ニュースNo.202(2005年7月15日発行)

 

タイトル 無実の富山さんの再審無罪をかちとる会ニュース ●ニュースNo.202(2005年7月15日発行)◎高裁申し入れ行動
申入書
『社会の鑑』から

□大井町ビラまき報告(休載)

東京高裁第四刑事部に申し入れ (6月22日)

富山さんは無実です
すみやかに再審開始決定を
検察官に証拠開示を命令してください

【富山さんが提出した「申入書」】

11月12日(土)に『きゅりあん』で集会を行います。みなさん、ご参加ください。

□高裁申し入れ行動

6月22日、「かちとる会」は、富山保信さんの再審(異議審)が審理されている東京高裁に対し申入れを行った。

1985年6月26日の二審逆転有罪判決から20年。これまでも、この有罪判決が言い渡された6月に、「かちとる会」は繰り返し申入れを行ってきている。そして、6月は、再審請求書を提出した月でもある(1994年6月20日に再審申立)。

今回の申入れも、前回と同様、係属部の東京高裁第四刑事部の裁判官はおろか書記官さえ会わず、「裁判官会議で決めた」とかで、東京高裁刑事部の訟廷管理 官が応対した。再審請求人本人の富山保信さんが出向いているのにも関わらず、である。会場もかつてのように書記官室ではなく、1階の、しかも裁判所構内か ら一旦外に出た、入り口脇の部屋である。阿藤周平さんが、「裁判所は変わってしまった」と嘆くのも無理ない状況が続いている。

申入れには、富山さん、関東学院大学の足立昌勝先生、国賠ネットの土屋さん、「かちとる会」から坂本さん、うり美さん、山村が参加した。以下、私のメモに基づいて、それぞれの発言の要旨を紹介したい。

東京高裁からは、訟廷管理官の小山田氏、庶務課の角田氏、近内氏らが出席した。

まず、富山さんが用意した申入書を読み上げたうえで、「裁判官にきちんとこの内容を伝えてほしい。昨年の3月30日、長年放置されたあげくに再審請求が 棄却された。即刻、異議申し立てを行い、現在、第四刑事部に係属している。本来なら、第四刑事部の裁判官に直接会って訴えたいというのが、請求人本人とし ての切実な気持ちだ。しかし、それができないというのなら、ここで私たちが述べたことを正確に裁判官に伝えてほしい」と厳しい表情で述べた。

次に、足立昌勝先生が、昨年、第三刑事部に提出された「要請書」とその賛同人について説明した。

この「要請書」は、富山さんの再審請求が棄却されようとしていることに危機感を抱いた93名の方々が賛同人となり、昨年3月、第三刑事部に提出されたも のである。一昨年10月8日に第三刑事部から「求意見書」が弁護団に届いたあと、浜田寿美男先生をはじめとする呼びかけ人の方々の呼びかけに応えて、心理 学者、法学者、弁護士等93名の方々が、「(検察官が開示を拒否している証拠の中には)確定判決の成否を左右しかねない重大な証拠が存在する可能性があ り、真実を追求すべき裁判所として、このような証拠を未開示のまま、再審請求について判断するようなことがあってはならない」「本件再審請求の審理がどの ようになされるかは、日本の裁判所の目撃証言についての認識のレベルがどのような水準にあるかを世界に示すものとなるとともに、今後の日本の刑事裁判の行 方を左右する」「慎重かつ公正な審理のうえで、後世の批判に耐えうるような決定を出されるよう望む」とする要請書に賛同し署名してくださった。足立先生 は、この時、署名した方々を代表して、東京高裁第三刑事部にこの「要請書」と賛同署名を提出されたのである。

第三刑事部は、この多くの方々の要請を踏みにじって棄却決定を下した。

その後、この要請署名は、第四刑事部あてに、さらに拡大して集められつつある。今回の申入れで、足立昌勝先生は「呼びかけ人を代表して要請したい」と、 第四刑事部あてに用意した「要請書」を読み上げ、「この事件は目撃証言が争点となっている事件である。特に私が注目しているのは、この目撃証言について、 0・4の視力しかない目撃者が16・45m先の人物を正確に認識することはできないという、実験に基づいた鑑定書が提出されていることである。科学的見地 に基づいたこの証拠に、第三刑事部は真正面から向き合うことなく、棄却決定を下した。第三刑事部の時に多くの方々から『要請書』に賛同を頂いた。第四刑事 部に再度、さらに拡大して集めて提出したいと考えている。第四刑事部の裁判官には、ぜひ公正な審理のうえで、弁護団の異議申し立てを認める決定をお願いし たい」と述べられた。

富山さんも、「2003年10月8日に裁判所から『求意見書』が届いた。弁護団の意見書が提出されるとともに、多くの方々から、『慎重かつ公正な審理を お願いしたい』という署名が集まった。2カ月くらいの間に、心理学者、法学者、弁護士をはじめとする93名の方々から署名が届いた。これに第三刑事部は応 えようともしなかったのは許せないことだ」と発言した。

足立先生は、さらに、「『法と心理学会』という学会が数年前に設立された。その設立大会で、私と九州大学の先生が富山事件について報告を行い、確定判決 の問題点について批判した。日弁連の研究会でも富山君の再審が検討されている。法律や心理学に関わる多くの方々が、この事件の確定判決はおかしいとしてい る。裁判所がこうしたことをまっとうに見ないでいいのか。なぜ、事実から目を背けようとするのか」と追及した。

富山さんも、「今、足立先生がおっしゃった『法と心理学会』で、目撃証言に関するガイドラインが検討されており、ほぼ完成に近い。今年中にも公刊される 予定になっている。裁判所が目撃証言について審理する場合のガイドラインともなるものだ。ぜひ、裁判官に読んでもらいたい」と述べた。

この後、「かちとる会」の坂本さんが、「僕には、この事件と富山さんがどうにも結びつかない。『有罪だ』とする裁判所が言っている論理は『世にも不思議 な物語』としか思えない。こんなことが通っていいのだろうか。警察は、富山さんの考えとか活動をつぶそうとして、とにかく逮捕したのではないかと思う。真 実がどうかではない。有罪を下した裁判所、再審請求を棄却した裁判所も、事実を審理するのではなく、富山さんの思想を裁こうとしたのではないか」と発言さ れた。

土屋さんは、「国家賠償事件に携わってきた。現在、愛媛の教科書裁判で裁判官の不作為に対して国家賠償を求めている。今日、ここで富山さんたちが述べた ことを裁判官にきちんと伝えてほしい。本当は直接伝えられればいいのだが。あなた方が窓口なのでしょうから、きちんと責任をもって伝えてほしい」と訴えて くださった。

山村は、「一審の時からずっと公判を傍聴してきた。この裁判に携わって30年近くになる。一審、二審の過程の公判を傍聴し続け、この事件の目撃者たちの 証言を聞き、その不確かさに驚いた。デタラメとも言える内容だった。富山さんが犯人ではないこと、目撃証言が誤っていることは、公判を傍聴し続けてよくわ かった。一審の裁判所は、この目撃証言を信用できないと、正当な判断を下して無罪とした。にもかかわらず、二審の裁判官たちは、目撃者たちの証言をきちん と検証しようとせず、目撃者を取り調べた警察官の証言だけを根拠に有罪とした。有罪判決が出された時も傍聴席にいたが、目の前で真実が踏みにじられたと心 底思った。再審請求書をきちんと読めば、富山さんが無実であることははっきりする。きちんとした検討も行わず、この再審請求を棄却した第三刑事部は真実を 見ようともしなかったとしか思えない。第四刑事部の裁判官には、ぜひ事実審理を行って頂きたい。弁護人が再審で提出した目撃証言や鑑定書を調べれば、真実 はたちまち明らかになる。ぜひ、第三刑事部の棄却決定を覆し、再審を開始してほしい」と述べた。

うり美さんは、「10年以上前から『かちとる会』に参加して、この事件に関わってきた。この事件では、目撃証言の信用性が問題になっている。目撃者の供 述を見ると、当初は『165センチ』と言っていた身長が、富山さんの身長に合わせる形で『180センチ』に変わっていく。これは、誰が見ても、どんな素人 でもおかしいと思う。また、『丸顔』が『角張った顔』に変わっていくなど、人を見た印象がこんなにも変わっていくことはあり得ない。しかも、それが、顔、 身長、体格、年齢、すべてにわたって変遷していく。明らかにこの事件の目撃証言は作られたもの、作為を感じる。しかも法廷に出てきた目撃証人はほんの一 部。残りの目撃者の調書をぜひ開示してほしい。富山さんが犯人ではないという証拠が必ずあるはずだ。私は、この事件は難しい事件ではないと思う。公正な目 で見てもらえれば、富山さんの無実ははっきりする」と証拠開示の重要性を強調した。

最後に富山さんが、「1974年の10月3日に事件は起きた。私は、翌年の1月13日に逮捕され、2月3日に起訴された。逮捕された時、なぜ逮捕された のか、私には想像もつかなかった。警察署で罪名を知らされ、血が逆流するような怒りを感じた。やっていないという私の訴えに応え、一審は無罪判決だった が、二審で逆転、有罪となり、その場で収監された。最高裁は事実審理もせずに上告を棄却した。一審無罪、二審有罪なのだから、少なくとも最高裁はきちんと 審理をして判断すべきなのに、それをしなかった。大阪刑務所に服役中の1994年に再審を申し立てた。これまで、5人の裁判官が代わったが、だれ一人きち んとした審理をせず、放置されたまま、中川裁判長は棄却決定を下した。これは門前払い以下である。弁護団や私の主張について答えているのならまだしも、 まったく審理していない。第四刑事部の裁判官には、きちんと向き合った審理をお願いしたい。審理をするのが裁判官の責務ではないか。この事件を支援してく ださっている方に八海事件の阿藤周平さんがいる。何回か申入れにも来て頂いた。今日は体調がすぐれず上京できなかったが、阿藤さんが、真実は必ず通るとい うことを信じて獄中で頑張ってこれたとおっしゃっている。これは私の気持ちと同じだ。また、阿藤さんは、裁判官はきちんと審理せよ、きちんと審理をしさえ すれば、無罪になるのは明らかとおっしゃっている。そのとおりだと思う。正面から向き合ってください」と訴えた。

訟廷管理官の小山田氏は、「わかりました。必ず、みなさんが言われたことを伝えます」と言ったが、訟廷管理官たちの態度を見ていると、今回の申入れの内 容がどれだけ第四刑事部の裁判官に伝わるのか、はなはだ心もとない。しかし、雨の中を、足立先生はじめ、土屋さん、坂本さん、うり美さんと、駆けつけて下 さった方々がいる。療養中のため、残念ながら今回は参加できなかった阿藤さんからも、申入れ直前に、元気の出る手紙が届いた。その阿藤さんの手紙にもあっ たが「横たわる巨大な壁(国家権力)、それに負けずに何べんも挑んでゆく、これこそ真実の闘い」である。「名張毒ぶどう酒事件」の再審開始の例もある。ま だまだこれからだ。諦めた時が負けだ。倦まず弛まず闘いを積み重ね、再審の「厚い壁」を打ち壊したい。真実こそがその鍵だ。うっとうしい梅雨空の下、久し ぶりに晴々とした気分で裁判所を後にした。
(山村)

