タイトル 無実の富山さんの再審無罪をかちとる会ニュース

●ニュースNo.206(2005年11月15日発行)

集会報告
集会のアンケートから

大井町ビラまき報告


Home Page News

11・12富山再審集会は、初めて参加の7名を含む59名の参加で成功しました。みなさんありがとうございました。

□集会報告

 11月12日、「証拠開示が再審の扉を開く!カギは隠された27/34」と題して、富山再審集会が大井町「きゅりあん」にて行われた。富山事件は再審請求をした1994年6月から、約10年目の2004年3月に再審請求が棄却され、富山さんと弁護団は直ちに異議申立てを行い、現在異議審は東京高裁第四刑事部に係属中である。
 富山事件の最大の争点は、事件を偶然目撃した目撃証言の信用性にある。目撃調書だけでも34人分あると法廷で捜査責任者が証言しているが、公判では7人分しか開示されていない。しかも、開示されている調書でも、事件直後のものは富山さんとは似ても似つかない容貌を述べている。その調書は取り調べが続いていく中で段々富山さんの容貌に似てきている。開示されていない27人の調書に真実は隠されているに違いない。私達は証拠開示こそ富山再審の扉を開く鍵になるという思いで集会を開くことにした。
 富山さんが逮捕された時から弁護人になっている主任弁護人葉山岳夫先生から、事件の説明、確定判決および再審請求棄却決定の不当性、証拠開示の必要性、運動の展開等についての話がなされた。葉山先生は冒頭、「富山事件は警察、検察による目撃証人のねつ造によって仕立てあげられた冤罪である。さらには検察官が証拠を開示せず一貫して隠滅し続けている。その検察官の態度そのものについては犯罪行為として弾劾しなければならない」と語った。これは、いまもって開示されていない27通の調書だけにとどまらないのである。
 富山事件は、員面調書が開示されたことにより検面調書との齟齬が浮き彫りになっている。この員面調書は、一審の公判段階で弁護団が強く開示要求し裁判所が勧告をだし検察官に開示させたものである。この開示により、目撃者の供述が当初富山さんとは似ても似つかない犯人像を述べているものであり、さらには目撃した位置、犯人の位置、犯人の人数等々まで違っているということが判明した。検面調書は、意図的に「富山=指揮者とされる犯人」という検察官の主張に合わせて整合されており、それだけみると誰の目にも富山さんが犯人であると疑いようがないものなのである。
 ところが、員面調書と検面調書を対比することによって目撃者に対する検察官の暗示、誘導の構造が見事に浮かびあがったのである。この員面調書の開示がなかったら、真実がこれほどまで浮き彫りになることはなかったであろう。その員面調書の内容からして、証拠開示は決定的に重要であり裁判の行方を左右するものだったのである。真実究明において、証拠開示の重要性、必要性は計り知れない。それを検察官は拒否するのである。
 員面調書より以前に開示されていた検面調書においても検察官はなかなかあきらかにせず、開示を認めても閲覧のみで謄写はさせないという対応だった。いずれも弁護団が粘り強く交渉し開示させたのだが、こんな理不尽なことがまかり通ってよいのだろうか。葉山先生の「犯罪行為として弾劾しなければならない」の言葉はまさにこのことをも意味する。
 諄々と、時には力強く語られる言葉の一つ一つに説得力を感じたのは私だけではないだろう。そこには、弁護団が「無実は無罪に」という信念のもと、今日まで諦めず続けてきた実績が裏打ちされているからに違いない。

 講演予定であった阿藤周平さんが体調を崩され、参加できず残念ではあったが、集会参加者は59名であった。初めて集会に参加した方は家族で参加された司法書士の方、阿藤さんの同郷の女性を含めて7名いらした。今までたゆまず続けてきたことが、確実に実を結んできていると実感させられる集会であった。そして必ずや再審開始、再審無罪を勝ちとらなければならないと決意を新たにした。   (うり美)

□アンケート

 えん罪で無実を訴えている人を信じます。このような集会は初めてでした。先生方のお話にすごく感銘を受け、また、富山さんのお話はすごく励みになりました。
八海事件の阿藤さんと同郷なので、ぜひ、お会いしたいと思いましたが残念です。  (女性)

