タイトル 無実の富山さんの再審無罪をかちとる会ニュース

●ニュースNo.185(2004年2月15日発行)

阿藤周平さんのアピール
集会でのアンケートから
富山さん、ビラまきで奮闘
巣鴨でイラク派兵反対の訴え

大井町ビラまき報告


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「裁判の質が問われている いまこそ再審開始を2・7富山再審集会」は、71名の参加で成功しました。みなさん、ありがとうございました。

再審請求棄却策動を弾劾する葉山岳夫弁護士

ドイツから帰国直後にもかかわらず、急遽、講演していただいた足立昌勝さん

■2・7集会報告

 「裁判の質が問われている いまこそ再審開始を 2・7富山再審集会」は、71名の参加で成功しました。集会の準備と、意見書の作成過程が重なりましたが、みなさんのご協力により熱気溢れる集会を実現することができました。再審請求棄却策動粉砕、証拠開示実現、再審開始にむけ、事務局一同おおいに意を強くしています。本当にありがとうございました。
 当日は、講演を予定していた阿藤周平さんが体調不良のため欠席ということになり、急遽、ドイツ滞在から帰国されてまもない足立昌勝さん(関東学院大学教授)に講演をお願いしました。快く講演を引き受けてくださった足立さんに感謝します。
 葉山岳夫弁護士の報告、足立さんの講演は、順次ニュースに掲載します。今号では、阿藤周平さんのメッセージを紹介します。

 【阿藤周平さんのアピール】

 みなさんにご挨拶申し上げます。

 本日はきびしい寒さの中、集会にご参加下さいまして感謝いたします。
 本来ならばこの集会に出席することになっていましたが、寒さのせいでしょうか急に体調を崩し、やむなく欠席させていただくことにしました。皆様に深くお詫びいたします。
 昨年の10月、東京高裁は意見を求めてきました。
 再審請求をして10年、その間一体なにをしてきたのでしょうか、理解に苦しみます。高裁は意見を求める前に、こちらが強く要求している検察官手持ちの初動捜査当時における関係証書等の開示を検察側に要求すべきです。
 今回の再審請求にあたり、請求人富山氏及び弁護人から富山さんがえん罪であることの明白性を示す膨大な証拠資料等が提出されています。裁判所はこれら証拠資料を一読すれば、原審の有罪判決が誤判であり、第一審の無罪判決の正しかったことが容易に判明するはずです。

 みなさん、裁判とは実に不気味な存在です。裁判官たちは一体何を考えているのか、八海事件で7回の裁判をくり返してきた私には、法衣に身をつつんだ人間の良心はどこにあるのかわかりません。
 裁判は証拠による、その証拠の採否は裁判官の良心にゆだねる、この法文に大きな落とし穴があるのです。八海事件が7回の裁判をくり返したのはまさに刑訴法第317条、同第318条の裁判官の自由心証主義なのです。おそるべき条文です。

 富山再審は開始されるべき事案であり、私は東京高裁第三刑事部の各裁判官の良心を信じて明日を待ちたいと思います。
 真実には必ずや勝利がある、これは私の八海事件でやしなわれた信念です。
 みなさんがんばりましょう。横暴な国家権力に対し、みなさんと共にたたかうことを・・・。
 2月7日
 阿藤 周平

 【集会でのアンケートから】

日本の司法は全く機能してないことを再確認しましたが、それに対して私たち一人一人は何ができるのでしょうか。「裁判官ネット」は最近どんな活動をしているのでしょうか・・・

このえん罪事件に対し息の長い支援活動をつづけている人々がおられること、本当に稀有なことだと思います。ひょっとしたら、この事件は氷山の一角なのでしょうか?