□申入書

6月22日の申し入れ当日、富山さんが提出した申入書です。

申入書
私は無実です。しかし、棄却決定という事実を踏みにじる決定が行われました。怒りに耐えません。再審開始こそが、事実に踏まえた正しい決定なのです。
仙波裁判長には、誤った棄却決定を訂正、取り消していただきたい、そして真実の実現にむけて事態を打開していただきたいと心からお願いいたします。
棄却決定は、私の訴えを真摯に検討した結果であるとは、とても考えられません。あらかじめ棄却という結論だけがあって、そのためにのみ腐心した産物と断定せざるをえません。
なぜ第三刑事部は証拠開示を命じなかったのでしょうか。証拠開示問題を論じるどころか、言及さえしなかったのはなぜなのでしょう。
34人分の調書の存在は、捜査責任者が法廷で証言しています。開示されていない調書の中に、私の無実を証明している証言があるに違いありません。だから 検察官は隠しているのです。そうでないというのなら、開示して決着をつければよいではありませんか。
刑事裁判の存在理由は《無辜の救済》にあります。その最後のチャンスともいうべき再審において、十全の審理を保障する証拠開示に背を向ける態度は、怠慢を通り越して裁判官としての職責放棄であり、刑事裁判の使命への敵対であるというべきです。
検察官に証拠開示を命じてください。そして、それにもとづく正しい判断をしてください。
さらに、棄却決定はなぜ科学的知見の導入をかたくなに拒むのでしょうか。なぜ、ことさらに歪曲してまで科学的知見の説得力を否定、無視しようとするのでしょうか。
一例だけあげます。近藤鑑定をご覧ください。16・45メートルの距離からは、視力0・4の人物には初めて見る目撃対象の人相は識別できないという実験 結果が出ています。この絶対的事実を直視してください。そうすれば、棄却決定の誤りが歴然としていることに気づかれるはずです。
私は、これまで繰り返し繰り返し無実を訴えるとともに
「当たり前のことが当たり前のこととして実現される裁判、正しいことが正しいこととして通用する裁判であれば、私の無実は判明すると信じて裁判に臨みました。近代刑事裁判が到達した地平と成果をそのまま適用すれば可能なはずなのです」
と訴え続けてきました。
また、
「誤りを率直に誤りと認めて改める裁判所のあり方こそが日本の刑事裁判を血の通った信頼できるものにし、その前提があってはじめて、『法の安定性』はその名にふさわしいものになる」
と主張してきました。
これらは、至極当然の要請であり、主張にすぎません。それがことごとく裏切られ続けているのです。
1975年1月13日の不当逮捕以来の私の怒りと苦しみは筆舌には尽くせません。
第一審は刑事裁判の原則に忠実に則って正しい事実認定を行いました。ところが、第二審は予断と偏見に基づきほとんど同一の証拠で逆転有罪を宣告するとい う近代刑事裁判が到達した地平と成果をあえて踏みにじる暴挙を働いたのみか、最高裁もこれを容認して日本の刑事裁判を刑事裁判の名に値しないものへとおと しめてしまったのです。この恥ずべき過ちが改められない限り、私が苦しみ―身に覚えのない殺人犯という烙印を押され、真実を訴えているにもかかわらず嘘つ きとして全人格を否定されたままであることの苦痛―から解放されることはありません。解放されるのは、唯一、再審無罪によってのみなのです。
裁判官諸氏に心から訴えます。私の怒りと苦しみを洞察力をもって理解してください。そして、自ら原審に臨み、原判決を書くつもりで虚心坦懐に審理してく ださい。そうすれば、必ず検察官に対する証拠開示命令と棄却決定の取り消しに到達すると確信しています。今度こそ裏切らないでください。切に願ってやみま せん。
2005年6月22日
富山保信
東京高等裁判所第四刑事部御中

□『社会の鑑』(足立昌勝さんのホームページ)から

高裁第四刑事部への申し入れを行っていただいた足立先生のホームページに、早速当日の申し入れ行動の意義が掲載されましたので、許可を得て転載します。
2005年6月22日(水)
富山事件

今日は東京高等裁判所に行き、3月30日に同裁判所刑事第三部で棄却された再審請求の異議審を担当する刑事第四部に、再審開始決定の要請を行った。
富山事件の詳細については、こちら【注:「かちとる会」のホームページにリンク】をご覧ください。そこになぜ再審請求を行うのかとともに、再審請求の基本的証拠が記載されている。
私から見ると、目撃証言が警察に誘導されて現れてきたことと視力の弱い人が実際に現認できないにもかかわらず詳細に供述していることは、まさにその人の嘘を証明している証拠であると思う。
 裁判所は英断をもって再審の開始決定をすべきである。
従来の判断は、これらの証拠に真正面からは答えず、再審を棄却した。このような裁判官は、何を根拠にそのような決定をしたのであろうか。彼らは、自らの胸に手を当てて考えてもらいたい。提出した証拠を検討しないで棄却決定をしたことに深い反省を表すべきである。
刑事第四部は、このような誤りを犯してはならない。人の人生がかかっているのだ。あなたが裁判官として人生を送り、そこから給料を得ているように、彼に も生活がある。裁判官は、何がどのようにして起こったのかを客観的資料に基づいて検討する義務があるだろう。それを行えば、富山保信さんは無罪である。一 日も早く、彼の再審を開始させようではないか。
【『社会の鑑』は、YahooまたはGoogle、MSNで『社会の鑑』を検索してくだされば、すぐ見つかります。 】
2005年6月22日の日誌をご覧ください。

http://home.kanto-gakuin.ac.jp/~adachi/

 

大井町ビラまき報告

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大井町のYさんから

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ニュースNo.201(2005年6月15日発行)

 

「ドクダミの友」伊藤純子さん画 「ドクダミの友」伊藤純子さん

東京高裁第四刑事部は再審開始決定を

裁判所は検察官に証拠開示を命令してください

富山再審11・12集会

集会案内ビラができました。今号ホームページでも掲載します。

富山再審11・12集会証拠開示が再審の扉を開く!

カギは隠された 27/34

11月12日(土)午後6時開場
きゅりあん 第2講習室(JR京浜東北線・東急大井町線の大井町駅下車すぐ)
◎八海事件元被告
阿藤周平さん

◎富山再審弁護団
葉山岳夫弁護士

◎再審請求人
富山保信

 

検察官に証拠開示を命令せよ

証拠開示が再審の扉を開く!  カギは隠された 27/34

みなさん、東京高裁第三刑事部は昨年(2004年)3月30日付で、1975年1月13日の不当逮捕以来30年にわたって無実を訴えてきた富山保信(とみやまやすのぶ)さんの再審請求を棄却する決定を行いました。
富山さんは無実です。決定は《再審開始》でなければなりません。再審開始こそが事実に即した、正しい決定なのです。
富山さんと弁護団は《再審開始》という正しい決定をもとめて、ただちに異議申し立てを行いました。異議審は、現在、東京高裁第四刑事部(仙波厚裁判長)に係属しています。

無実を訴えつづけて30年

1974年10月3日、品川区東大井で「殺人事件」が発生しました。この事件の「犯人」として、翌年1月、富山さんが逮捕されました が、彼は一貫して「自分はやっていない」「事件があった時刻には池袋にいた」と無実を訴え続けています。アリバイは弁護士の調査によって裏付けられまし た。

34人中わずか7人分の調書だけ開示

捜査当局が富山さんを犯人だとする根拠は、偶然、事件現場を通りかかった人々の目撃証言だけで、他に何の証拠もありません。
裁判の主要な争点は、この目撃証言の信用性です。しかし、目撃調書だけでも「34人分ある」(法廷での捜査責任者の証言)はずなのに、7人分しか開示され ていません。残る27人分の調書の中に「富山さんは無実」を証明する証拠があるはずなのに隠されたままです。しかも、開示されたいずれの証人も当初は富山 さんとは似ても似つかぬ犯人像を供述していたのが、取り調べを重ねるにしたがって富山さんに似た犯人像を述べ始めます。
一審は、この変遷には取調官の暗示・誘導が窺えるから信用できないと無罪を言い渡しました(1981年3月)。
ところが、二審は、取り調べた警察官の「暗示・誘導はしていない」という主張を根拠に逆転有罪(懲役10年)を言い渡しました(1985年6月)。警察 官が「私は暗示・誘導しました」と正直に言うでしょうか。冤罪が後を絶たないという厳然たる事実は、警察官が真実の証言などしないことを証明して余りある のではないでしょうか。
最高裁は「事実誤認の主張だから上告理由にあたらない」と門前払いしましたが、無実の人間が投獄されかけているから救済せよ、真実を究明せよという主張ほど上告理由に相当するものはなく、門前払いは職責放棄というものです。
服役を余儀なくされた富山さんは、獄中から再審請求を行い(1994年6月20日)、1995年12月19日の満期出獄後も無実を訴え続けています。

日本の刑事裁判の水準が問われている

富山裁判は目撃証言の信用性を最大の争点とするものであり、日本の刑事裁判史において当時も今も重要な位置を占めるものです。目撃証 言の信用性、証拠開示問題、そして事実認定のあり方と刑事裁判の原則、鉄則ともいうべき領域にかかわる判定が問われています。日本の刑事裁判の水準を示す 試金石なのです。
昨年3月、心ある学者、弁護士の方々93氏が東京高裁第三刑事部に対して「慎重かつ公正な審理」をもって「後世の批判に耐えうるような決定を」という要 請を行いました。第三刑事部・中川裁判長が行った「再審請求棄却決定」は「慎重かつ公正な審理」の対極を行くものであり、こんな決定のために再審請求以来 10年の貴重な時間が空費されたのです。

東京高裁第四刑事部は再審開始を決定せよ

6月22日、私たち「無実の富山保信さんの再審無罪をかちとる会」は、富山さん、足立昌勝・関東学院大学法学部教授とともに、すみや かに「再審請求棄却決定」を取り消し《再審開始決定》を出すよう申し入れを行いました。昨年3月の第三刑事部への「慎重かつ公正な審理」の要請の呼びかけ 人の一人である足立さんは、あらためて同趣旨の要請書を第四刑事部に提出しました。なんとしても「再審請求棄却決定」の訂正、《再審開始》の正しい決定を かちとらねばなりません。全力でがんばりますので、みなさんのいっそうのご支援、ご協力、注目をよろしくお願いいたします。

□4・2学習会での質疑応答

4月2日の学習会での質疑応答を掲載します。

◇ ◇ ◇
◎質問
目撃証人に対する供述変遷についての弁護側尋問と公判証言はどうだったのでしょうか。それと員面調書、検面調書の開示の関係は?

