タイトル 無実の富山さんの再審無罪をかちとる会ニュース ●ニュースNo.231(2007年12月25日発行)◎あの日、富山さんをむかえて
証拠開示がカギ

大井町ビラまき報告

あれから13年

あの日、富山さんをむかえて

□ 1995年12月19日

1995年12月19日は、富山さんが不当な懲役10年を闘いぬき、出獄した日である。
当時私は、富山さんとはまだ面識がなかった。獄中から発せられる手紙、人づてに聞く人柄、想像をめぐらせながら、富山さんのお母さん、友人の方々、そしてかちとる会と一緒に大阪刑務所へ出迎えにいった。
あの日の大阪はとても寒く、待ちわびる私達の吐く息も白かった。寒さに震えながらも皆の、いまか、いまかと興奮した気持ちが痛いほど伝わってきていた。
あれから13年経った今でも、富山さんが大阪刑務所の扉から姿をあらわした光景は、はっきりと憶えている。できることなら、無罪で取り戻したかったと思ったことも、はっきりと憶えている。
私は、富山さんが出獄するその日まで自分なりに頑張ってきたつもりだった。だから、悔しかったという気持があったのも、はっきり憶えている。富山さんには 悪いが、富山さんが出獄した後、今までのその情熱と無念さをどう処理していいかわからず、運動に対する気持が萎えてしまい、このまま運動を続けていくべき かどうか悩みもがいた記憶もはっきり憶えている。
先日、その日のことが書かれたノートを見つけ、読みかえしてみた。あれからもう13年も経ったのか。つい先日のことのような気がしていた。あの日、感じた 怒りがよみがえってきた。月日の経過と共にすっかり身も心も丸くなってしまっていたと深く反省した。うり美

出獄した富山さんは、しばらく大阪刑務所の壁を感慨深げにみつめていた。

 □  あなたもぜひ会員になってください

 「無実の富山保信さんの再審無罪をかちとる会」(「かちとる会」)では、富山さんの無実を訴え、再審無罪をかちとるため、ともにたたかってくださる方を求めています。
再審に勝利するためには多くの人々の力が必要です。また、再審弁護団のたたかいを支えるための裁判費用等、多くの資金を必要としています。
あなたもぜひ会員になって富山さんの再審を支えてください。

▼ 会費は月額一口千円です。

▼ あなたの会費は、再審にむけた運動づくり、再審の裁判費用等に 役立てられます。
▼ 会員には、月一回、「無実の富山さんの再審無罪をかちとる会ニュー ス」をお送りします。

▼ 「かちとる会」では月一回、定例会を開き、再審をかちとるため の話し合いを行っています。また、集会や学習会、現地調 査を行 い、富山さんの無実と再審無罪を訴えています。これらの集まりに もぜひご参加ください。

▼ カンパのみの送金も大歓迎です。

□ 会費・カンパの振込先

▼ 郵便振込口座番号 00140-1-1506 無実の富山さんの再審無罪をかちとる会

▼ 銀行振込
みずほ銀行 神保町支店 普通口座 1346188 無実の富山さんの再審無罪をかちとる会

—————————————

   富山裁判の経過

・ 1974年10月3日
東京品川区で事件発生
・ 1975年1月13日
富山さんデッチあげ逮捕される
・ 1981年3月5日
東京地裁 無罪判決
・ 1985年6月26日
東京高裁 有罪判決 懲役10年
・ 1987年11月10日
最高裁 上告棄却
富山さん 大阪刑務所服役
・ 1994年6月20日
再審請求書を提出
・ 1995年12月19日
満期で出獄
・ 2004年3月30日
東京高裁 再審請求棄却
・ 2004年4月5日
異議申立書提出

※ 現在、高裁第4刑事部に係属中

当時のうり美ノートより

1995年12月19日   22:20

今日、富山さんが満期をむかえた。
朝6時半からでむかえに行った。
私は、ただただ複雑な気持ちのままでその時を待っていた。
富山さんのお母さん、Mさん、友達……
それぞれの思いがあったであろうと思う。
直接面識のない私は富山さんに対しての思い入れというか、
そういうものは他の人達と比べたら少なかったと思う。
ただ、冷静に考えると無実の罪で刑務所に入っているということが、
私が考えいる以上のものであるということ…。それを感じた。
出獄した時、精一杯いきがってる(ように見えた)富山さんが、
みんなをみてほほえむ顔。
その瞬間は、静かに流れた。
背が高いせいか「こんなにやせているのか」という印象をもった。
富山さんと話してみて、とても気さくな方で、ちょっとびっくりした。
私は、やはりここで声を大にして言いたい!
無実のものを有罪に裁いたものの罪ほど重い。
人間の尊厳にかけても、許してはならない!!
許してしまったら、また新たな犠牲者が増えるだけではないか。