 阿藤周平氏の欠席はきわめて残念でした。高校時代に『誤った裁判』を読んで以来、阿藤氏は私の「英雄」でした。いつの日にか講演をお聞きしたいと思います。
「ヒラメ」裁判官の眼を開かせるには、しつこく追いつめるしかないと思います。  (男性)

 富山さん本人のお話が聞けて、すごくよかったです。また、このような機会があればぜひ参加させてもらいたいです。   (女性)

 弁護士からのわかりやすい説明により、今までの経過が良くわかりました。また、「かちとる会」の活動報告により、会が長期間にわたり、地道な努力をしてきたことをうかがうことができました。富山さんの力強い発言に感動しました。   (男性)

 阿藤氏の欠席、残念。
(集会での発言)それぞれに印象的で良かった。    (男性)

 59名もの多勢の参加は驚異的。富山さん本人の健康保持がまず第一。たった一度の人生を後悔なき人生にするもしないも、己の決意ひとつ。愚直第一に。  (男性)

 葉山先生の話が非常に良かった。権力のデッチあげがよくわかりました。富山さんの無実を改めて強く確信できました。
 富山さんの怒りのアピールも非常によかった。再審開始の困難さの中に、その可能性、展望が確固としてあることがよくわかりました。   (男性)

 阿藤さんの欠席は残念でしたが、葉山さんのお話は、淡々とした口調ながらも、非常にわかりやすく説得力のあるものでした。
 富山さんの話も面白かったです、展望も示しつつ。  (男性)

 阿藤周平さんの健康が心配です。しかし、思いは山村氏の紹介で伝わった。
 11・6集会の後にもかかわらず、かなり多数の参加者があり、意を強くしました。学者、弁護士にも個別に参加を呼びかけたるが宜しいと思います。
 富山氏の発言もまとまって良かった。  (男性)

 阿藤さんのお話を聞けなくて残念。再び元気なお姿に接したいです。一日も早いご回復を祈ります。
 葉山先生のお話、具体的でわかりやすかったです。検察、裁判所双方のあまりの理不尽さに改めて怒りが湧きます。運動の大衆化でなんとしても証拠開示と再審開始をかちとるために頑張りましょう。
 富山さん御自身のお話、迫力と説得力がありました。「えん罪に時間(刑期の長短)は関係ない」、まさにその通りです。その無念さと怒りを共有したいと思います。    (男性)

 @富山さん、勝利するまで体を大事にして下さい。
 A葉山岳夫弁護士さん、長い間、ありがとうございます。
 B阿藤周平さんの御健康をお祈り致します。
 C集会に参集した方々の御健康をお祈り致します。
 D再審無罪をかちとる会、長い間、ご苦労さんです。
 E真実は必ず勝利します。
     (男性)

 富山さんとは御近所付き合いをさせてもらい、コーヒーをよく御馳走になっている者ですが、富山さんの印象については、楽しいおじさんということだけが強くありました。しかし、本日の集会に参加して「闘志あふれる怒れるおじさん」ということを再認識し、内面からあふれるすごいエネルギーを感じました。そして、そのエネルギーこそ無実の証明だと思います。異議審において大衆運動を爆発させ、証拠開示を勝ちとり、勝利の地平を切り開きましょう。
 また、おいしいコーヒーをよろしくお願いします。   (男性)

 葉山先生の講演で強調された、@富山氏は無実であり、これは明らかにえん罪であること、A逮捕・拘留は国家権力の犯罪行為であり、B今もって無罪の証拠を隠し続けることは、国家的犯罪行為だという点、本当にそのことを大衆運動として展開し、運動的に学問的に裁判所に認めさせる営為をたゆまず続けて必ずや果たすことを改めて誓いました。あらゆる苦難を乗り越え、ますます円熟味(!)を増した富山氏に頭が下がります。   (女性)

 勝つまでガンバリマス。    (男性)

 とてもためになりました。きびしい状況の中、めげずに前進して下さい。   (男性)