【葉山先生】
一審では目撃証人に対して、相当緻密な反対尋問を行いました。当初は、検察官面前調書、検面調書もまともに出て来ないという状況があって、目撃証人に対 する主尋問をすべて検察官にやらして、そのうえで、一括して検面調書を出させるという形でようやく検面調書が出て来るという状況でありました。
反対尋問の中で、Kという目撃者は、警察官から富山さんの写真だけを見せられて「これじゃないか、これじゃないか」と言われたと証言しました。また、目 撃証人に対して相当詳しく反対尋問したわけですが、特に、Oという証人に対しては11回位、1年間にわたって尋問しました。そのOというタクシーの運転手 が法廷に立つたびにその証言の内容が変わるという状況の中で、これではどうにもならないから員面調書を出そうということになったわけです。当時の横田裁判 長から、当初の目撃証言を明確にしないかぎりは、目撃証言についての信用性を判断することはできない、開示するよう勧告があり、それでも検察官は渋ってい たのですが、ようやく事件直後の調書が開示されるという形でした。

◇ ◇ ◇
◎質問
一審、二審では「浜田鑑定書」のようなものは出されたのですか。
【葉山先生】
一審、二審では、浜田先生の鑑定書のようなものは出していません。浜田鑑定で言われていることは弁護団としても主張してきましたが、鑑定書の中で言われ ているように、目撃者が当初は事件現場で実行犯や指揮者だとして同じ富山さんの写真を選んでいる点は特に重要であり、弁護団としてももっと強調しておくべ きだったと思っています。当初の供述調書では、目撃者7人のうち4人はいずれも車道上の実行犯として富山さんの写真を選んでおり、1人は車道上にいた指揮 者に似ているということで富山さんの写真を選んでいる。2人は歩道上の指揮者として富山さんの写真を選んでいる。同じ顔をした人間が、同じ時間に、歩道上 で指揮をして、車道上で指揮をして、車道上の実行犯だったということになります。当初は、こういう考えられないような矛盾した供述だったのを、検察官が検 面調書の段階で、目撃した時間帯を変える、つまり、犯行場面ではなく、追いかけていた時に見たとか、逃げていくところを見たという形で変えて、その場面で 見た犯人が富山さんの写真に似ていたという形に変えて、矛盾を「解消」したという点、この点は、一審、二審でも、もっと強調しておくべきだったと思ってい ます。

◇ ◇ ◇
◎質問
弁護団が新証拠として提出したというKという目撃者はどう言っていたのか、その人に富山さんの写真は見せたのか。

【原田先生】
その方は、顔は細く、身長もそんなに高くなくやせ型の男だったということでした。富山さんの写真を見せたところ、こんなのではない、全然違うということでした。

◇ ◇ ◇
◎質問
これまでの裁判所の判決で、心理学の鑑定書を採用した判決がありましたか。再審事件で心理学鑑定書を活用した例としてはどういうものがありますか。

【事務局】
富山さんの再審では、供述鑑定として浜田先生の鑑定書を出すとともに、実験に基づいた鑑定としてH先生の鑑定書、K先生の鑑定書を提出しています。アメ リカでは、ロフタス教授などが、法廷で、目撃証言の信用性について心理学者の立場から証言し、それが採用され、判決に影響を与えたりしています。しかし、 日本の裁判所は今のところ、こうした供述鑑定を採用することについて否定的です。浜田先生も、甲山事件や自民党本部放火事件等で証言したり、鑑定書を提出 したりしていますが、裁判官は判決文の中で、それらを引用しようとはしていません。
富山再審では、供述鑑定とともに、実験に基づいた鑑定を出しています。0・4の視力で、16・45m先の初めて見る人物について識別できるかどうかとい う実験は、100人近くの被験者を使って行われており、科学的知見に基づいた鑑定書です。こうした鑑定書を裁判所が認めなかったことは許せないことだと思 います。

◇ ◇ ◇
◎質問
証拠開示されたら、明らかに富山さんが無実であるということがわかる証拠というのはどういうものでしょうか?

【原田先生】
先程、お話したKさんとか、Kyさんの捜査報告書、調書が出てくれば、富山さんが犯人ではないという目撃証言であることは間違いないので、重要な再審開 始事由になると思います。富山さんが犯人ではないという目撃者がいることは確かなので、そうした目撃者の供述調書が出てきて、それを検討して、すでに出て いる7人の目撃証言と比べて、否定している人たちの証言の方が信用性が高いということが言えれば、再審を開始する事由になると思います。
また、アリバイ関係で、当時富山さんがいた前進社の出入りに関する記録を警察が取っており、そういう記録があるということは、一審の検察官が認めています。それが出てくれば、富山さんに有利な証拠もあるかもしれません。

【葉山先生】
O証人のタクシーに乗っていて、O証人と同じ所から目撃したKさん、Kyさんの証言は、O証人の証言の信用性を検証するうえで重要ですし、Iという目撃 証人と現場でばったり会ったという同僚のYoという人がどう言っていたかは、I証人の供述の信用性を検証するうえで重要です。確定判決が一番信用性が高い と言っているI証人の信用性が、Yoさんの供述内容によっては崩れる可能性もあります。Yoさんについては、検察官も調書があることを認めています。にも かかわらず開示しないのは不当極まりないことです。

◇ ◇ ◇
◎質問
今後の弁護団の活動および支援者は何をしたらよいでしょうか。

【原田先生】
私はこうした形で集会で講演するのは3回位になるのですが、ふだんなかなか「かちとる会」の方々にお会いする機会はないのですが、支援する方々がいると いうことで、しっかりやらなければならないなという気持ちになりますので、私としてはそれが大きな力になっていると思います。長い闘いになると思います が、今後も支援して頂いて、弁護団も頑張りたいと思っています。

【葉山先生】
証拠開示がやはり焦点になると思います。検察官が隠している証拠を出させるということが必要だと思っています。弁護団が検察官、裁判所に対して証拠開示 を求めて頑張るとともに、開示しなければならないような状況、世論をいかにつくっていくかだと思います。そのためにもみなさんの支援をお願いします。

◇ ◇ ◇
◎質問
横浜事件の再審は開始されたが、狭山事件は棄却されるなど、裁判所は政治的な判断しているように思われますが、如何でしょうか。

【葉山先生】
最高裁の判事をしていた人が、ある左翼の事件で判決を出そうとしていた時、同僚の裁判官にそういう事件に肩入れするのはよしたほうがいいと強く言われた ということを言っていました。そういう状況をどう突破していくかという点では、なかなか大変な闘いだと思います。ただ事実を明らかにすればおのずから解っ てくれるという状況ではないということは確かです。それをどう解らせるかということが問われていると思っています。運動的に盛り上げて、そうした状況を変 えることが必要だと思っています。

◇ ◇ ◇
◎質問
証拠開示の対象になっている文書は、公文書に該当しないのですか。

【原田先生】
この質問は情報公開法でいう公文書に該らないのかということだと思いますが、情報公開法というのができたのですけれども、残念ながら、その中に例外事項 がいくつかありまして、刑事訴訟に関する資料というのは一括して例外ですと、情報公開の対象にはなりませんとなっています。情報公開法ができた時に、弁護 団としても使えないかということで検討したのですけれども、無理だということになりました。情報公開法の趣旨からすれば開示すべきだということは主張した のですけれども、この法律でもって開示させるというのはちょっと無理なようです。

□新たに弁護団に加わっていただいた渡部保夫さんのインタビューが北海道新聞(2005年5月22日)に載りましたので、転載します。

 

大井町ビラまき報告

うり美・・・・・0
山村・・・・・0
富山・・・・・1

今日は、稼ぎ頭の亀さんがいない。私達三人では底辺の戦いになりそうだ。
しかし、富山さんだけは少し様子が違う。いつも「ゼロ街道」ばく進中の富山さんに余裕綽々の表情。さては何やら企んでるな。あらかじめ富山さんは、知り合いに「大井町周辺に来たら署名しにきてくれ」と事前に予約を取りつけていた。やられた。
この三人では、一名の署名は、勝敗を大きく左右する。やはり予感は的中した。 結果、富山さんが一名。山村さんと私がゼロ。富山さん満面の笑顔。
「不正だ!不正だ!」という私の悪あがきは、虚しく大井町駅前に響くだけだった。(うり美)

大井町のYさんから

休載

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ニュースNo.200(2005年5月15日発行)

 

200号にあたっての決意

再審開始・無罪にむけて、異議審闘争を全力でがんばります。

これからもご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。

『無実の富山保信さんの再審無罪をかちとる会ニュース』100号

□「かちとる会ニュース」200号にあたり

「かちとる会ニュース」200号、おめでとうございます。継続は力なり!よく続きましたね。
山村さん、うり美さんの努力のおかげですね。
これからも頑張ってください。  (Oさん)

 以前、組 合で松川事件の被告を呼んで話を聞いたことがある。踏み切り番は、事件当日、被告たちが通ったのを見ていないと言っているのに、裁判官は「何らかの方法で 通ったんだ」と、被告たちが事件に関わったと判決で言ってのけたという話を聞いた。鳥にでもなって飛んで行ったとでも言うのだろうか。権力の犯罪というの はえらく恐ろしいものだ。
僕が富山さんの件を最初に聞いたのは、組合員のNからだった。当時、新人が来ると、郵便の仕事がいかに大変かということを教えるということで、地域でも 一番重たいところをやらせた。一日頑張っても配達し終わらないような所だ。それまで4人の新人が、とても体が持たないと辞めていった。5人目に来たそのN もいつ辞めるかと、みんなで見ていたが、いつになっても辞めない。高速道路の下を大声で発声練習をしながら、いかにも楽しそうにやっていた。おもしろいや つだと思った。彼から富山さんの事件を聞いて、松川事件の被告を呼んで聞いた話を思い出した。同じだと思った。いろいろ話を聞いてみると、やっぱりおかし い。権力は悪いことをするためになんでもやるんだなと思った。
富山さんが犯人だというのはおかしい。おかしいと思ったのに、黙っているのはよくない。おかしいことはちゃんとおかしいと言わなければいけない。それで集会や定例会に参加するようになった。
もうこの年になれば怖いものは何もないもの。みなさんがんばりましょう。 (坂本さん談)

 16年間、よく綿々と続いたものだと、あらためて感激するのと同時に、いまだ決着(再審・無罪獲得)がつかない無念があります。しかし、勝利のゴールに一歩一歩近づく息吹は感じています。
目撃証言といえば、富山事件を知ることが一番必要だと法曹界、心理学の世界に確固たる地歩を築いたことは決定的です。えん罪とたたかっている人々、真理 を追究する人々と、ニュースをとおして怒り、喜び、勝利するまで共にたたかいつづけたいと思っています。 (亀)

 今月号で、ニュース200号と聞いてびっくりだ!!
1988年からというから、長い年月です。ニュースは、かなりおくれているけど出すことに意義があると思いたい。
でも、300号までいって、一言を書くのは、正直しんどい。  (うり美)

 富山さん が「200号」「200号」と騒いでいる。弁護団の実務が忙しくなり、富山さんにニュースの編集を引き継いで久しい。100号は1997年の1月号だっ た。富山さんが1995年の12月に満期で出獄して、ちょうど1年が経った頃だった。あの時は佐藤さんも、木原さんも、木下先生もご健在だった。100号 の時は編集長として特集を組んだが、あれからもう、さらに100号かという感慨が、この間に亡くなられた方々の事ともども脳裏をよぎる。
今年4月5日、名古屋高等裁判所は、名張毒ぶどう酒事件の第7次再審請求について、再審を開始する決定を行った。第5次再審請求の棄却、異議申立棄却、 そして最高裁での特別抗告棄却、さらには、第6次再審請求も退けられた、絶望的とも思えるような状況を乗り越えての開始決定である。奥西勝さんの不屈の闘 い、弁護団の不断の努力の積み重ね、そしてそれを支援し続けた方々の闘いに敬意を表したい。やはり、闘い続けたものの勝利、諦めなかったことの勝利であ る。
許しがたいことに検察官は異議申立を行った。しかし、「真実は必ず勝利する」ことを確信させる今回の再審開始決定だった。再審の逆流とも言われる昨今の状況に、大きな風穴を開けるものとなるに違いない。
富山再審も、異議審において新たな地平を切り開く決意である。断じて負けるわけにはいかない。これまで歩み続けてきた道、これまで積み上げてきたものの力を信じ、再審開始・再審無罪に向け、大きく飛躍したい。真実ほど強いものはないのである。
(山村)

 200号、 毎月発行だから単純計算でも16年と8月になります。実は、ニュースの2号からは全部保管されていますが、創刊号は手元にありません。その2号によれば 「この二ヶ月間、どんなリーフレットをつくるかをめぐって、何度も討論してきました」とあるから、多分1988年9月が発行月のようです。えらく紙質が悪 かったのを記憶しています。
それはさておき、200号という事実の重さの前には頭を垂れるほかありません。感謝あるのみです。ともっともらしく言っているが、すぐ忘れるので、初心に返る意味で100号に書いたことを再録したうえで決意を新たにします。

