、小泉政権の侵略戦争計画に反対する人々への弾圧体制はますます強まっています。 富山さんは、反戦・反核・反差別のたたかいをたたかってきました。そのために、見せしめとして弾圧されたのです。目撃証人といわれる人たちの初期の証言によれば、犯人の容貌や体格が富山さんの容貌や体格とは違うということは、犯人は彼ではないということにほかなりません。しかも検察官は証拠開示を一貫して拒否しています。それは全証拠を開示すれば富山さんが犯人ではないということが明らかになるからです。 私たちはさきの侵略戦争は正義のたたかいであり、お国のためだと、好むと好まざるとにかかわらず戦争へとかりだされました。そして多くの平和を愛する人たちが弾圧されました。キリスト教徒も仏教徒も「不敬罪」という名目で弾圧され、国家総動員体制へと組み込まれました。いままたそれが着々と準備されているのです。戦争のできる国造りをめざして教育基本法の改悪が企まれ、有事法制の制定や大不況・大リストラ攻撃とたたかう労働者の団結を破壊するための法律改悪、また介護保険制度や医療・年金・失業保険の改悪などの福祉切り捨てが襲いかかっていますが、これらは戦争への第一歩ではないでしょうか。 このように考えるならば、ことは富山さんだけの問題ではありません。平和を愛し、戦争に反対する気持ちから政府の戦争政策に反対した運動を権力は弾圧してきます。ひとり富山さんだけの問題ではないのです。 そのためにも全国各地で「検察官は隠している27人分の供述証拠を開示せよ」「裁判所は検察官に証拠開示を命令せよ」の請求運動・大署名運動を起こそうではありませんか。富山さんの人権は私たちの人権でもあります。富山さんの人権を守ることは、私たちの人権を守ることでもあります。 |
救援連絡センターからの年賀状 |
追悼 友野幽さん
昨年(2002年)12月25日深夜に「無実の富山保信さんの再審無罪をかちとる広島の会」会員である友野幽(ゆう)さんが事故に遭われ、12月31日未明に生へのたたかいもむなしく亡くなられました。享年56歳。生前のご尽力に心から感謝するとともに、ご逝去を悼みます。
幽さんへ 幽さん、被爆者青年同盟の代表であるとともに「無実の富山保信さんの再審無罪をかちとる広島の会」の会員として再審実現のために尽力してくれた幽さん、まだまだやるべきことをいっぱい残して逝ってしまうなんて、あなたはなんというあわて者でしょうか。早すぎますよ。 2003年1月3日 (富山保信) |
12月、1月と、いずれも署名は1名のみと、散々な結果が続いている。今回はうり美さんも風邪でお休みで、富山さんと2人だけである。頑張らねばと思うが、外は冷たい雨。どんどん激しくなっていく雨足を見ながら「あーあ、かったるいな」とつぶやくと、「体調が悪かったら喫茶店で休んでいていいですよ。私が1人でやりますから」と、富山さんのやさしいお言葉。しかし、ここで「はい、そうですか」とはいかない。意地でも頑張らねばならない。
「明日のための第32歩目。あけましておめでとうございます。平成15年も一緒にお付きあいさせてください」というお便りとともに2000円のカンパを頂きました。ありがとうございました。 ニュース読者のOさんから 「立春ももうすぐですね。富山さんをはじめ、みなさまの不屈の闘いに敬意を表します。不正は不正として、今年こそ再審を勝ちとりましょう。 |