 富山事件を初めて知った時、「もし、逮捕されたのが富山さんではなく私の父だったら、私は生まれなかったかもしれない」と感じた記憶があります(実際には、事件当時、私は1歳ですが)。
 今は自由の身なのだから良いではないか、などと言えるはずがありません。かけがえのない人生を強引にねじ曲げてしまう国家権力の横暴は決して許されてはならないという思いを新たにしました。    (女性)

 富山さんの話は説得力があってよかった。
 葉山先生のお話で、これまで知っているつもりでまだまだ知らなかったことをいろいろ知り、よかった。もっと多くの人に知らせていかなければと思います。    (男性)

 葉山弁護士のお話はわかりやすかったです。ふだん集会などで顔を見ない人たちが多いので驚きました。    (男性)

 検察官は隠し続けている証拠を全面開示せよ!
 無実を証明する証拠を隠滅することは絶対に許せない。この悪辣極まる国家犯罪を共に徹底的に弾劾する。無実でありながらデッチあげられ、有罪判決を強行され、長期間獄中・下獄生活を強いられた富山さんの無念さを想うとき、再審絶対勝利をかちとることを一緒に誓いたい。   (男性)

 せめて午後8時までに集会が終わるような時間的スケジュールでお願い致します。    (男性)

 いろいろと勉強になります。私も高齢になり、体も動かず活動もできません。通信費もかかりますので通信を止めてください。   (男性)

---------------------------------------------

【このアンケートは、集会後、証拠開示を求める署名5名、再審開始を求める署名5名分とともにお送り頂きました。書いてくださったのは、ずっと富山再審集会に参加してくださっている方で、79歳になられる方です。ご本人が集会に来られない時は、ご家族の方が参加してくださいました。また、署名も数多く集めてくださっています。この場を借りて、御礼申し上げるとともに、通信費等々のことはご心配なく、「ニュース」を読んで頂けるだけでもけっこうですので、ぜひ送らせて頂きたくお願い申し上げます。/事務局】

 拝啓 富山保信様
 先日、11月12日に行われた集会に参加できず、すみませんでした。
昨年、再審請求が通るかと思いきや、棄却され、再びふり出しに戻ってしまうのかと落胆してしまいましたが、それでもあきらめない富山さんの姿勢に心を打たれました。
 先日の集会もぜひ参加させて頂きたかったのですが、私用の為、参加できなかったのを残念に思います。会報で集会の様子と今後の展望をうかがえる事を楽しみにしています。
 私も富山さんが無罪を勝ち取れるよう、協力させて頂きたく思います。   (Gさんから)

【再審開始を求める署名とともに、「気持ちですが、活動資金にお使い下さい」とカンパを同封してくださいました。ありがとうございました。/事務局】

大井町ビラまき報告

亀・・・・4
うり美・・・・0
山村・・・・0
富山・・・・0

 今日は、澄明な秋空。ビラまきも意気揚々といきたい所だ。だが、毎度のごとくそうはいかないのがビラまき。
 17時を過ぎた時点で辺りは暗くなり始め、寒さを感じるようになる。
 ようやく一人話かけてきた女性に微かな希望を繋げたい。
 だが、一通り話を聞き終わると「もう普通に生活してるんでしょ。だったらいいじゃない」「裁判所は、そんな悪い所だとは思わない」さらには「神様は、きっと見ていてくれますよ」と言われる始末。
 「自分の身に置き換えて考えてみてください。裁くのは神様じゃないんです」等と説明しても「死刑だというなら署名しようと思ったけど、元気に暮らしてるんでしょ」と言われ、元気には違いなく、一瞬肯定しそうになった。
 結局、私も山村さんもゼロ。亀さんの所へ旅立ち、コバンザメ化してた富山さんはと言えば・・・。一人位署名がとれているのではないかと淡い期待を寄せていたが、見事に裏切られた。
 私は「(署名がとれないのは)場所の問題じゃないんじゃない?」等と富山さんをなじりながら、今日も亀さんの一人勝ちに感服した。  (うり美)

大井町のYさんから

休載

jump page top