   【ニュース2号・3号】

 言いたい放題でクレームをつけつづけてきましたが、あらためて一〇〇号への歩みをふりかえると、ニュースにおんぶにだっこだった なというのが正直な感想であり、歴然たる事実でもあります。「無実の富山さんの再審無罪をかちとる会」という名称はすぐきまったものの(なぜこの名称にこ だわったのかの説明は別の機会にします)、ニュースは難産だったらしく、やっと出た第一号の紙の質の悪さには落胆したものです。けれども、苦闘を重ねなが ら着実に成長する様子から執念と熱意は確実に伝わってきて、大いに励まされました。頭があがりません。と、しおらしいことを言いながら、ちっともこりずに 言いたい放題をつづけるのが私の私らしいところですから、これからもイジワル爺さんをつづけるつもりです。
さっそくひと言。二〇〇号特集はもちろんあるわけないと思っています。それまでに 「いかにして再審・無罪をかちとったか」の総括・勝利宣言号=廃刊号 を一刻も早く出さねばなりません。そのためには、原稿が殺到して載せきれないといううれしい悲鳴があがり、私などがしゃしゃり出たらたちまち返り討ちにあ うというかふくろ叩きにあうくらいの「かちとる会」と再審運動にする必要があります。そうなったとき、ニュースの発展的廃刊は現実のものになるし、それは また人間解放という究極目標にむかう次のステップのときでもあります。その日のために、がんばりましょう。

随分立派なことを言っています。残念ながら200号までに再審無罪を実現することはできませんでした。しかし、着実に前進してきたし、これからも前進しつづけ、究極目標にたどりつきたいと思います。
1995年12月19日に出獄してからだけでも、多くの方と出会い、かけがえのない方たちをなくしました。そうした方々の思いをわがものとして、たたかっていきます。これからも、いっそうのご支援・ご協力をお願いいたします。
なお、ニュース作成の実務はおしつけられていますが、編集長は依然として山村です。私に実権はありません。念のため。   (富山)

□名張事件の再審無罪をかちとろう

4月5日、名古屋高裁刑事一部(小出錞一裁判長)は「名張毒ブドウ酒事件」の第七次再審請求をうけいれて再審開始決定を行いました。再審開始決定の骨子 は「奥西元被告以外の者による犯行の可能性が否定できない」「確定判決の証拠とされた栓は、事件に用いられたぶどう酒瓶のものではない疑いがある」「毒物 は元被告が所持していた農薬ではなかった疑いがある」「捜査段階の自白の信用性には重大な疑問がある」「弁護側の新証拠は無罪を言い渡すべき証拠に該当す る」と明快に言い切っています。
原審は富山さんと同様に、一審無罪・二審逆転有罪です。奥西さん、弁護団、支援の不屈のたたかいに敬意を表するとともに、富山再審の異議審勝利・再審開始にむけて粘り強くがんばりましょう。

 

大井町ビラまき報告

 4月の署名集めは、
富山さん・・・・・3名
亀さん・・・・・・2名
うり美さん・・・・2名
山村・・・・・・・1名
だった。始める時、私たちの倍もビラを手にして、「最初から言いわけを準備してる。また、ビラまきに専念したとか言うんでしょ」とうり美さんにからかわれていた富山さんが意外にも奮闘、亀さんを抜いてトップとなった。

「久しぶりー」
「アーッ! 誰かと思ったら、ウッソー。やだー、こんなとこで会うなんて」
という声に振り返ったら、買い物袋を下げた女性とうり美さんが抱き合わんばかりに驚喜している。私はすっかり顔を忘れてしまっていたが(今から十三年半も 前のことだから当然と言えば当然だが)、一九九一年一二月に行った富山再審集会で、初めて見た人物をどれだけ記憶できるかという実験を行った時、被験者と して協力してくれたうり美さんの友達だった。うり美さんもここ数年会っていなかったという。二人はしばし旧交を温めていたが、やがて「せっかくだから、署 名して」ということになり、思いがけなくうり美さん、一名確保である。勢いに乗ったうり美さんは、続けてもう一名。山村も一名。少し離れた所にいる亀さん の前でも署名している人がいる。ただ一人、富山さんのみ0。当初の予想どおり、今回もこの欄は富山さんが書くことになると高を括っていた。
が、後半に入ったところで、六十年配の男性が、富山さんの説明に大きくうなづき署名をした。この人、昼飯時に一杯やったのか、ご機嫌な様子。相当できあ がっているようである。そして、署名した後も富山さんの側を離れない。右へ左へ動き回る富山さんの後をふらふらと覚束ない足どりで付いてまわっている。ビ ラを受け取った人に富山さんがおじぎをすると、隣で一緒になって頭を下げている。富山さんはちょっと迷惑そうに、さりげなく振り切ろうとするのだが、ぴっ たりくっついて離れない。そうこうするうちに、このおじさんのおかげか、二人連れの女性が立ち止まり署名をしてくれたのである。この時もおじさんは富山さ ん以上に深々と頭を下げていた。これで富山さんは一気に三名。
やがて、おじさんは手を振って大井町駅の方に去って行ったが、この富山さんとおじさんの絶妙なコンビを眺めて笑い転げている間に、私が原稿を書く結果になってしまったわけである。 (山村)

大井町のYさんから

休載

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ニュースNo.199(2005年4月15日発行)

 

『徹底検証「決定」批判と再審開始への展望』4・2公開学習会は、50名の方の参加で成功しました。
みなさんありがとうございました。

会場参加者と講師・原田史緒弁護士(富山再審弁護団)(右端)

主催者よりあいさつ

□公開学習会報告

4月2日、「かちとる会」は大井町きゅりあんにおいて、「徹底検証『決定』批判と再審開始への展望」と題して、学習会を行った。学習会では、富山再審弁護団から、原田史緒先生が棄却決定批判と異議申立の内容を講演して下さった。

富山事件で学習会をやったのは、これで何回目だろうか。少なくとも富山さんが出獄してからは初めてである。
かちとる会の定例会でも、「棄却決定批判をキチンとやろう」、「再審について知識を深めよう」、「自己満足に終わるのではなく、次に繋げるような学習会をしよう」などの意見がでていた。
だが、蓋をあけてみるまで、何名集まるかわからないという状況だった。たとえ少人数でも一人一人が深く理解でき、発言しやすいようにと机は円卓形式にし た。いざ蓋をあけて見ると次々と参加者は増え、50名の人々が集まって下さった。集会並の人数となった。それは、私達の予想をはるかに超えるものだった。 裁判所前で富山さんから学習会への参加を訴えるビラを受けとり、群馬から初めて参加してくれた方もいた。このことからも冤罪、再審への関心の高さ、富山事 件が広範に認知されているのが窺える。
会場では、富山事件の再審棄却決定とそれに対する異議申立書との対照表が配られ、原田史緒先生がそれに基づき説明した。
2004年3月30日、東京高等裁判所第三刑事部により富山事件の再審請求は棄却された。この棄却決定は、弁護団が提出した富山さんの無実を証明する新 証言や鑑定書について何ひとつ事実審理を行わずに、新規性、明白性をとおりいっぺんの理由ならざる理由で否定したものだった。
一例をあげれば、浜田鑑定については「新たな証拠とみてよいかは疑問のあるところであり、仮にその新規性を認めるとしても、既に述べたところ、例えば、 鑑定経過に多分に推測の要素が入っていることなどに照らし、確定判決が採用した証拠の信用性判断を揺るがす明白性があるとまではいえない」としている。
また、箱田鑑定についても「本件のような犯行を目撃した場合に、一般的に指揮者とみられる犯人の顔を正確に認知し記憶することが必ずしも容易ではなく、誤認する危険性があることを示したにとどま」る、としている。
とても、再審請求書と真摯に向き合って出した決定だとは考えられない。はじめに有罪ありき、これが今の司法の現状かとまざまざと思い知らされるものだった。改めて怒りが沸いてくる。(対照表が必要な方は「かちとる会」まで御連絡ください)
この棄却決定が出されてからの異議申立期間は三日間、弁護団は異議申立書を書き徹底反論した。
学習会では、会場からの質問に原田先生、主任弁護人の葉山岳夫先生が答えた。質問は多岐にわたり、盛会に幕を閉じた。(質問の内容については、次号に掲載します)
理解しているつもりになっているのが、なにより一番危険である。私にとって、この学習会で富山事件と再審について学ぶことは、大変意義あることだった。
かちとる会では、継続的に再審事件、冤罪事件について知識を深めようと、さらなる学習会を計画中である。(うり美)

【質問に答える葉山弁護士】

□4・2学習会のアンケートから

 対照表があったので、再審棄却がどういう形で行われたのか、わかりやすかったです。
家族が再審請求をめざして準備しております。再審の難しさをあらためて痛感しましたが、お仲間が多いことを心強く思います。
いつも温かくお迎えくださいましてありがとうございます。感謝しております。
(女性) (ニュース読者)

 皆さんの熱心さが伝わって来ます。えん罪のおそろしさを身をもって感じています。私共は、民事で医療過誤訴訟をしており、一、二審、敗訴でした。弁護士 の裏切り行為、カルテ改ざん等あり、原告には見せず、知らせず、完敗でした。現在、再審申立中ですが、弁護士等付いておらず、長い裁判と思い、勉強中で す。
(男性) (霞が関で富山さんがまいたビラを受け取り、参加してくださった方です)

 再審の現状、争点について、よく理解することができました。
証拠開示への運動を強めることを決意しました。まずは署名集めに力を入れていきたい。
企画は非常に良いと思いました。
(男性) (富山さんから誘われて参加)

 今回で二回目の参加ですが、とても勉強になります。
送って頂いている「ニュース」も読み続けていると、なぜかハマってしまいそう。
土曜の夜は用事があるので、次回は来れるかわかりませんが、なるべく参加したいと思います。
(女性) (ニュースを読んで参加)

 かねてから、富山さん無実・再審闘争についてより詳しく勉強したいと思いながら、なかなか参加できておりませんでしたが、本日の学習会に来てよくわかり、来てよかったと思います。
今の戦時下的情況の中で、闘う良心の囚人の闘いには勝たねばならないと強く思うところです。
(女性) (富山さんに誘われて参加)

 

□栃木ででっち上げが発覚

栃木県でたいへんなでっち上げ事件がおきています。2月18日付けの夕刊各紙によれば、昨年8月に別件で逮捕された男性が再逮捕された「強盗」容疑2件 について「自供」し、起訴されて「懲役7年」を求刑されていたにもかかわらず、別の強盗事件で逮捕された人物が真犯人であることが判明したため、あらため て無罪の論告求刑が行われるそうです。記事を読むかぎりでは「宇和島事件」に類似しています。事実関係を確かめないとうかつなことは言えませんが、いずれ にせよ無視することはできません。注目する必要があるように思います。

(朝日新聞2月18日付夕刊) (東京新聞2月18日付夕刊) (毎日新聞2月18日付夕刊)

(読売新聞2月18日付夕刊)

  【宇和島事件】

愛媛県で1998年10月に貯金通帳、12月に印鑑を盗み、99年1月に50万円を引き出したとして1年以上拘置され、「懲役2年6月」 を求刑されていた男性が、高知で逮捕された別の男性が真犯人であることが判明しため無罪・釈放された事件。詳しくは『自白の心理学』(岩波新書・浜田寿美 男著)参照。

大井町ビラまき報告

亀・・・6
富山・・・1

今日は地元で教育労働者の「日の丸・君が代」強制に反対する集会がある。参加者が大井町の駅を使うに違いない。いつも署名集めに立つ場所を変更して、駅の大きな出口側に位置する。ここで一気に

