タイトル 無実の富山さんの再審無罪をかちとる会ニュース

●ニュースNo.199(2005年4月15日発行)

公開学習会報告
アンケートから
栃木ででっち上げが発覚

大井町ビラまき報告


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『徹底検証「決定」批判と再審開始への展望』4・2公開学習会は、50名の方の参加で成功しました。
みなさんありがとうございました。

会場参加者と講師・原田史緒弁護士(富山再審弁護団)(右端)

主催者よりあいさつ

□公開学習会報告

 4月2日、「かちとる会」は大井町きゅりあんにおいて、「徹底検証『決定』批判と再審開始への展望」と題して、学習会を行った。学習会では、富山再審弁護団から、原田史緒先生が棄却決定批判と異議申立の内容を講演して下さった。

 富山事件で学習会をやったのは、これで何回目だろうか。少なくとも富山さんが出獄してからは初めてである。
 かちとる会の定例会でも、「棄却決定批判をキチンとやろう」、「再審について知識を深めよう」、「自己満足に終わるのではなく、次に繋げるような学習会をしよう」などの意見がでていた。
 だが、蓋をあけてみるまで、何名集まるかわからないという状況だった。たとえ少人数でも一人一人が深く理解でき、発言しやすいようにと机は円卓形式にした。いざ蓋をあけて見ると次々と参加者は増え、50名の人々が集まって下さった。集会並の人数となった。それは、私達の予想をはるかに超えるものだった。裁判所前で富山さんから学習会への参加を訴えるビラを受けとり、群馬から初めて参加してくれた方もいた。このことからも冤罪、再審への関心の高さ、富山事件が広範に認知されているのが窺える。
 会場では、富山事件の再審棄却決定とそれに対する異議申立書との対照表が配られ、原田史緒先生がそれに基づき説明した。
 2004年3月30日、東京高等裁判所第三刑事部により富山事件の再審請求は棄却された。この棄却決定は、弁護団が提出した富山さんの無実を証明する新証言や鑑定書について何ひとつ事実審理を行わずに、新規性、明白性をとおりいっぺんの理由ならざる理由で否定したものだった。
 一例をあげれば、浜田鑑定については「新たな証拠とみてよいかは疑問のあるところであり、仮にその新規性を認めるとしても、既に述べたところ、例えば、鑑定経過に多分に推測の要素が入っていることなどに照らし、確定判決が採用した証拠の信用性判断を揺るがす明白性があるとまではいえない」としている。
 また、箱田鑑定についても「本件のような犯行を目撃した場合に、一般的に指揮者とみられる犯人の顔を正確に認知し記憶することが必ずしも容易ではなく、誤認する危険性があることを示したにとどま」る、としている。
 とても、再審請求書と真摯に向き合って出した決定だとは考えられない。はじめに有罪ありき、これが今の司法の現状かとまざまざと思い知らされるものだった。改めて怒りが沸いてくる。(対照表が必要な方は「かちとる会」まで御連絡ください)
 この棄却決定が出されてからの異議申立期間は三日間、弁護団は異議申立書を書き徹底反論した。
 学習会では、会場からの質問に原田先生、主任弁護人の葉山岳夫先生が答えた。質問は多岐にわたり、盛会に幕を閉じた。(質問の内容については、次号に掲載します)
 理解しているつもりになっているのが、なにより一番危険である。私にとって、この学習会で富山事件と再審について学ぶことは、大変意義あることだった。
 かちとる会では、継続的に再審事件、冤罪事件について知識を深めようと、さらなる学習会を計画中である。(うり美)

【質問に答える葉山弁護士】             

□4・2学習会のアンケートから

 対照表があったので、再審棄却がどういう形で行われたのか、わかりやすかったです。
 家族が再審請求をめざして準備しております。再審の難しさをあらためて痛感しましたが、お仲間が多いことを心強く思います。
 いつも温かくお迎えくださいましてありがとうございます。感謝しております。
(女性) (ニュース読者)

