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ニュースNo161(2002年2月1日発行)

●ニュースNo161(2002年2月1日発行)◎今年こそ再審開始を!大井町ビラまき報告

今年こそ再審開始を!

 1994年6月20日の再審請求から7年半余。
この間、弁護団は、再審請求書とともに提出した39点の新証拠に加え、目撃証言の信用性を科学的につき崩す鑑定書や補充書を提出し、再審開始を求めて裁判所との折衝を重ねてきました。
また、検察官が隠し持ったまま、いまだに開示していない27名にもおよぶ目撃者の供述調書などを開示するよう検察官と折衝を繰り返してきました。
しかし、検察官は頑に開示を拒否しています。
裁判所は、検察官に証拠開示命令を出すこともなく、事実審理も行おうとしていません。
厳しい状況の中で、弁護団は新たな鑑定の準備など、再審開始に向けて全力でたたかっています。
こうした中で、一昨年に続き、昨年も「法と心理学会」の大会で富山再審弁護団、鑑定人が富山再審について発表を行ったことは重要です(詳細は158号に掲載)。
富山事件は目撃証言の信用性が最大の争点となっています。その目撃証言の問題性が研究、論議されている「法と心理学会」で富山再審が取り上げられている こと、さらには、「捜査段階における犯人識別のためのガイドライン(目撃供述ガイドライン)」が研究者の方々によって作成されつつあることは、富山再審の 今後にとって大きな意味をもっていると思います。
昨年一年、「かちとる会」も、再審開始を求める署名やに証拠開示を求める署名運動を展開し、富山さんを先頭に裁判所への申し入れや高裁前でのビラまきを行い、再審開始に向けたたかいを進めてきました。
6月30日には、富山再審集会を開き、64名の人々の参加を得ました。10月27日には、「八海事件五〇周年・東京集会」を山際永三さんをはじめとする多くの方々とともに成功させることができました。
また、毎月必ず事件現場のある大井町駅頭に立ち、ビラまき・署名集めをおこなってきました。毎月継続してやっていることによって、大井町の人々の理解も得られるようになり、署名した人の中から集会や定例会に参加してくださる方も出てきています。
「無実の富山保信さんの再審無罪をかちとる広島の会」でも、4月に広島で実行委員会主催によって行われた「八海事件発生五十周年記念のつどい」に合わせ て、「阿藤周平さんを囲む会」を開いて頂きました。「8・6ヒロシマ大行動」には、東京の「かちとる会」も参加しました。
今年2月9日~10日、「かちとる会」は合宿を行い、昨年のたたかいを引き継ぎ、2002年をどうたたかうかについて話し合いました。
まず第一に、6月29日(土)に集会を行うことを決めました。会場は大井町のいつの「きゅりあん(第二講習室)」です。この集会についてはすでに阿藤周平さんの了解も得ており、参加して頂けることになっています。
また、東京高裁への申し入れについても、富山再審を強力に押し進めていくため、今回は阿藤さんが参加してくださることになりました。
集会、高裁申し入れを軸に、署名運動の拡大、ビラまき、パンフレット等の発行、ニュースの定期発行など、山積みになっている課題にひとつひとつ取り組んでいきたいと思います。
その中で、特に、証拠開示を求めるたたかいを重視したいと思います。富山さんの無実を証明する証拠を検察官が隠し持っている、検察庁の倉庫には富山さん の無実を示す証拠が眠っている、こんなことが許されていいわけがありません。再審開始をかちとるたたかいは、証拠開示がカギになります。今年は証拠開示に 焦点をしぼってたたかいを進めていきたいと思います。弁護団も検察官に対して証拠開示を要求するとともに、裁判所に対し検察官への証拠開示命令を強く求め ていくことになっています。
再審請求からの7年半余は、7年半余の長きにわたって審理を進めず再審を開始しようとしない裁判所とのたたかいであるとともに、逆に言えば7年半余にわ たって、棄却攻撃を粉砕してきたたたかいでもあります。再審請求後も、続けて新たな鑑定書を提出するなど弁護団は全力でがんばっています。
この弁護団のたたかいに連帯して、「かちとる会」は、裁判所が真摯に富山再審に取り組まざるを得ないような運動をつくっていかなければならないと考えています。
多くの方々のご支援をよろしくお願い致します。  (山村)