対亀大亀力 関係を逆転だ。と意気込んだのだが、さっぱりである。ある顔見知りの人など亀さんのところで署名した後、私のところに来て「ご本人に署名してあげればよ かったわね」。結局、顔見知りの署名は亀さんが2、私は1。狸の皮算用に終わったわけである。顔見知りに期待するという情けない料簡とはきっぱりと縁を 切って、着実に署名を集めるというオーソドックスな道を進まねばならない。
またしても教訓だけが突きつけられることとなった。
一騎打ちは私の完敗に終わった。このまま私の辞書には「完敗」という文字しかないという無様な姿をさらし続けるのであろうか。
山と麓の林  ニュースは「大井町ビラまき報告」から読み始める人が多い。というよりは、そういう人が圧倒的多数である。そして、私が負け続けるのを「楽しむ」人と、 「かわいそうだ」「見るに忍びない」から止めたらどうかと同情する人と、もっと成果を上げろと叱咤する(激励がないのだ、トホホ・・・)人とに分かれる。
でも本人はけっこう楽しんでやっている。亀の歩み(うちの亀の歩みはすごいのだが)でも「町の風物詩」になるまでがんばるつもりなのだ。継続は力であ る。それこそ「愚公山を移す」を実現するくらいのつもりでやろうということである。なんて利いた風なことを言っているが、やっぱりたまには勝たないと格好 がつかない。次回こそは。(富山)

大井町のYさんから

休載

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ニュースNo.198(2005年3月15日発行)

 

□故木下信男先生とともに横浜事件の再審無罪をたたかいとろう

 3月10日、東京高裁第三刑事部は、横浜地裁による横浜事件の再審開始決定を支持する決定を行った。検察側も最高裁への特別抗告を断念した。これによって再審開始決定が確定し、再審公判が始まることになった。
まず何よりも、再審開始の確定を再審請求人各位、弁護団、そして多くの支援の方々とともに喜びたい。この勝利に向かう大きな前進は、みなさんの言葉では表現できないくらいのがんばりのたまものであり、心から敬意を表したい。
ご存じのとおり、元被告とされた方々は全員亡くなっている。「一度失われた人権の回復にはなんと長い年月を要することか」(森川金寿・弁護団長)と詠嘆 せずにはいられない。しかし、それでもねばり強いたたかいはつづけられたのである。何故か、正義は実現されなければならないというつよい思いがあったから である。真実に依拠するたたたかいは、必ず人間の琴線に触れる。再審のたたかいは、後世の人々との連帯をも今日的にかちとりながら展開される普遍性を持っ たたたかいである。それゆえ広範な人々の心をとらえ、物質力を発揮したのだ。真実ほど強いものはないのである。
勝利への巨大な前進がもたらされた。しかし、まだ勝利が確定したわけではない。二度と暴虐がまかり通ることのない社会の建設にむけた橋頭堡を築くために、ともに力を合わせてたたかいたい。
その思いを新たにするとき、あらためて故木下信男先生のことを想起せずにはいられない。「横浜事件の再審を実現しよう!全国ネットワーク」代表を務める 先生には、私の再審実現のためにひとかたならぬご尽力をいただいた。毎月の定例会に欠かさず出席され、「こういう集まりに参加するのは愉快ですな」と語ら れた姿が今も目に浮かぶ。不屈に毅然とたたかわれる先生から学んだことは多い。差し出がましい言い方を許していただくならば、横浜事件の再審を実現するた たかいにおける今日の地平をかちとるにあたって、木下先生の存在の大きさ、不可欠さは、いくら強調してもしすぎることはないであろう。先生あったればこそ 再審請求人、弁護団、支援が強力に団結し、一体となってたたかいぬいてこれたのだと確信できる。

故木下信男先生  木下先生は2002年6月29日の富山再審集会に参加され、「(裁判所は)富山さんの再審を開始しなければならないことを知っていながら、引き延ばしてい る。私も何回か富山さんと一緒に裁判所に抗議にまいりました。なぜこんなひどいことが行われているのかということに対して、一言も反論することができな い。そのことからもわかると思います。
このようなわが国の再審裁判の状況を打破するにはどうしたらいいか。確かに、もっともっと富山さん無実の証拠を探して、ということが必要であることはい うまでもございません。しかし、このようにひどいわが国の再審状況を打破するためには、われわれがただ手を拱いて眺めているだけではだめだろうと思いま す。で、どうしたらいいか。再審裁判の開始を求める運動を、全国的に、あらゆる人々と手を組んで広めていくより他に方法はないだろうと私は考えておりま す。こういう方向に向けて、皆さま方のお力添えをぜひお願いしたいわけでございます」と発言された(「かちとる会ニュース」167号参照)。この鬼気迫る 執念が横浜地裁の開始決定を引き出し、今回の再審開始確定につながった。この執念に学びたい。先生は亡くなる1ヶ月前の定例会に見えられ、これが今生のお 別れになった。心から感謝するとともに、先生の遺志をひきつぎ、まっとうするために全力でがんばりたい。

さて、賢明な読者はお気づきであろうが、「東京高裁第三刑事部」とは私の再審請求の棄却決定を行った裁判所である。横浜事件の再 審開始決定(正確には横浜地裁の再審開始決定に対する検察側の即時抗告の棄却決定)と、私の再審請求棄却というこの落差は一体どういうことを意味するのだ ろう。少し考察したい。

高裁決定は、小田中聡樹教授が「拷問による自白の信用性に疑いがあるとし、再審理由に当たるとしたことは当然の判断だ。治安維持法がいつ失効したかとい う問題の前に、特高警察のすさまじい拷問によるフレームアップこそが、事件の核心だった。そこに正面から目を向けた」と指摘されるとおり、よい決定であ る。このことは、しっかり確認しなければならない。
では、中川裁判長は見識ある裁判官であり、「勇気ある決定」を行ったと手放しで評価できるのかといえば、けっしてそうではない。異議ありである。
横浜事件がフレームアップであることは、識者の間ではすでに常識であり、このまま再審請求を拒否しつづけるにはあまりにも無理がある。横浜地裁の再審開 始という決定によって横浜事件はフレームアップだという世論が形成され、大勢が決してしまった。再審開始という決定を覆し、横浜事件はフレームアップとい う世論にたちむかうことを中川裁判官は躊躇したのだ。つまり、中川裁判官は「裁判官は世論に敏感」(松川裁判や八海裁判での正当な裁判批判に対する田中耕 太郎最高裁長官の「雑音に耳を貸すな」とは、いかに裁判官が世論を気にするかの自白にほかならない)であることを実証して見せたのである。
この現実をリアルに見据えよう。たとえ中川裁判官のような裁判官であろうと、広範な人民の不正義を許さぬ包囲と監視があるなら正しい結論を出させること が可能であることが実証された。東京高裁中川コートが示した落差は、それ以上でも以下でもない。倦まず弛まずたたかいつづけるならば、必ず真実は勝つこと を教えているのである。

富山再審・無罪にむけて異議審闘争をがんばろう。
これからもよろしくお願いいたします。   (富山)

 

□練馬のKさんから

 かちとる会のみなさん、富山さん。『2005年を着実な前進の年に』をわたしも誓い合いたいと思います。
「おーい、大丈夫か、もう三月だぞ」と笑われそうですが、心がこもっていればそれでいい。いただいた年賀状へ返礼もせぬまま、大変失礼いたしました。労 働と活動の日々の繰り返しの中で、カレンダー通りに自分の心持ちを整理、維持するのは大変なことで、階級情勢に一体化していくのに二月位遅れることなどな んてことはない。着実な前進こそ重要なのです。
富山さんのたたかいも30年ですか。(その1月13日、わたしは高校生でした。何を考えていたのか、何をしていたのか、覚えていません)今、『逆流』『歯が立たない』『無駄』『閉塞の時代』等々の修飾語が情勢
の背景に見え隠れしますが、富山再審闘争からは『勝利』の二文字がくっきりと浮かび上がってきます。かちとる会ニュースはそのことをはっきりと伝えてくれ ます。とりわけ、04年3月30日からの三日間の決戦には、あらためて敬意をはらいたいと思います。富山再審闘争はなによりも富山さんの人間としての真実 を実現することですし、その勝利には星野さんの奪還があります。そして、「司法改革」なる戦後民主主義の解体攻撃を阻止し、少年たちへの司法からの襲撃を ぶっとばす、大きな展望があります。今年は、『一粒の麦』『地の塩』がキーワードとなりそうですが、それに加えて『堤防決壊』を絶対に加えましょう。
明日一日は、富山再審勝利を心に働くこととし、一日分の日当を送ります。

 

Kさんからのおまけ

 『女子高生』を、陶酔する覚醒する錯乱するおじさんの『おかず』にしてしまってはいけません。一回、女子高生だけ狙いにしてみてはどうでしょうか。十筆はかたいと思いますよ。
うり美さんの『うざーい』真似を聞いてみたい。
ニュースに載る野球の記事が中日にはびっくり。カープ優勝の翌日、Aさんがすべてのスポーツ新聞を抱え東拘(東京拘置所)へ走ったということを聞き『革 命家も野球のことにうつつをぬかすんだ』とはるか昔かなりなカルチャーショックを受けました。今年は再びの赤ヘル旋風を見たいものです。わたしは田舎のG ファンです。

大井町ビラまき報告

亀・・・6
富山・・・1
今日は地元で教育労働者の教育委員会による「日の丸・君が代」強制に反対する集会がある。参加者が大井町の駅を使うに違いない。ここで一気に亀さんとの 力関係を逆転だ、と意気込んだのだが、さっぱりである。ある顔見知りの人など亀さんのところで署名した後、私のところに来て「ご本人に署名してあげればよ かったわね」。結局、顔見知りの署名は亀さんが2、私は1。狸の皮算用に終わったわけである。顔見知りに期待するという情けない料簡とはきっぱりと縁を 切って、着実に署名を集めるというオーソドックスな道を進まねばならない。またしても教訓だけが突きつけられることとなった。
一騎打ちは私の完敗に終わった。このまま私の辞書には「完敗」という文字しかないという無様な姿をさらし続けるのであろうか。能書きをたれるだけという現状をなんとかしなければならない。(富山)

大井町のYさんから

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ニュースNo.197(2005年2月15日発行)

 

【集会要項】
○日時 4月2日(土) 午後6時開場 6時半開始~9時終了予定
○講師
原田史緒弁護士(富山再審弁護団)
○場所 きゅりあん第2講習室(5階) (東急大井町線・JR京浜東北線  大井町駅下車)

 公開学習会を行います

昨年3月30日、東京高裁第3刑事部(裁判長中川武隆)は無実の富山保信(とみやまやすのぶ)さんの再審請求を棄却する決定を行 いました。これは真実を踏みにじる決定であり、断じてゆるせません。この決定は昨年8月26日の袴田事件の即時抗告に対する棄却決定、12月9日の「大崎 事件」に対する再審開始決定取り消しとともに、いわゆる再審に対する逆流に棹さすものです。
富山さんと弁護団はただちに異議申し立てを行い、審理は現在、東京高裁第4刑事部(仙波厚裁判長)に係属しています。再審への逆流をはね返すためにも、富山再審の開始・無罪をなんとしてもかちとらねばなりません。
「棄却決定」の問題点を明らかにし、異議審勝利に向けて新たなたたかいの地平を切りひらきましょう。 学習会で富山さんの無実と棄却決定の誤り、そして 異議審勝利への認識と理解と確信を深めたいと考えています。4月2日に行う公開学習会に、ぜひご参加ください。

【集会要項】

○日時 4月2日(土) 午後6時開場 6時半開始~9時終了予定

○講師
原田史緒弁護士(富山再審弁護団)

○場所 きゅりあん第2講習室(5階) (東急大井町線・JR京浜東北線  大井町駅下車)