 

その時、陽は昇った。

 「暁」うり美

証拠開示がカギ

東京高裁第四刑事部(門野博裁判長)は、一一月八日、偽造通貨行使の罪に問われた男性の裁判で、警察官作成の「取調べメモ(手控え)や備忘録等」について開示を命じる決定を出した。
この件は、偽造通貨行使についての期日間整理手続の過程で争われたものである。警察官による自白を強要する威嚇的取調べ、利益誘導による自白の誘引等を明 らかにするために、弁護人が、「被告人の取調べに係る取調警察官作成の取調べメモ(手控え)、備忘録等」について開示命令を請求したのに対し、東京地裁刑 事第七部はこれを棄却した。
これに対し、弁護人が東京高裁に即時抗告を申立て、東京高裁第四刑事部に係属、同裁判所は、原決定を変更し、警察官作成の「取調べメモ(手控え)や備忘録等」について開示を命じる決定を出した。
検察官は、警察官の取り調べメモや備忘録について警察官の「個人的な手控え」であることを理由に開示を拒み、裁判所からの同証拠の存否に関する求釈明に対し、指摘された取調メモ及び備忘録は本件捜査記録中には存在しない、と回答した。
  こうした検察官の態度に対し、東京高裁は、取調べメモ(手控え)、備忘録等は、犯罪捜査規範により警察官に作成及び保存が義務づけられている以上、これが 存在することを前提とせざるを得ないとし、警察官が作成した取調べメモ(手控え)、備忘録等が検察官が容易に入手することかでき、かつ、弁護人が入手する ことが困難な証拠であって、弁護人の主張との関連性の程度及び証明力が高く、被告人の防御の準備のために開示の必要性が認めれる証拠に該当することは明ら かというべきであるとして開示を命じた。
これに対して検察官は特別抗告を行ったが、一二月二五日、最高裁第三小法廷は検察官の抗告を棄却し、「(1)刑訴法三一六条の二六第一項の証拠開示命令の 対象となる証拠は、必ずしも検察官が現に保管している証拠に限られず、当該事件の捜査の過程で作成され、または入手した書面等であって、公務員が職務上現 に保管し、かつ、検察官において入手が容易なものを含むと解するのが相当である。」「(2)犯罪捜査規範一三条は、『警察官は、捜査を行うに当り、当該事 件の公判の審理に証人として出頭する場合を考慮し、および将来の捜査に資するため、その経過その他参考となるべき事項を明細に記録しておかなければならな い。』と規定しており、警察官が被疑者の取調べを行った場合には、同条により備
忘録を作成し、これを保管しておくべきものとしているのであるから、取調警察官が、同条に基づき作成した備忘録であって、取調べの経過その他参考となるべ き事項が記録され、捜査機関において保管されている書面は、個人的メモの域を超え、捜査関係の公文書ということができる。これに該当する備忘録について は、当該事件の公判審理において、当該取調べ状況に関する証拠調べが行われる場合には、証拠開示の対象となり得るものと解するのが相当である。」とした。
証拠開示については、「四四年決定」(6頁を参照)以来の最高裁としての判断であり、今後の実務に大きな影響を与えるとされている。
新刑訴法における期日間整理手続きをめぐっての証拠開示についての決定であり、二〇〇九年五月に始まろうとしている「裁判員制度」を考慮しての最高裁の決 定ではあろうと思われるが、これまで開示勧告は出しても命令はなかなか出そうとしなかった裁判所が検察官に開示を命令し、それを最高裁が支持したことは意 味があると思われる。
だが、最高裁のこの決定が出たあとも検察官は、開示が求められている証拠は「ない」として、開示を拒否している。最高裁の決定が出ても、検察官が「ない」 とすれば、手も足も出ないというのが、日本の裁判の現状である。証拠開示について明るい見通しを持てる状況では決してない。
富山再審で弁護団が求めている証拠開示は、目撃者の供述調書や捜査報告書、富山さんの本件での逮捕写真などである。これらは、「個人的な手控え」どころか、公的な文書類である。
しかも、再審請求審において、検察官もこれらの証拠の存在を明確に認めている。検察官は「再審開示事由に該当するかどうか」検討するために「見た」とも 言っており、検察庁にあることは間違いない。本件の逮捕写真にいたっては、本来、捜査記録のひとつとして、出されていなければおかしいものである。今回、 東京高裁が開示命令を出した事件よりも、はるかに開示命令を出すべき事案である。
確 かに、今回の決定は、東京地裁で争われている裁判に関連しての決定であり、しかも期日間整理手続きに関連しての証拠開示である。富山事件の場合、再審、そ れも異議審ということになるが、再審は、請求する側に、無実を裏付ける「新規かつ明白な証拠」の提出を求めている。請求する側が今まで出ていない無実の証 拠を集めなければならないということは、再審を求める側に大変な困難を強いるものである。検察庁に無実を裏付ける可能性が極めて高い証拠があるのならば、 当然にもそれは明らかにされるべきである。被告人の無実を証明する可能性のある証拠(しかもそれは国民の税金を使って集めた証拠である)を、検察官が隠し 続けるなど許されるはずがない。
無実を明らかにする証拠が検察庁にあるにも関わらず、それを明らかにしないで、隠し続けることが許されるということは、国が建前としている刑事裁判のあり方、司法制度を根底から否定するものだ。
そもそも、富山さんが逮捕された事件が、公判前整理手続きが定められた新刑訴法で審理されたとするならば、目撃者の供述調書はすべて、当初の段階で開示されるべき対象となるものなのである。
富山再審における検察官の開示拒否は断じて許すことができない。
証拠開示が富山再審のカギを握っている。
ぜひ、証拠開示を求める署名へのご協力をお願いします。  (山村)

