「ドクダミの友」伊藤純子さん画 「ドクダミの友」伊藤純子さん

東京高裁第四刑事部は再審開始決定を

裁判所は検察官に証拠開示を命令してください

富山再審11・12集会

集会案内ビラができました。今号ホームページでも掲載します。

富山再審11・12集会証拠開示が再審の扉を開く!

カギは隠された 27/34

11月12日(土)午後6時開場
きゅりあん 第2講習室(JR京浜東北線・東急大井町線の大井町駅下車すぐ)
◎八海事件元被告
阿藤周平さん

◎富山再審弁護団
葉山岳夫弁護士

◎再審請求人
富山保信

 

検察官に証拠開示を命令せよ

証拠開示が再審の扉を開く!  カギは隠された 27/34

みなさん、東京高裁第三刑事部は昨年(2004年)3月30日付で、1975年1月13日の不当逮捕以来30年にわたって無実を訴えてきた富山保信(とみやまやすのぶ)さんの再審請求を棄却する決定を行いました。
富山さんは無実です。決定は《再審開始》でなければなりません。再審開始こそが事実に即した、正しい決定なのです。
富山さんと弁護団は《再審開始》という正しい決定をもとめて、ただちに異議申し立てを行いました。異議審は、現在、東京高裁第四刑事部(仙波厚裁判長)に係属しています。

無実を訴えつづけて30年

1974年10月3日、品川区東大井で「殺人事件」が発生しました。この事件の「犯人」として、翌年1月、富山さんが逮捕されました が、彼は一貫して「自分はやっていない」「事件があった時刻には池袋にいた」と無実を訴え続けています。アリバイは弁護士の調査によって裏付けられまし た。

34人中わずか7人分の調書だけ開示

捜査当局が富山さんを犯人だとする根拠は、偶然、事件現場を通りかかった人々の目撃証言だけで、他に何の証拠もありません。
裁判の主要な争点は、この目撃証言の信用性です。しかし、目撃調書だけでも「34人分ある」(法廷での捜査責任者の証言)はずなのに、7人分しか開示され ていません。残る27人分の調書の中に「富山さんは無実」を証明する証拠があるはずなのに隠されたままです。しかも、開示されたいずれの証人も当初は富山 さんとは似ても似つかぬ犯人像を供述していたのが、取り調べを重ねるにしたがって富山さんに似た犯人像を述べ始めます。
一審は、この変遷には取調官の暗示・誘導が窺えるから信用できないと無罪を言い渡しました(1981年3月)。
ところが、二審は、取り調べた警察官の「暗示・誘導はしていない」という主張を根拠に逆転有罪(懲役10年)を言い渡しました(1985年6月)。警察 官が「私は暗示・誘導しました」と正直に言うでしょうか。冤罪が後を絶たないという厳然たる事実は、警察官が真実の証言などしないことを証明して余りある のではないでしょうか。
最高裁は「事実誤認の主張だから上告理由にあたらない」と門前払いしましたが、無実の人間が投獄されかけているから救済せよ、真実を究明せよという主張ほど上告理由に相当するものはなく、門前払いは職責放棄というものです。
服役を余儀なくされた富山さんは、獄中から再審請求を行い(1994年6月20日)、1995年12月19日の満期出獄後も無実を訴え続けています。

日本の刑事裁判の水準が問われている

富山裁判は目撃証言の信用性を最大の争点とするものであり、日本の刑事裁判史において当時も今も重要な位置を占めるものです。目撃証 言の信用性、証拠開示問題、そして事実認定のあり方と刑事裁判の原則、鉄則ともいうべき領域にかかわる判定が問われています。日本の刑事裁判の水準を示す 試金石なのです。
昨年3月、心ある学者、弁護士の方々93氏が東京高裁第三刑事部に対して「慎重かつ公正な審理」をもって「後世の批判に耐えうるような決定を」という要 請を行いました。第三刑事部・中川裁判長が行った「再審請求棄却決定」は「慎重かつ公正な審理」の対極を行くものであり、こんな決定のために再審請求以来 10年の貴重な時間が空費されたのです。

東京高裁第四刑事部は再審開始を決定せよ

6月22日、私たち「無実の富山保信さんの再審無罪をかちとる会」は、富山さん、足立昌勝・関東学院大学法学部教授とともに、すみや かに「再審請求棄却決定」を取り消し《再審開始決定》を出すよう申し入れを行いました。昨年3月の第三刑事部への「慎重かつ公正な審理」の要請の呼びかけ 人の一人である足立さんは、あらためて同趣旨の要請書を第四刑事部に提出しました。なんとしても「再審請求棄却決定」の訂正、《再審開始》の正しい決定を かちとらねばなりません。全力でがんばりますので、みなさんのいっそうのご支援、ご協力、注目をよろしくお願いいたします。

□4・2学習会での質疑応答

4月2日の学習会での質疑応答を掲載します。

◇ ◇ ◇
◎質問
目撃証人に対する供述変遷についての弁護側尋問と公判証言はどうだったのでしょうか。それと員面調書、検面調書の開示の関係は?