 きゅうりあんへの行き方は図のとおりです。

 ぜひご参加を

4月2日に公開学習会を行います。ご多忙とは思いますが、ぜひ多くの方々に参加していただきたく心から訴える次第です。
なぜ再審なのか、と尋ねられることがよくあります。
もし死刑事件だったら、えん罪で死刑にされたのではたまらないから否応なくたたかいつづけるのだ、とあらためて説明するまでもないことですから「なぜ再 審か」と訊かれることはありません。そうではなく有期刑で、しかもすでに満期出獄している場合、なかなか再審が前提とはなりにくいようです。たとえ無実が 歴然としていてもなかなか再審は認められない、再審が実現するとしてもそれまでに容易ならざる困難が待ちかまえているという事実がよく知られているだけ に、なぜあえて困難に立ち向かうのかと思われる人も少なくないようですが、逆に私はあなたならどうされますかと質問します。たしかに死刑と有期刑では天と 地ほどの差がありますが、しかし、真実が踏みにじられているということでは何の違いもないではありませんか。あなたは、真実が踏みにじられ、あなたの人格 が否定されつづけることに耐えられますか、と。

無実は無罪に

 私は無実です。繰り返し繰り返し主張しつづけてきましたが、私は事件には関与していません。これは厳然たる事実です。したがって、無実の者は無罪とされるべきです。これが原点であり、簡潔でいちばんわかりやすいと思います。
不正をゆるさず、暴虐に屈せず、原点を忘れずにどこまでも愚直にたたかいぬく―これが再審の魂です。再審の厚い壁の前に刀折れ、矢尽きて無念の涙を呑ん だ事例の多さに怖じ気づかないで、のりこえて進むということではないでしょうか。それが先人の無念を引き継ぎ、晴らし、苦闘に報いることになるのではない でしょうか。

 

真実ほど強いものはない

真実に立脚し、不屈に、倦まず、弛まずにたたかいつづければ、蟻のようなたたかいも巨象を倒す力を発揮します。最後は真実が勝ちます。真実ほど強いものはないのです。
あくまでも真実に依拠するたたかいと、あくまでもでっち上げにすがり、虚構の維持に腐心する暴虐と、あなたはどちらに与(くみ)するのかと問いつづけて いるのが富山再審です。まぎれもなく八海、松川や再審無罪の死刑囚をはじめ狭山、袴田等々営々とたたかいぬかれているたたかいと根茎を同じくするものなの です。

富山再審はあなた自身の人権を守るたたかい

私は私の政治主張への同調・支持を要求するつもりはありません。ひたすらでっち上げとのたたかい、ひいては刑事裁判の向上のために立ち上がってくださいと訴えつづけてきました。
そもそも再審のたたかいへの参加は、強制によってもたらされるようなものではありません。主体的判断と決断を問うものなのです。
このたたかいの前進は私のみでなく、すべての人々の人権を守り育てていきます。そうしたたたかいの積み重ねが、私の生きたい社会を形成していく力を培う基盤をなすと私は考えています。
私は、人間が人間らしく生きられる社会に生きたい。そのために努力したい。まず私を縛っているでっち上げの虚構をうち砕くために、そして同様のたたかいをやり抜いている人々と連帯してがんばりたい。
みなさんの決起、いろいろな形態での参加を心から呼びかけたい。そう考えて再審と取り組んできました。
4月2日の学習会にぜひご参加ください。  (富山)

今後ともよろしくお願いいたします。

 

 松元ヒロさんから

松元ヒロさん(コメディアン)からメールが届きました。

富山保信さま
この度は、「かちとる会」の中で小生のライブのことを載せていただきまして、本当にありがとうございました。
ホームページを開きましたら、そこにも!!! 幾重にもありがとうございます。
いつも「大井町ビラまき報告」を読んで「がんばっていらっしゃるなあ」「よし、俺も!」と元気を貰っております。
益々右傾化し、権力の横暴化が目に余る状態のこの日本ですが、諦めない富山さんのお蔭で「負けちゃいけない」の気持ちを持ち続けられます。
 寒い日がまだまだ続きますが、富山さんはじめ皆さまどうぞ、風邪など召しませぬようにご自愛くださいませ。
メールで失礼とは思いましたが、とり急ぎ、お礼まで申し上げました。

松元ヒロ

○松元ヒロさん紹介(ファンクラブ「松元ヒロを応援する愉快な仲間たち/ヒロポンの会」から)

鹿児島実業高校時代、全国高校駅伝で区間賞を獲り法政大学に推薦入学。だが、アフロヘアーで国立競技場を走り、注目を集め過ぎ先輩よ り反感を買い退部。そんな折り、しなやかに動く身体と陽気な性格を活かせるパントマイムと出会う。教育実習で大いにウケて、法大政治学科を卒業と同時にプ ロのパントマイマーとなり全国を巡る。マイムにあきたらずコミックバンド「笑パーティー」のメンバーとしてコントの世界に進出、独自のマイムコントの世界 を創造する。1985年「お笑いスター誕生」で優勝。
1988年コント集団「ザ・ニュースペーパー」の結成に参加。村山前首相を演じ注目を集める。以後一人芝居やマイムのニュースなどキャラクターを活かした独特な舞台でその個性を発揮。1998年11月独立、ソロ活動に入る。

 千葉のGさんから

 いつも会報を送っていただきありがとうございます。直接集会に行けることは少ないですが、署名が必要なときはいつでも送らせていただきますので、ご連絡ください。(ちなみに、署名の書き方がわからないのですが、教えていただけますか?)よろしくお願いたします。

(千葉のGさん)

大井町ビラまき報告

亀・・・・・3
うり美・・・1
山村・・・・1
富山・・・・1

始める直前からみぞれになった。全員が口をそろえて「寒い、寒い」「やるの?」を連発する。これだけ言えば軟弱分子の私が「寒いから止めよう。風邪をひくといけないから」と応じると思っているらしい。残念でした。やる気なのである。勝つ気十分なのである。
みんなの顔には「どうせ結果はわかっているのだから・・・」「無駄な抵抗はやめたら」と書いてある。「やってみなければわからないじゃあないか」と言いたい。
しかし、結果は冷酷である。残念な結果になってしまった。どうやら私の場合は、やる気だけが空回りというよりはそれがかえって逆効果というか相手にとっ て威圧感になってしまうらしい。これは単純に反省すればすむとか解決するというようなことではなく、そうとう考えねばならないことだ。けっこう深刻な問題 である。なにしろ署名とは相手のあることであるし、しかも署名は相手にしてもらうのだから独り相撲では話にならない。
記事はジャンケンで負けた私が書くことになった。「ビラまき報告は富山さんのコーナーですよ」が現実になりそうな気配である。  (富山)

大井町のYさんから

休載

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ニュースNo.196(2005年1月15日発行)

 

タイトル 無実の富山さんの再審無罪をかちとる会ニュース ●ニュースNo.196(2005年1月15日発行)◎事務局から新年のご挨拶
年賀状

大井町ビラまき報告

 2005年を着実な前進の年に

富山再審の実現で再審に対する逆流をはね返そう。全力でがんばります。(富山保信)

異議審勝利! 今年もより一層のご支援をお願いします。(かちとる会)

◇事務局から新年のご挨拶◇

□この道を進む

昨年、富山再審は大きな節目を迎えた。

一昨年の十月八日、東京高裁第三刑事部(中川武隆裁判長)から、「求意見書」が届く。弁護団は棄却攻撃と見抜き、受けてたつという意気込みで「意見 書」、そして「事実の取調請求書」を提出した。一九九四年六月の再審請求申立以来、弁護団は、数々の新証拠、鑑定書、意見書、上申書等々、膨大な書面を提 出し続けてきた。「意見書」はそれらを集大成したものだった。

富山さんも「真実はひとつ。私は無実」という叫びを意見書として提出した。

同日付で検察官からも「意見書」が出されたがわずか七ページ。中身も外見と同様薄っぺらなものだった。およそ勝負にならない。弁護団の主張と、検察官の この「意見書」、いずれに理があるのか、いずれに真実があるのか、誰が見ても明らかだった。これで勝とうというのか、これで富山さんを有罪とした確定判決 が正しいと言うのか、憤りさえ覚えた。

弁護団は、この検察官の「意見書」に対する反論を「意見書(2)」として提出、真正面から切り返した。

こうした弁護団の活動と並行して、富山再審でどのような決定が出されるのか重視した弁護士、法学者、心理学者をはじめとする九三名の方々から「慎重かつ公正な審理を求める」という要請書が第三刑事部に提出された。

にもかかわらず、三月三〇日、東京高裁第三刑事部は「本件再審請求を棄却する」とする「決定」を出した。

法律に決められている異議申立期間は三日間。この短期日のうちに弁護団は、弁護団会議を開き、「決定」の内容を検討し、異議申立書を書ききった。連日深 夜まで、さらには夜を徹して、異議申立書の起案にあたってくれた。この過程、あらためて私はこの弁護団に心服した。この弁護団と一緒にたたかえることが誇 らしかった。

決定の内容は、なんとしてもこの再審は棄却しなければならないという観点から書かれている。弁護団が指摘し続けたことにまったく答えていない。逃げてい た。弁護団は、異議申立書で「決定」を痛烈に批判した。それは、「棄却決定」を出した裁判官に、「真実はこうだ」と叩き返したと思える迫力を持っていた。

鑑定人からも、「棄却決定」に反論する「意見書」が提出された。科学者の目から見て、この「決定」は科学的知見とはほど遠いものだった。

異議審は東京高裁第四刑事部(仙波厚裁判長)に係属した。弁護団は折衝を繰り返し、証拠開示と事実調べを強く求め続けている。鑑定人から新たな「意見書」も提出された。

一 九九四年の再審請求から数えても十年近くの年月をたたかい続けてきた。東京高裁第三刑事部は、この再審を棄却した。確かに悔しい。この十年を何だと思って いるのか。怒りがこみあげてくる。しかし、負けたという気がしない。それは、攻めて、攻めて、押し続けて、押し続けて、そのうえでの棄却決定だったからだ と思う。私たちは完全に裁判所を追い詰めていた。それは「棄却決定」の内容からも窺える。論理としては完全に破綻しながらも、無理やりこじつけての「棄却 決定」。権力としては、富山再審を認めることは、「法の安定」の観点から考えてもどうしてもできなかったのだろう。

私たちは、意気揚々と異議審に突入した。

そして、二〇〇五年。これまでの地平の上に、大きな展望が開けている。昨年一年のたたかいをさらに大きく広げていきたい。

やるべきことは山積みだ。しかし、ひとつひとつ片づけていくしかない。これまでもその積み重ねだった。自らのたたかいに自信を持って、この道を歩いて行こう。(山村)

 日産サニー事件にみられるように、一度開かれた再審の門が閉じられるなど、再審を取り巻く状況は未だ厳しく、茨の道である。しかし、今年もひるむことなく、諦めず、今までやってきた事を糧とし、大きな力となって厚い再審の門を切り開きたい。(うり美)

 

□怒りと和みの日

誰でも、人は決して忘れない日を持っています。一月十三日、この日は「もう、こんな歳になってしまったか」と嘆いても、なぜか和む私の誕生日です。

しかし、一月十三日のその日は、30年前の27歳の富山さんにとっては、突如、襲いかかる不当逮捕の日です。富山さんは無実という真実が踏みにじられ、殺人罪のデッチ上げとのたたかいが始まった日です。

今年こそ、再審無罪をかちとり(酉)はばたく、積年の怒りを晴らす年としましょう。

来年のその日が、富山さんの怒りを少しでも和らげる日として迎えたい。(亀)