 6月29日、「かちとる会」は以下のとおり、集会を開きます。
ぜひ、ご参加ください。

□日時 6月29日(土) 午後5時30分~
□会場 きゅりあん(第二講習室)
□講演 阿藤周平さん、富山再審弁護団、富山保信さん、他
「かちとる会」が東京高裁前でビラまき

2月6日、富山さん、坂本さん、うり美さん、亀さん、山村の5人で東京高裁前で、再審開始を求めるビラまきを行い、約1時間半で800枚をまきました。
「おはようございます。読んでください」とビラをまいていると、突然、「おはようございます。がんばってますか」と逆に声をかけられ、びっくりして相手 を見ると、昨年の「八海五十周年・東京集会」の賛同人になってくださった大学の先生でした。この日は大学のゼミ生や高校生を連れての裁判所見学とのこと で、どうりで、さきほどから大学生らしい若い人や制服姿の女子高生がウロウロしています。
そのあとは、目の前にある裁判所を探して行ったり来たりしている大学生や女子高生に、「裁判所はここ。入口はそっちから」と道案内をしながら、しっかりビラも渡しました。
今回もなかなかいいビラまきだったと思います。
(山村)

「無実の富山保信さんの再審無罪をかちとる広島の会」の大槻泰生さんから

「9・11」は忍耐の限界にきた人たちの決起です。それに対して、アメリカは、「非人道的、反社会的」「不正義」「悪」という言葉を 振りかざして、戦術核兵器と同じ殺傷力を持つと言われる燃料気化爆弾などの無差別大量虐殺兵器を使用して、アフガニスタンの多くの民衆を殺害しています。 個人の「テロ」行為は犯罪だと言われ、国家の行う「テロ」はどんなことをしても正義とされ英雄視される。それは間違いです。
富山さんは、一審・東京地裁で無罪をかちとったにもかかわらず、二審の東京高裁は、権力に逆らうものはこういう目に会うのだという見せしめに、デタラメな論理でもって有罪判決を言い渡し、最高裁もそれを追認しました。
そして、再審請求に対しても、理由にならぬ理由をつけて今日までほったらかしにしています。私はこの状況を怒りと憎しみ、恨みをもって受けとめていま す。富山さんの再審請求を今日まで無視しつづけていることは、私には権力による「テロ」行為にも見えてきます。
私は、今日、富山さんの再審請求のたたかいは重要な局面を迎えたと考えています。今、私たちは何が問題なのか考えてみなければなりません。
日本政府は国際人権委員会に「日本は、弁護人に証拠開示を受ける機会が十分に保障されています」と報告しています。しかし、富山さんの事件にしても、石 川一雄さんの事件にしても、証拠開示は、「十分に保証」どころかまったくなされていないのが現状ではないでしょうか。
裁判所は証拠開示命令を検察官に行えと要求しようではありませんか。そのためにも世論の盛り上げを図っていこうではありませんか。
人権を軽視した司法制度の改革を許さず、自民、公明、保守三党の政治の失敗をわれわれに転化する小泉政権を許さず、人々が幸せに暮らせる世の中をめざして前進しようではありませんか。  (大槻泰生)
□狭山異議審棄却弾劾

1月24日、東京高裁第五刑事部(高橋省吾裁判長)は、石川一雄さんの無実の叫びを踏みにじり、第二次狭山再審・異議申し立てを棄却する決定を行いました。
事実調べを一度も行うことなく、石川さんの無実を明らかにする新証拠をことごとく切り捨て、異議申し立てを棄却した高橋裁判長を許すことはできません。
石川さんは、「強い憤りを感じる。真実はひとつであり、あくまでも自分の信念を貫き、身の潔白が明らかになるまで闘い抜く」と棄却決定を怒りをこめて弾劾しています。
石川さんは、1月29日、特別抗告の申し立てを最高裁に行いました。石川さんのたたかいに連帯し、第二次再審請求・特別抗告審の勝利をかちとっていきたいと思います。

 今年最初の大井町は、
亀・・・・・・4名
山村・・・・・2名
富山・・・・・0
でした(うり美さんは風邪でお休み)。

 「一ヵ月遅れですが、新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
早々の年賀状ありがとうございました。楽しく拝見させてもらいました。
明日の為の第22歩目。
ということで、今年こそ前進がありますように。」というお便りとともに、1月28日に2000円お送り頂きました。ありがとうございました。