【葉山先生】
一審では目撃証人に対して、相当緻密な反対尋問を行いました。当初は、検察官面前調書、検面調書もまともに出て来ないという状況があって、目撃証人に対 する主尋問をすべて検察官にやらして、そのうえで、一括して検面調書を出させるという形でようやく検面調書が出て来るという状況でありました。
反対尋問の中で、Kという目撃者は、警察官から富山さんの写真だけを見せられて「これじゃないか、これじゃないか」と言われたと証言しました。また、目 撃証人に対して相当詳しく反対尋問したわけですが、特に、Oという証人に対しては11回位、1年間にわたって尋問しました。そのOというタクシーの運転手 が法廷に立つたびにその証言の内容が変わるという状況の中で、これではどうにもならないから員面調書を出そうということになったわけです。当時の横田裁判 長から、当初の目撃証言を明確にしないかぎりは、目撃証言についての信用性を判断することはできない、開示するよう勧告があり、それでも検察官は渋ってい たのですが、ようやく事件直後の調書が開示されるという形でした。

◇ ◇ ◇
◎質問
一審、二審では「浜田鑑定書」のようなものは出されたのですか。
【葉山先生】
一審、二審では、浜田先生の鑑定書のようなものは出していません。浜田鑑定で言われていることは弁護団としても主張してきましたが、鑑定書の中で言われ ているように、目撃者が当初は事件現場で実行犯や指揮者だとして同じ富山さんの写真を選んでいる点は特に重要であり、弁護団としてももっと強調しておくべ きだったと思っています。当初の供述調書では、目撃者7人のうち4人はいずれも車道上の実行犯として富山さんの写真を選んでおり、1人は車道上にいた指揮 者に似ているということで富山さんの写真を選んでいる。2人は歩道上の指揮者として富山さんの写真を選んでいる。同じ顔をした人間が、同じ時間に、歩道上 で指揮をして、車道上で指揮をして、車道上の実行犯だったということになります。当初は、こういう考えられないような矛盾した供述だったのを、検察官が検 面調書の段階で、目撃した時間帯を変える、つまり、犯行場面ではなく、追いかけていた時に見たとか、逃げていくところを見たという形で変えて、その場面で 見た犯人が富山さんの写真に似ていたという形に変えて、矛盾を「解消」したという点、この点は、一審、二審でも、もっと強調しておくべきだったと思ってい ます。

◇ ◇ ◇
◎質問
弁護団が新証拠として提出したというKという目撃者はどう言っていたのか、その人に富山さんの写真は見せたのか。

【原田先生】
その方は、顔は細く、身長もそんなに高くなくやせ型の男だったということでした。富山さんの写真を見せたところ、こんなのではない、全然違うということでした。

◇ ◇ ◇
◎質問
これまでの裁判所の判決で、心理学の鑑定書を採用した判決がありましたか。再審事件で心理学鑑定書を活用した例としてはどういうものがありますか。

【事務局】
富山さんの再審では、供述鑑定として浜田先生の鑑定書を出すとともに、実験に基づいた鑑定としてH先生の鑑定書、K先生の鑑定書を提出しています。アメ リカでは、ロフタス教授などが、法廷で、目撃証言の信用性について心理学者の立場から証言し、それが採用され、判決に影響を与えたりしています。しかし、 日本の裁判所は今のところ、こうした供述鑑定を採用することについて否定的です。浜田先生も、甲山事件や自民党本部放火事件等で証言したり、鑑定書を提出 したりしていますが、裁判官は判決文の中で、それらを引用しようとはしていません。
富山再審では、供述鑑定とともに、実験に基づいた鑑定を出しています。0・4の視力で、16・45m先の初めて見る人物について識別できるかどうかとい う実験は、100人近くの被験者を使って行われており、科学的知見に基づいた鑑定書です。こうした鑑定書を裁判所が認めなかったことは許せないことだと思 います。

◇ ◇ ◇
◎質問
証拠開示されたら、明らかに富山さんが無実であるということがわかる証拠というのはどういうものでしょうか?