□着実な前進を

2005年を雪の中で迎えた。寒いのはよい。心も体も引き締まる。その雪の中で考えた。

再審における逆流ということが言われて久しい。確かにそのとおりである。日産サニー事件、狭山事件、名張事件、袴田事件、大崎事件・・・そして私の再審 請求棄却決定と、枚挙にいとまがない。4人の死刑囚の再審無罪という衝撃的事例を深刻に総括したのは国家権力の側で、それもいかにしたらえん罪・誤判が暴 かれないですむかという立場からのみであり、なぜえん罪が生み出されまかり通ったのかにはメスは加えられなかったという事実が歴然と示されている。

だから、えん罪は今日も絶えないどころか増産されつづけている。えん罪・誤判をゆるさないという情熱と叡智が生み出した証拠構造論にも邪悪な意図ゆえに 歯が立たないとはいえ、論理で立ち向かうのではなく御都合主義と状況「証拠」の積み重ねで有罪を宣告・維持しようとする姑息で卑劣な事例が増えたというよ りはそれが一般化しかねない勢いだ。和歌山カレー事件をみよ、仙台筋弛緩剤事件をみよ、恵庭事件をみよ。刑事裁判は裁判とも呼べない水準へといっそう押し 下げられ、「司法改革」と称するまやかしによってとどめを刺されようとしている。

一見したところ、もう再審の目はない、やっても無駄だと思えなくもない。そう忠告する人もなくはない。本当にそうか。なんの前進も展望もないのか。

そうではない。遅々たるものにしか見えないかもしれないが、確実に進捗している。暴虐は権力の危機と焦りに基づくあがきに他ならず、自縄自縛の坂を転げ 落ちている。ダムに蓄えられつつある水は憤りと悔しさと悲しみの血と汗と涙であり、矛盾は累積し、露呈しつつある。それは今後ますます増大し、根底にある 諦めない、挫けない人々、膨大な「一粒の麦」「地の塩」ともいうべき人々の倦まず、弛まぬたたかいと結びついて、一気に堤防決壊をもたらすだろう。これま でも社会の進歩と発展を牽引してきたそういう人々のたたかいが、いまほど求められているときはない。その表れが昨年の再審への逆流と、立川反戦ビラ弾圧で の無罪判決とイラク反戦、共謀罪成立阻止をはじめとする人々の屈せぬたたかいとのせめぎ合いといえよう。

現在を「閉塞の時代」と呼ぶ人が多数派かもしれない。しかし明けない夜はない。そして暁は訪れ始めたのだ。富山再審は着実に「市民権」を獲得しつつあ る。2003年暮から2004年春の攻防と異議審の鍔迫り合いは「このたたかいは勝負になる。土俵に登った」と多くの人々に実感させつつある。勝利の鍵は われわれの手にある。がんばろう。今年もよろしく。(富山)

□ かちとる会に来た年賀状から

えん罪とたたかうIさん
雪冤の日までともにたたかいぬきましょう。
飯島豊さん
伊藤純子さん(染色家) Iさん
Oさん Oさん
「日の丸・君が代」強制とたたかうKさん
神戸市民救援会議 Kさん
救援連絡センター
三角忠さん(三一書房労組委員長) 江戸川の櫻井さん
 司法試験にチャレンジ中のTさん
朗報を期待しています
入江史郎さん(スタンダード・ヴァキューム自主労組中央委員長)
浜田寿美男さん(奈良女子大教授) 土屋翼(たすく)さん(国賠ネットワーク)
沖縄のFさん 平野雄三さん(袴田事件の報道を収集し配布する会)
 松永優さん(国賠ネットワーク) 藤田進さん(東京外国語大教授)
Mさん 杉並のYさん
松元ヒロさん(コメディアン) 松元ヒロさんのソロライブは下記の通りです
日時:2005/
3/10(木)open 18:30 start 19:00
3/11(金)open 18:30 start 19:00
3/12(土)open 14:30 start 15:00
3/12(土)open 18:30 start 19:00
3/10(日)open 14:30 start 15:00
場所:●アールズアートコート(JR新大久保駅下車徒歩6分)

関連ホームページ:「松元ヒロを応援する愉快な仲間たち/ヒロポンの会」 でもご案内が掲載されています

大井町ビラまき報告

亀・・・・・4
うり美・・・2
山村・・・・1
富山・・・・「1」

えらいこっちゃ、どこを捜しても出てこない。その日の夜に書き上げた原稿はどこに消えた。どうなっているのだ。ということで、どうや ら間違って消したか上書きしてしまったみたいである。情けないやら悲しいやら、ドジの見本というほかない。傑作「亀の逆襲」は永遠に日の目を見ないことに なってしまった。これはあらためて書き直した敗者復活戦版報告である。したがって、どうしても臨場感が希薄になってしまう。

この日は何人か知り合いが通過したが、いずれも亀さんに先を越されてしまったらしい。亀さんを指さして通り過ぎたのまでいる。立つ位置が明暗を分けた。私の「1」はレース終了後に掴まえた1ということで「」がついている。
うり坊うり坊は「年間総括をせよ」と迫る。しかし、原稿のやり直しでがっかりしている当方はやる気がしない。今回はさぼる。

紹介したいのは立川反戦ビラ弾圧(自衛隊官舎にイラク派兵に反対するビラを配ったら住居侵入罪で逮捕・起訴)の無罪判決だ。当然の判決とはいえこの時期 にきちんと当然の判決をかちとった意義は絶大である。共謀罪の成立を阻止し続けているたたかいもそうだが、強固な反戦の意思と粘り強い取り組みが勝利をも たらした事に学び、倦まず弛まず着実な前進をかちとりたい。

2004年12月17日朝日新聞2005年1月12日朝日新聞

(2004年12月17日朝日新聞) / (2005年1月12日朝日新聞)

(ホームページ版調査)

●今号も特に調査対象ボキャブラリーは見当たりません。から「亀」の画像を追加しました。

亀さん亀さん:  (調査&ホームページ版アレンジ=tyo)

大井町のYさんから

休載

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ニュースNo.195(2004年12月15日発行)

 

タイトル 無実の富山さんの再審無罪をかちとる会ニュース ●ニュースNo.195(2004年12月15日発行)◎証拠開示を! 弁護団が上申書を提出
< 新聞報道から> 大崎事件の再審開始決定取り消し

大井町ビラまき報告

「大崎事件」の再審開始決定(鹿児島地裁)の

取り消し(福岡高裁宮崎支部)を弾劾する

富山再審の実現で逆流をはね返そう

来年もよろしくお願いいたします

□証拠開示を!

 弁護団が上申書を提出

十一月二日、富山再審弁護団は、富山さんの再審(異議審)を担当している東京高裁第四刑事部に対し、証拠開示を求める上申書を提出しました。
この間、弁護団は、未開示の証拠を開示をするよう検察官に対し要求してきましたが、検察官は頑(かたくな)に証拠開示を拒否し続けています。弁護団は、 この上申書において、検察官に対する証拠開示命令もしくは勧告を行うよう東京高裁に強く求めています。
上申書は、富山再審における証拠開示の重要性、必要性について全面的に展開されているので、以下、紹介します(掲載するにあたり、一部省略しました。また、名前の一部について仮名としています)。

第1(略)

第2 本件における証拠開示の重要性

本件において証拠開示を行うことが、不可欠であることはこれまで繰り返し述べてきたところであるが、以下、弁護人らが開示を求めてきた各証拠のうち主要なものについて、開示の重要性を再度詳論する。

 1 目撃者の供述調書および捜査報告書

(1) 開示の重要性
確定判決によれば、本件については約40名の目撃者がおり、そのうち供述調書を作成した者が34名、写真面割りを行わせた者が26名あったとのことであ る(確定判決5丁)。そして、写真面割りにおいては、26名のうち11名が請求人の写真を抽出し、数名がHの写真のみ、または同人の写真と他の者の写真を あわせて抽出した(同)。ところが、本件で証人として出廷し、あるいは供述調書が開示された目撃者はわずか7名のみである。目撃者の中には、請求人を犯人 として選別しなかった者も存在するにもかかわらず(現に、弁護人らが独自に事情聴取を行ったK、Kyの両名は、「指揮者」について、請求人と明らかに異な る容貌を述べている)、それらの者の供述調書および捜査報告書(以下、「供述調書等」という)は一切公になっていない。それはなぜなのか。なぜ7人が選ば れたのか。
目撃条件の良し悪しということを考えるならば、Yは岩永省一と一緒に現場付近におり、ほとんど同一の条件で本件を目撃している。視力の点で問題のある岩 永に比べれば、むしろ目撃条件はよかったとも言えるだろう(もっともYの当時の視力は証拠上明らかになっていない)。さらに、目撃直後に岩永とYが指揮者 の顔について話し合ったとする岩永の供述がかりに事実であるとするならば、供述聴取時の記憶の保持の程度についても、Yが岩永に劣るとは考えづらい。ま た、KとKyは、大井秀夫の運転するタクシーに乗客として乗り合わせて、本件を目撃しており、両名と大井との間に目撃条件の差違はほとんどない。そして、 大井の供述が捜査、公判段階を通じて変転を繰り返しているのに対して、Kは、弁護人らの複数回にわたる事情聴取に対して、一貫した供述を行っているのであ る。
このようにして見ると、検察官が多くの目撃者の中から7名を選別したことには、公正な裁判の実現という観点から見た合理的な理由、基準が存在していると はとうてい言えない。そして、検察官は、再三の弁護人らの求めにもかかわらず、7名以外の目撃者の供述調書等の開示をかたくなに拒み続けてきた。こうした 経過からすると、検察官は、請求人を指揮者とする自己の仮説を立証するために、多くの目撃証言の中から、自己に都合のよいもののみを恣意的に選別し、都合 の悪いものは隠してしまっているものとしか考えられないのである。
本件における目撃証言の信用性を判断するためには、すべての目撃者についての供述調書等が開示され、それぞれの供述の内容、目撃条件等を詳細に吟味し、 相互に比較を行うという作業が行われることが不可欠である。そうした作業が行われない限り、検察官による恣意的な証拠の選別という疑念は払拭し得ない。請 求人を犯人ではないとする供述が存在する以上、その供述の信用性も吟味した上で、検察官の選別した7名の供述の方がより信用性が高いということが確認され なければ、7名の供述を請求人を有罪とするための根拠として用いることはできないはずである。他の目撃者の供述調書等を未開示のまま放置することは、真実 の究明のために不可欠な作業を放棄することであり、正義に反することでもある。

(2) 個別の証拠について
証拠開示をめぐるこれまでの検察官との交渉の過程において、いくつかの証拠についてはその存在が具体的に明らかとなっている。前述のとおり、本件におい ては、すべての目撃者についての供述調書等の開示が不可欠であるが、現在弁護人が把握している範囲内において特に重要であると思われる二、三の証拠につい て、その特質を述べる。

①Yの供述調書

1998年9月の検察官との折衝において、検察官が存在を認めた。
Yは、本件で「最も良質の証人」(確定判決38丁)とされた岩永省一の同僚であり、本件犯行当時、岩永と一緒に現場付近で犯行を目撃している。
原決定は、岩永の視力と目撃距離につき、確定判決が誤った認定をしていることを裏付ける証拠があると認めている(原決定17頁)。目撃証言の信用性を判 断するにさいし、目撃者の視力と目撃距離とはきわめて重要な要素である。その点に関する前提が崩れたのであるから、岩永の供述の信用性については、改めて 慎重な判断を行わなければならない。まして、岩永の当時の視力と目撃距離では人物を特定することはできないとの鑑定書も存在しているのであるからなおさら のことである。前提となる目撃条件が異なる以上、確定判決において採用した材料のみで、岩永の供述の信用性を安易に肯定することはできないはずである。そ して、岩永供述の信用性を判断するにあたっては、ほぼ同一の条件で本件犯行を目撃したYの供述内容との比較を行うことがきわめて有益である。
また、岩永は、目撃直後、Yと指揮者の風貌について話し合ったと供述している。原決定は、この事実をもって、岩永供述の信用性の根拠のひとつとしている のであるが(原決定18頁)、上記のように安易に信用性を肯定すべきでない岩永供述について、その信用性を肯定するための根拠として用いるのであれば、少 なくともYの供述調書を開示させることにより、直後に話し合ったとする岩永供述の内容の信用性を裏付けることが要求されるであろう。この点でも、Yの供述 調書の開示は不可欠である。
なお、Yはすでに死亡しており、供述調書の開示によってしか、当時の供述内容を確認することができないため、開示の必要性はきわめて高い。