釈然としないこと。なぜ検察側は富山さんを有罪にすることに固執したのでしょうか?犯人の見つからない犯罪など少なくないのではないでしょうか。

「被害者論」批判のお話しをきいて少しショックでした。いくつかの軽犯罪(的なもの)の被害を受けた人間としては、少々辛いお話しでした。

 現在の制度では被害は回復できないし、事実が被害者側に知らされないことに問題があるのではないでしょうか。「被害者論」=「復讐劇」という理論は乱暴では?(31歳・女性)

 参加者が意外に多かった。
 再審に対する認識としては、未だ甘いのでは。
 足立昌勝さんの講演は判りやすかった。ただし、富山事件にもう少し即して頂きたかった。
  富山氏、気迫がこもっており、感動的。(67歳・男性)

 足立先生のお話し、説得力大。感銘しました。
 山村さんのお話し、迫力大。同感。(80歳・男性)

 弁護団の話をもう少し簡潔にして、他の再審事件をたたかっている人やえん罪事件にかかわって人の話をいくつか入れた方がいいのではないでしょうか。横への広がりとつながりとして足立さんの話はよかった。(56歳・男性)

 再審の難しさを感じました。
 無実である事は請求内容を見れば、明らかだと考えます。
 裁判所へ力強いたたかいをもってやっていけば扉は開かれると思います。(54歳・男性)

 葉山、足立両氏の講演が非常に良かった。私自身の裁判についての勉強になりました。
 富山さんの立場が鮮明です。私も同じ立場で完全無罪判決を勝ち取ります。(56歳・男性)

 ニュースを見ていると「この人、恥ずかしくないのかしら?」と言いたくなる事が、あまりにも多いと思います。恥を恥と感じる心や阿藤氏のメッセージ中にもあった「良心」を失ってしまった人とは親しくなれないし、関わりたくもありません。それなのに、そんな人たちに生活や人生を左右されてしまうなんて・・・。絶対に嫌です。足立先生のお話も大変興味深く聞きました。また、かちとる会ニュースでじっくり拝見したいと思います。(30歳・女性)

 葉山先生と足立先生のお話は非常によくわかりました。
 司法改革の攻撃の意味するものも明快に説かれ、富山裁判闘争の意義が明らかになったと思います。
 山村さんの訴えは迫力があり、まさに今こそ再審をの声を大きく上げなければいけないという思いを強くしました。
 富山さんのアジテーションにしっかりこたえたいと思います。(60歳・男性)

 葉山氏、足立氏の報告、講演は圧巻でした。真実と正義の力は我々の側にあります。
 特に足立氏の〈人権の普遍性〉を声高にしかも毅然とした主張は素晴らしい。大きなうねりを作り再審開始―全面無罪・勝利を我が手にかちとりましょう。(55歳・女性)

 再審開始と再審無罪、そのために富山さんと「かちとる会」のみなさん、弁護団のみなさんが長いたたかいを続けてこられたことを改めて確認しました。足立さんの「人権は普遍である」を原則とした提起に共感します。(57歳・男性)

 葉山さん、足立さんの話がわかりやすかったです。
 山村さんの呼びかけのとおり、怒らなければいけないのですね。再審開始をかちとれるよう長い間続けておられていることを感じました。(32歳・男性)

 葉山先生、足立先生ともに、お話しの内容がきわめて判りやすく、誠実なお人柄の中に魅力も感じられました。
 それで、長時間聴いていても退屈せず、苦痛でもありませんでした。
 で、次回も参加させていただきたいと思います(他の社会活動とぶつからない限り参加します)。(64歳・男性)

富山さん、ビラまきで奮闘

 今回の集会の成功のために、富山さんは東京高裁前と地下鉄霞ヶ関駅前で4日間ビラをまきつづけました(ビラを見て集会に参加された方もいらっしゃいます)。「今日で3日目ですね」と声を掛けて通り過ぎる法務省職員も現れたそうです。

 ビラを受け取られた方からご家族の署名とともに激励の手紙が届きましたので、紹介します。

 

2004年2月3日に東京高裁前の道でチラシを受け取り、読ませていただきました。
 再審裁判への傍聴の帰りでした。
 今の日本の社会、真実があまりに無視、軽視されることが多すぎます。
特に裁判の場では、真実のみが、判断の唯一のモノサシでなければいけないと強く思います。
 日本社会全体の成熟が、あらゆる面で求められます。
 権力とのたたかいは、困難が伴いますが、どうぞ頑張り抜いて勝利されますように。
   Nさん