【原田先生】
先程、お話したKさんとか、Kyさんの捜査報告書、調書が出てくれば、富山さんが犯人ではないという目撃証言であることは間違いないので、重要な再審開 始事由になると思います。富山さんが犯人ではないという目撃者がいることは確かなので、そうした目撃者の供述調書が出てきて、それを検討して、すでに出て いる7人の目撃証言と比べて、否定している人たちの証言の方が信用性が高いということが言えれば、再審を開始する事由になると思います。
また、アリバイ関係で、当時富山さんがいた前進社の出入りに関する記録を警察が取っており、そういう記録があるということは、一審の検察官が認めています。それが出てくれば、富山さんに有利な証拠もあるかもしれません。

【葉山先生】
O証人のタクシーに乗っていて、O証人と同じ所から目撃したKさん、Kyさんの証言は、O証人の証言の信用性を検証するうえで重要ですし、Iという目撃 証人と現場でばったり会ったという同僚のYoという人がどう言っていたかは、I証人の供述の信用性を検証するうえで重要です。確定判決が一番信用性が高い と言っているI証人の信用性が、Yoさんの供述内容によっては崩れる可能性もあります。Yoさんについては、検察官も調書があることを認めています。にも かかわらず開示しないのは不当極まりないことです。

◇ ◇ ◇
◎質問
今後の弁護団の活動および支援者は何をしたらよいでしょうか。

【原田先生】
私はこうした形で集会で講演するのは3回位になるのですが、ふだんなかなか「かちとる会」の方々にお会いする機会はないのですが、支援する方々がいると いうことで、しっかりやらなければならないなという気持ちになりますので、私としてはそれが大きな力になっていると思います。長い闘いになると思います が、今後も支援して頂いて、弁護団も頑張りたいと思っています。

【葉山先生】
証拠開示がやはり焦点になると思います。検察官が隠している証拠を出させるということが必要だと思っています。弁護団が検察官、裁判所に対して証拠開示 を求めて頑張るとともに、開示しなければならないような状況、世論をいかにつくっていくかだと思います。そのためにもみなさんの支援をお願いします。

◇ ◇ ◇
◎質問
横浜事件の再審は開始されたが、狭山事件は棄却されるなど、裁判所は政治的な判断しているように思われますが、如何でしょうか。

【葉山先生】
最高裁の判事をしていた人が、ある左翼の事件で判決を出そうとしていた時、同僚の裁判官にそういう事件に肩入れするのはよしたほうがいいと強く言われた ということを言っていました。そういう状況をどう突破していくかという点では、なかなか大変な闘いだと思います。ただ事実を明らかにすればおのずから解っ てくれるという状況ではないということは確かです。それをどう解らせるかということが問われていると思っています。運動的に盛り上げて、そうした状況を変 えることが必要だと思っています。

◇ ◇ ◇
◎質問
証拠開示の対象になっている文書は、公文書に該当しないのですか。

【原田先生】
この質問は情報公開法でいう公文書に該らないのかということだと思いますが、情報公開法というのができたのですけれども、残念ながら、その中に例外事項 がいくつかありまして、刑事訴訟に関する資料というのは一括して例外ですと、情報公開の対象にはなりませんとなっています。情報公開法ができた時に、弁護 団としても使えないかということで検討したのですけれども、無理だということになりました。情報公開法の趣旨からすれば開示すべきだということは主張した のですけれども、この法律でもって開示させるというのはちょっと無理なようです。

□新たに弁護団に加わっていただいた渡部保夫さんのインタビューが北海道新聞(2005年5月22日)に載りましたので、転載します。

 

大井町ビラまき報告

うり美・・・・・0
山村・・・・・0
富山・・・・・1

今日は、稼ぎ頭の亀さんがいない。私達三人では底辺の戦いになりそうだ。
しかし、富山さんだけは少し様子が違う。いつも「ゼロ街道」ばく進中の富山さんに余裕綽々の表情。さては何やら企んでるな。あらかじめ富山さんは、知り合いに「大井町周辺に来たら署名しにきてくれ」と事前に予約を取りつけていた。やられた。
この三人では、一名の署名は、勝敗を大きく左右する。やはり予感は的中した。 結果、富山さんが一名。山村さんと私がゼロ。富山さん満面の笑顔。
「不正だ!不正だ!」という私の悪あがきは、虚しく大井町駅前に響くだけだった。(うり美)

大井町のYさんから

休載

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