指宿信教授「証拠開示に関する判例の現状と可能性」          (『季刊刑事弁護』№19)より

わが国の刑事訴訟法には、弁護側が公判前、公判中を通じて、検察側所持の証拠にアクセスする手段を保障する規定はない。検察側において任意に弁護側の開示要求に応じる場合は別として、それを拒否した場合については裁判所にその解決が委ねられてきている。
最高裁はかかる事態につき、概ね次のように判断している。

① 現行法上、検察官に取調請求の意志のない証拠についてあらかじめ開示しておく法的義務は存在しない。
② 被告人側に証拠開示請求権はない。
③ 冒頭手続以降の段階において、被告人側より申し出を受けた後、「(証 拠の)閲覧が被告人の防御のために特に重要であり、かつこれにより罪証隠滅、証 人威迫等の弊害を招来するおそれがなく、相当と認められるとき」 には裁判所の(固有の)訴訟指揮権に基づく証拠開示命令を発しうる。  (最決昭和四 四・四・二五)(四四年決定)

四四年決定が挙げている考慮要件は、次のとおりである。

① 証拠調べ段階に入って、弁護人より具体的必要性を挙げて申出が行われること。
② 開示の対象である証拠が特定されていること。
③ 事案の性質、審理状況、当該証拠の種類、内容、開示の時期、程度や方法、その他諸般の事情を勘案して、開示が被告人の防御にとってとくに重 要であり、罪証隠滅、証人威迫等の弊害のおそれがなく、開示が相当と認められること。

 

大井町ビラまき報告

 ビラまき報告(11月)

亀  ………7
富山 ………休み
山村 ………0
うり美………0

最近、大井町駅周辺の雰囲気が変わった。
駅前に電気屋がオープンした途端、買い物に向かう若い男性の姿が目に付くようになった。
ただ残念なことに、ビラをまいてる私達には興味を示さない(安売りのビラではございません)。
毎月、同じ時刻にここに立っていると、日が暮れるのも早くなったと実感する。ビラまき開始4時半には明るかった空も、終わり頃になると段々と暗くなる。
富山さん不在で、闘争心が削がれたのか、気がついたら時間がきて終わってしまった。
今日もまた、亀さんだけが奮闘したビラまきであった。  (うり美)

大井町のYさんから

休載

jump page top