タイトル 無実の富山さんの再審無罪をかちとる会ニュース

●ニュースNo.196(2005年1月15日発行)

事務局から新年のご挨拶
年賀状

大井町ビラまき報告


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 2005年を着実な前進の年に

 

 富山再審の実現で再審に対する逆流をはね返そう。全力でがんばります。(富山保信)

 異議審勝利! 今年もより一層のご支援をお願いします。(かちとる会)

◇事務局から新年のご挨拶◇

□この道を進む

 昨年、富山再審は大きな節目を迎えた。

 一昨年の十月八日、東京高裁第三刑事部(中川武隆裁判長)から、「求意見書」が届く。弁護団は棄却攻撃と見抜き、受けてたつという意気込みで「意見書」、そして「事実の取調請求書」を提出した。一九九四年六月の再審請求申立以来、弁護団は、数々の新証拠、鑑定書、意見書、上申書等々、膨大な書面を提出し続けてきた。「意見書」はそれらを集大成したものだった。

 富山さんも「真実はひとつ。私は無実」という叫びを意見書として提出した。

 同日付で検察官からも「意見書」が出されたがわずか七ページ。中身も外見と同様薄っぺらなものだった。およそ勝負にならない。弁護団の主張と、検察官のこの「意見書」、いずれに理があるのか、いずれに真実があるのか、誰が見ても明らかだった。これで勝とうというのか、これで富山さんを有罪とした確定判決が正しいと言うのか、憤りさえ覚えた。

 弁護団は、この検察官の「意見書」に対する反論を「意見書(2)」として提出、真正面から切り返した。

 こうした弁護団の活動と並行して、富山再審でどのような決定が出されるのか重視した弁護士、法学者、心理学者をはじめとする九三名の方々から「慎重かつ公正な審理を求める」という要請書が第三刑事部に提出された。

 にもかかわらず、三月三〇日、東京高裁第三刑事部は「本件再審請求を棄却する」とする「決定」を出した。

 法律に決められている異議申立期間は三日間。この短期日のうちに弁護団は、弁護団会議を開き、「決定」の内容を検討し、異議申立書を書ききった。連日深夜まで、さらには夜を徹して、異議申立書の起案にあたってくれた。この過程、あらためて私はこの弁護団に心服した。この弁護団と一緒にたたかえることが誇らしかった。

 決定の内容は、なんとしてもこの再審は棄却しなければならないという観点から書かれている。弁護団が指摘し続けたことにまったく答えていない。逃げていた。弁護団は、異議申立書で「決定」を痛烈に批判した。それは、「棄却決定」を出した裁判官に、「真実はこうだ」と叩き返したと思える迫力を持っていた。

 鑑定人からも、「棄却決定」に反論する「意見書」が提出された。科学者の目から見て、この「決定」は科学的知見とはほど遠いものだった。

 異議審は東京高裁第四刑事部(仙波厚裁判長)に係属した。弁護団は折衝を繰り返し、証拠開示と事実調べを強く求め続けている。鑑定人から新たな「意見書」も提出された。

 一九九四年の再審請求から数えても十年近くの年月をたたかい続けてきた。東京高裁第三刑事部は、この再審を棄却した。確かに悔しい。この十年を何だと思っているのか。怒りがこみあげてくる。しかし、負けたという気がしない。それは、攻めて、攻めて、押し続けて、押し続けて、そのうえでの棄却決定だったからだと思う。私たちは完全に裁判所を追い詰めていた。それは「棄却決定」の内容からも窺える。論理としては完全に破綻しながらも、無理やりこじつけての「棄却決定」。権力としては、富山再審を認めることは、「法の安定」の観点から考えてもどうしてもできなかったのだろう。

 私たちは、意気揚々と異議審に突入した。

 そして、二〇〇五年。これまでの地平の上に、大きな展望が開けている。昨年一年のたたかいをさらに大きく広げていきたい。

 やるべきことは山積みだ。しかし、ひとつひとつ片づけていくしかない。これまでもその積み重ねだった。自らのたたかいに自信を持って、この道を歩いて行こう。(山村)

 日産サニー事件にみられるように、一度開かれた再審の門が閉じられるなど、再審を取り巻く状況は未だ厳しく、茨の道である。

しかし、今年もひるむことなく、諦めず、今までやってきた事を糧とし、大きな力となって厚い再審の門を切り開きたい。(うり美)

□怒りと和みの日

 誰でも、人は決して忘れない日を持っています。一月十三日、この日は「もう、こんな歳になってしまったか」と嘆いても、なぜか和む私の誕生日です。

 しかし、一月十三日のその日は、30年前の27歳の富山さんにとっては、突如、襲いかかる不当逮捕の日です。富山さんは無実という真実が踏みにじられ、殺人罪のデッチ上げとのたたかいが始まった日です。

 今年こそ、再審無罪をかちとり(酉)はばたく、積年の怒りを晴らす年としましょう。

 来年のその日が、富山さんの怒りを少しでも和らげる日として迎えたい。(亀)

□着実な前進を

 2005年を雪の中で迎えた。寒いのはよい。心も体も引き締まる。その雪の中で考えた。

 再審における逆流ということが言われて久しい。確かにそのとおりである。日産サニー事件、狭山事件、名張事件、袴田事件、大崎事件・・・そして私の再審請求棄却決定と、枚挙にいとまがない。4人の死刑囚の再審無罪という衝撃的事例を深刻に総括したのは国家権力の側で、それもいかにしたらえん罪・誤判が暴かれないですむかという立場からのみであり、なぜえん罪が生み出されまかり通ったのかにはメスは加えられなかったという事実が歴然と示されている。