 皆さんの熱心さが伝わって来ます。えん罪のおそろしさを身をもって感じています。私共は、民事で医療過誤訴訟をしており、一、二審、敗訴でした。弁護士の裏切り行為、カルテ改ざん等あり、原告には見せず、知らせず、完敗でした。現在、再審申立中ですが、弁護士等付いておらず、長い裁判と思い、勉強中です。
(男性) (霞が関で富山さんがまいたビラを受け取り、参加してくださった方です)

 再審の現状、争点について、よく理解することができました。
 証拠開示への運動を強めることを決意しました。まずは署名集めに力を入れていきたい。
 企画は非常に良いと思いました。
(男性) (富山さんから誘われて参加)

 今回で二回目の参加ですが、とても勉強になります。
 送って頂いている「ニュース」も読み続けていると、なぜかハマってしまいそう。
 土曜の夜は用事があるので、次回は来れるかわかりませんが、なるべく参加したいと思います。
(女性) (ニュースを読んで参加)

 かねてから、富山さん無実・再審闘争についてより詳しく勉強したいと思いながら、なかなか参加できておりませんでしたが、本日の学習会に来てよくわかり、来てよかったと思います。
 今の戦時下的情況の中で、闘う良心の囚人の闘いには勝たねばならないと強く思うところです。
(女性) (富山さんに誘われて参加)

□栃木ででっち上げが発覚

 栃木県でたいへんなでっち上げ事件がおきています。2月18日付けの夕刊各紙によれば、昨年8月に別件で逮捕された男性が再逮捕された「強盗」容疑2件について「自供」し、起訴されて「懲役7年」を求刑されていたにもかかわらず、別の強盗事件で逮捕された人物が真犯人であることが判明したため、あらためて無罪の論告求刑が行われるそうです。記事を読むかぎりでは「宇和島事件」に類似しています。事実関係を確かめないとうかつなことは言えませんが、いずれにせよ無視することはできません。注目する必要があるように思います。

(朝日新聞2月18日付夕刊) (東京新聞2月18日付夕刊) (毎日新聞2月18日付夕刊)

(読売新聞2月18日付夕刊)

  【宇和島事件】

 愛媛県で1998年10月に貯金通帳、12月に印鑑を盗み、99年1月に50万円を引き出したとして1年以上拘置され、「懲役2年6月」を求刑されていた男性が、高知で逮捕された別の男性が真犯人であることが判明しため無罪・釈放された事件。詳しくは『自白の心理学』(岩波新書・浜田寿美男著)参照。

大井町ビラまき報告

亀・・・6
富山・・・1

 今日は地元で教育労働者の「日の丸・君が代」強制に反対する集会がある。参加者が大井町の駅を使うに違いない。いつも署名集めに立つ場所を変更して、駅の大きな出口側に位置する。ここで一気に

対亀大亀力関係を逆転だ。と意気込んだのだが、さっぱりである。ある顔見知りの人など亀さんのところで署名した後、私のところに来て「ご本人に署名してあげればよかったわね」。結局、顔見知りの署名は亀さんが2、私は1。狸の皮算用に終わったわけである。顔見知りに期待するという情けない料簡とはきっぱりと縁を切って、着実に署名を集めるというオーソドックスな道を進まねばならない。
 またしても教訓だけが突きつけられることとなった。
 一騎打ちは私の完敗に終わった。このまま私の辞書には「完敗」という文字しかないという無様な姿をさらし続けるのであろうか。
山と麓の林 ニュースは「大井町ビラまき報告」から読み始める人が多い。というよりは、そういう人が圧倒的多数である。そして、私が負け続けるのを「楽しむ」人と、「かわいそうだ」「見るに忍びない」から止めたらどうかと同情する人と、もっと成果を上げろと叱咤する(激励がないのだ、トホホ・・・)人とに分かれる。
 でも本人はけっこう楽しんでやっている。亀の歩み(うちの亀の歩みはすごいのだが)でも「町の風物詩」になるまでがんばるつもりなのだ。継続は力である。それこそ「愚公山を移す」を実現するくらいのつもりでやろうということである。なんて利いた風なことを言っているが、やっぱりたまには勝たないと格好がつかない。次回こそは。(富山)

大井町のYさんから

休載

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