巣鴨で「イラク派兵反対」の訴え

 2月14日、とげぬき地蔵の縁日でにぎわう巣鴨駅頭で自衛隊のイラク派兵反対の街頭演説と署名活動が行われました。呼びかけたのは「二度と戦争は許さない!戦争体験者杉並百人の声」。巣鴨駅を出ると同時に目に入る「イラク派兵は地獄道」のプラカードに注目が集まるなかで、平均年齢が85歳になる7人の高齢者がマイクを握りました。
 最高齢の八木ケ谷妙子さん(90)は、太平洋戦争当時は小学校の教師をしており、敗戦で疎開先から東京の下町に戻ったときに子ども達と見た焼け野原の光景が今も忘れられないという体験談を語り、反戦を強く訴えました。
 沖縄出身の高田普次夫さん(84)は「1940年から従軍し、抑留を経て無事で帰国したら私の故郷の沖縄では20万人を越える死者だった」と痛憤の思いを語りました。
 特攻隊で出撃した兄が実は「自分は無駄死にだ」と述懐していたと切々と訴える女性の声に足を止めて聞き入り、署名する人もあらわれました。
 メンバーの一人として決起された桜井善作さん(『野火』編集人)は、この日は「若者」で、演説に署名集めにと大奮闘でした。

 「元日帝台湾兵」の林歳徳さんの日本人民は敗戦時の痛切な反省を想起して自衛隊のイラク派兵に反対するよう心から呼びかける姿が印象的でした。
 当日の行動は、翌日の東京新聞(上)、朝日新聞(下)でも報道されました。

 さすがに、この心うつ決起と体験に基づく説得力ある訴えに耳を傾ける人々の様子を無視できなかったようです。
 小泉政権は既成事実の積み重ねと、マスコミを総動員して鳴り物入りで愛国主義と排外主義を煽り立て、諦めと無力感のなかに反戦の意思とたたかいを解体しようとしています。しかし、人民の根強い抵抗の前にけっして円滑に進んではいません。それどころか、人民の戦争反対の思いがどれほど抜きがたいものであるかを突きつけられて必死で虚勢を張っているのが実状ではないでしょうか。翼賛国会で開き直り、傲慢不遜に叫びたてていますが、自信も展望もあるわけではありません。
 実際、連日といってもいいほどテレビに映し出される光景は出征そのものであって、「まさか自分の人生で再び出征の光景を目にしようとは。日の丸・君が代と歓呼の声で出征兵士を送らせてなるものか」とまなじりを決して立ち上がる戦争体験者が少なくないのです。「杉並百人の声」は、あえて言えば「氷山の一角」にすぎません。これから続々と同様の決起が生み出されるでしょう。そして、若者ももちろん決起します。そうでなければ人類の未来に希望はありません。
 このままでは戦争と大失業の果ての大破局は不可避です。破局への道を突き進む小泉政権に、いまこそ待ったをかけましょう。

3・20日比谷へ

 イラク侵略戦争開始から1年目の3月20日(土・休日)、世界中の人々が再び集い、反戦デモにたちあがります。日本でも午後1時から、日比谷公園で平和のための世界同時行動・反戦デモが行われます。10万人の大結集で戦争への流れを変えましょう。
 不正・不正義を憎む私たちの心が戦争を阻止し、不正・不正義の横行に目をつむる心が戦争を推進します。失業と生活破壊、権利剥奪の戦争への道は嫌です。戦争と戦争への道に反対する広範な人民とともに、再審請求棄却策動を粉砕し、証拠開示、再審開始・無罪実現にむけてがんばりましょう。 (とみやま)

大井町ビラまき報告

 圧勝した者が勝利報告を書く決まりなのですが、多忙のため休載いたします。大井町ビラまき報告から読むという人がいらっしゃるそうです。期待を裏切って、申し訳ありません。ご勘弁ください。
 圧勝者が誰かは「乞うご期待」ということにします。(と)

大井町のYさんから

「明日のための第四十三歩目
季節は大寒で、最低気温は氷点下すれすれ、どうか暖をとって、ご自愛を」

というお便りと共に2000円いただきました。ありがとうございます。
 寒暖の差がとんでもなく大きくて体調を崩しがちです。風邪を引かないで元気に頑張りましょう。

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