 だから、えん罪は今日も絶えないどころか増産されつづけている。えん罪・誤判をゆるさないという情熱と叡智が生み出した証拠構造論にも邪悪な意図ゆえに歯が立たないとはいえ、論理で立ち向かうのではなく御都合主義と状況「証拠」の積み重ねで有罪を宣告・維持しようとする姑息で卑劣な事例が増えたというよりはそれが一般化しかねない勢いだ。和歌山カレー事件をみよ、仙台筋弛緩剤事件をみよ、恵庭事件をみよ。刑事裁判は裁判とも呼べない水準へといっそう押し下げられ、「司法改革」と称するまやかしによってとどめを刺されようとしている。

 一見したところ、もう再審の目はない、やっても無駄だと思えなくもない。そう忠告する人もなくはない。本当にそうか。なんの前進も展望もないのか。

 そうではない。遅々たるものにしか見えないかもしれないが、確実に進捗している。暴虐は権力の危機と焦りに基づくあがきに他ならず、自縄自縛の坂を転げ落ちている。ダムに蓄えられつつある水は憤りと悔しさと悲しみの血と汗と涙であり、矛盾は累積し、露呈しつつある。それは今後ますます増大し、根底にある諦めない、挫けない人々、膨大な「一粒の麦」「地の塩」ともいうべき人々の倦まず、弛まぬたたかいと結びついて、一気に堤防決壊をもたらすだろう。これまでも社会の進歩と発展を牽引してきたそういう人々のたたかいが、いまほど求められているときはない。その表れが昨年の再審への逆流と、立川反戦ビラ弾圧での無罪判決とイラク反戦、共謀罪成立阻止をはじめとする人々の屈せぬたたかいとのせめぎ合いといえよう。

 現在を「閉塞の時代」と呼ぶ人が多数派かもしれない。しかし明けない夜はない。そして暁は訪れ始めたのだ。富山再審は着実に「市民権」を獲得しつつある。2003年暮から2004年春の攻防と異議審の鍔迫り合いは「このたたかいは勝負になる。土俵に登った」と多くの人々に実感させつつある。勝利の鍵はわれわれの手にある。がんばろう。今年もよろしく。(富山)

□ かちとる会に来た年賀状から

えん罪とたたかうIさん
 雪冤の日までともにたたかいぬきましょう。
飯島豊さん
伊藤純子さん(染色家) Iさん
Oさん Oさん
 
  「日の丸・君が代」強制とたたかうKさん
神戸市民救援会議 Kさん
 
  救援連絡センター
三角忠さん(三一書房労組委員長) 江戸川の櫻井さん
 司法試験にチャレンジ中のTさん
朗報を期待しています
入江史郎さん(スタンダード・ヴァキューム自主労組中央委員長)
浜田寿美男さん(奈良女子大教授) 土屋翼(たすく)さん(国賠ネットワーク)
沖縄のFさん 平野雄三さん(袴田事件の報道を収集し配布する会)
 松永優さん(国賠ネットワーク) 藤田進さん(東京外国語大教授)
Mさん 杉並のYさん
松元ヒロさん(コメディアン) 松元ヒロさんのソロライブは下記の通りです
日時:2005/
3/10(木)open 18:30 start 19:00
3/11(金)open 18:30 start 19:00
3/12(土)open 14:30 start 15:00
3/12(土)open 18:30 start 19:00
3/10(日)open 14:30 start 15:00

場所:

●アールズアートコート(JR新大久保駅下車徒歩6分)

関連ホームページ:「松元ヒロを応援する愉快な仲間たち/ヒロポンの会」 でもご案内が掲載されています

大井町ビラまき報告

亀・・・・・4
うり美・・・2
山村・・・・1
富山・・・・「1」

 えらいこっちゃ、どこを捜しても出てこない。その日の夜に書き上げた原稿はどこに消えた。どうなっているのだ。ということで、どうやら間違って消したか上書きしてしまったみたいである。情けないやら悲しいやら、ドジの見本というほかない。傑作「亀の逆襲」は永遠に日の目を見ないことになってしまった。これはあらためて書き直した敗者復活戦版報告である。したがって、どうしても臨場感が希薄になってしまう。

 この日は何人か知り合いが通過したが、いずれも亀さんに先を越されてしまったらしい。亀さんを指さして通り過ぎたのまでいる。立つ位置が明暗を分けた。私の「1」はレース終了後に掴まえた1ということで「」がついている。
 うり坊うり坊は「年間総括をせよ」と迫る。しかし、原稿のやり直しでがっかりしている当方はやる気がしない。今回はさぼる。

 紹介したいのは立川反戦ビラ弾圧(自衛隊官舎にイラク派兵に反対するビラを配ったら住居侵入罪で逮捕・起訴)の無罪判決だ。当然の判決とはいえこの時期にきちんと当然の判決をかちとった意義は絶大である。共謀罪の成立を阻止し続けているたたかいもそうだが、強固な反戦の意思と粘り強い取り組みが勝利をもたらした事に学び、倦まず弛まず着実な前進をかちとりたい。

2004年12月17日朝日新聞2005年1月12日朝日新聞

(2004年12月17日朝日新聞) / (2005年1月12日朝日新聞)

(ホームページ版調査)

●今号も特に調査対象ボキャブラリーは見当たりません。から「亀」の画像を追加しました。

亀さん亀さん:  (調査&ホームページ版アレンジ=tyo)

大井町のYさんから

休載

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