②K、Kyの事情聴取報告書

このうちKyの事情聴取報告書については、1998年9月の検察官との折衝において、検察官がその存在を認めている。
Ky、Kの姉弟は、大井秀夫のタクシーに乗客として同乗し、同人とほぼ同一の条件で本件を目撃している。大井の供述は、前述したとおり、捜査、公判段階 を通じてきわめて変遷しており、一審における反対尋問期日だけでも11回を数えるという異常な状況を示している。こうした同人の供述の信用性については、 それを慎重に吟味すべきことは言うまでもない。K姉弟の事情聴取報告書の内容と大井の供述とを比較することにより、大井の目撃当初の認識内容や、その後の 供述変遷の背景を推測することが可能になる。
また、ことにKは、その人格的信頼性、知力の高さ、目撃条件などの点で、さらに弁護人らの事情聴取に対する供述内容の合理性、一貫性、迫真性といった点においても、まさに第一級の目撃証人であり、その証拠価値はきわめて高い。
なお、Kyも、Y同様すでに死亡しており、事情聴取報告書の開示以外に当時の供述内容を確認することはできなくなっている。

 2 請求人の逮捕写真

各目撃者が目撃した指揮者と請求人との同一性判断の是非を検討するためには、本件発生当時の請求人の容貌を正確に確認しておくことが重要である。かりに 目撃者が、ある時点における請求人の容貌と合致する容貌を供述していたとしても、本件発生当時における請求人の容貌がそれと著しく異なるものであったなら ば、その目撃者は請求人を指揮者として識別していたものとは言えないだろう。そして、本件発生当時の請求人の容貌を確認するために最も有用なのは、本件発 生当時に近接した請求人の本件での逮捕写真を確認することである。
本来、逮捕写真は、目撃者の供述調書に添付されるなどするのが通常であるが、本件ではどういうわけか本件での逮捕写真が公になっていない。本件での逮捕 写真については、2001年3月の検察官との折衝の中で、検察官が存在を認めたが、開示による弊害がまったく存在しないにもかかわらず、検察官は開示を拒 否した。逮捕写真のような基本的なものすら開示しないという検察官のきわめてかたくなな姿勢は、検察官の手元に請求人にとって有利な証拠が存在しており、 何としてもそれを隠し通さなければとの強固な意志をうかがわせるのである。

 3 前進社の出入りに関する捜査記録書類、尾行に関する捜査記録書類

本件当時、警視庁は、いわゆる過激派に対する情報収集活動の一環として、中核派の拠点である前進社に出入りする者を監視し、また、中核派のメンバーを追 跡尾行しており、これらの捜査に関する報告書等の捜査記録書類が存在するものと思われる。このうち前進社の出入りに関する捜査記録書類については、一審担 当検察官が、弁護人との折衝のさい、その存在を認めていた。
本件においては、アリバイに関連して、本件犯行前後の請求人の行動がひとつの争点となっているが、上記の各捜査記録書類は、まさに請求人の行動を記録し たものであり、アリバイに関する第一級の証拠となり得るものである。このような直接的かつ重要な証拠がなぜ開示されないのか、はなはだ疑問である。

第3 公判未提出記録等の目録の開示

弁護人らは、2003年10月24日付で、公判未提出記録の全部の目録の開示を検察官に対して命令もしくは勧告されたい旨の申立を行った。その必要性に ついては、同日付の申立書記載のとおりである。要するに、従前の裁判例は、弁護人から、具体的必要性を示して、開示を申し入れることを証拠開示命令の前提 としているところ、検察官の手元にいかなる証拠が存在するのかすら不明な状態では、弁護人において、開示の具体的必要性を示すことは不可能もしくは著しく 困難であり、結局のところ、証拠開示はほとんど実現されず、ひいては再審制度の実効性そのものが損なわれてしまうということである。
再審制度の存在意義を有名無実化させないために、前記の各証拠と合わせて、公判未提出記録等の目録についても、検察官に対し、開示を命令もしくは勧告されたく重ねて上申する次第である。

第4  結語

弁護人らは、再審請求直後から、一貫して証拠開示を求め、再三裁判所に対して申し入れを行ってきた。しかしながら、証拠開示に関して裁判所から働きかけ がなされることもなく、証拠開示請求に対する判断すらなされないまま、再審棄却決定が下されてしまった。本件において、公正な判断をなすにあたり、証拠開 示を行うことが不可欠であることは、前述のほか、異議申立書の55頁以下などで、これまで繰り返し述べてきたとおりである。証拠開示を行わないまま再審請 求を棄却した原決定は、当然なすべき職責を放棄したのであり、これはきわめて不当というばかりでなく、適正手続を保障する憲法31条に違反するものであ る。本異議審においては、すみやかに検察官に対し証拠開示を行わせ、適正手続を保障し、公正な裁判を実現されたい。

□新聞報道から
大崎事件の再審開始決定取り消し

十二月九日、福岡高裁宮崎支部は、再審開始を認めた鹿児島地裁決定を取り消し、請求を棄却する決定を行った(十二月十日付朝日新聞記事参照)。
新聞報道によると、再審請求を行った原口アヤ子さん側の主張を全面的に退けたとのことである。さらに、鹿児島地裁の再審開始決定について、「確定判決の 安定を損ない、三審制を事実上崩すことになる。現行の刑訴法とは相いれない」としている点は、無辜の救済を目的とした再審制度を根底から否定するものであ り、断じて許すことができない。今後、公刊物等で決定内容が入手できしだい、詳しく述べたいと思う。

2004年12月10日再審決定とりけしを報ずる新聞記事

 

大井町ビラまき報告

 またまた登板である。しかし、負けたわけではない。今回は、ビクトリーロードからの登場である。

亀・・・・・5
うり美・・・4
山村・・・・4
富山・・・・6

今日はやる気である。開始前から「今日はやるぞ」と宣言。しかし、誰も「ああそうですか。がんばってください」という受け取り方しかしていないのが、ありありとわかる。いまにみておれ。
午後4時半開始。開始直後に、うり坊にはやくも署名者1名。10分たっても私からビラを受け取る人がいない。本当に一人もいない。こんなことは初めてだ。少し焦る。

 5時。うり2名、山村2名、私ゼロ。亀さんは離れていてわからないが、ゼロということはあるまい。なんということだ。だが、ここであわててはダメだ。まだまだ、これからスパートして抜き返せばよい。
ついに高齢の男性一人が立ち止まった。高齢者三人連れの右代表である。それはありがたいのだが、縦書きの署名簿に横書きで書き始めるではないか。仕方ない、人様々だ。こういうこともある。
つづいて、また一人高齢の男性が立ち止まって署名。さらに今度は中年の男性が説明に納得して署名。これで3名だ。勢いがついてきたのはよいが、男ばかりである。

と思ったら、女子高生5人の集団の一人がビラを受け取り署名するではないか。「17歳」である。今日はよい日だ。もっとよいことに、署名した女子高生が 呼びかけたらしく、5人のうちの一人が戻ってきて「私にもさせてください」と署名するではないか。うり、山村のところでも残りの子たちが署名している。立 派な娘たちだ。素晴らしい。

雪の結晶 事態はそれにとどまらない。これを見ていた若い男性が「私もします」と寄ってきた。年齢は「32歳」とある。これで平均年齢がぐっと若返った。
5時半をややオーバー、署名簿も2枚目に入ったところで、ノーサイドである。さっそく話題は女子高生のことで盛り上がる。女子高生曰(いわ)く「裁判 所ってチョーうざくない」の真似はうりの独壇場である。おじさんはただひたすら「女子高生、女子高生」とうわごとのようにくりかえすだけである。
結果が良かったので報告は私が書くことにする。うりも山村も自分が書かなくてよいので「異議なし」と異論はない。
よかった、よかった。次回もがんばらねば。 (とみやま)

(ホームページ版調査)

●今号は特に調査対象ボキャブラリーは見当たりません。

●雪の結晶カット:ですが、ニュースの印刷物7ページ右下余白は印刷では表示されてなく余白に見えてしまってます。ここでお届けいたします。よかった、よかった。

うり坊(No.194参照)

(調査&ホームページ版アレンジ=tyo)

大井町のYさんから

休載

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ニュースNo.194(2004年11月15日発行)

 

タイトル 無実の富山さんの再審無罪をかちとる会ニュース ●ニュースNo.194(2004年11月15日発行)◎法と心理学会・目撃証言ガイドライン
紹介『取調室の心理学』

大井町ビラまき報告

あなたの署名が再審の扉を開きます 大山(鳥取県)

「法と心理学会・目撃証言ガイドライン」

一〇月一六日から一七日にかけて、東京・日本大学において、「法と心理学会第五回大会」が開催された。
第一日目のワークショップで「目撃供述ガイドラインの刑事実務現場への提唱」と題する企画があり、富山さんとともに参加した。

表紙 法と心理学会第五回大会プログラム この企画で、「目撃供述・識別手続に関するガイドライン(案)」が提起された。
この「ガイドライン」の「はじめに」のところで、「『法と心理学会』では、刑事捜査・裁判においてしばしば問題となる目撃供述の聴取および犯人の識別手 続に関して、科学的により正確で公正な方法を求めるべく、長年にわたって議論を重ねてきた。ここに提案する『目撃供述・識別手続に関するガイドライン』 は、その一つの到達点である」とされているように、一九九九年一二月、慶応大学で開かれた「法と心理学会」設立準備委員会で最初のガイドライン案が提起さ れて以降、心理学者、法学者、弁護士をはじめとする裁判実務家、等々、多く人々の間で、内容の検討が積み重ねられてきたものである。富山再審弁護団も、ガ イドライン検討会に出席し意見を述べてきた。
これまで、日本では、この種の基準として判例等に引用されるのは、富山裁判の確定判決(東京高裁)で提示されている「写真面割りの正確性を担保するため の基準」(「七つの基準」)しかなかった。しかし、この「七つの基準」は、あいまいかつ抽象的なものでおよそ科学的知見とはほど遠いものであり、現実の基 準とはなり得ないものである。富山再審弁護団は、この基準を上告審、再審において痛烈に批判し続けてきた。しかし、残念ながらいくつかの目撃証言を証拠と する判決や論文の中で、この「七つの基準」が肯定的に引用されてきた。
この「七つの基準」に代わるものとして、そして確定判決への批判として、「法と心理学会」が提起する「ガイドライン」の完成を、弁護団も私たちも、当初より待ち望んでいた。
この「ガイドライン(案)」は、「法と心理学会」第五回大会のワークショップでの議論を踏まえたうえで、一二月か来年一月に発行される「法と心理学会」機関誌『法と心理』に掲載される。さらに来年には小冊子として公刊されるとのことである。

「ガイドライン(案)」は、目撃供述・識別手続について、詳細かつ厳格に定義している。
まず、最初に、「1 目撃供述・識別手続全般にかかわる基本姿勢」として、以下の点が提起されている。重要な箇所なので、長くなるが引用したい。

1 目撃供述・識別手続全般にかかわる基本姿勢

目撃供述は、目撃者が「私は事件の現場(あるいはその周辺場面)で、○○の人が△△しているところを見た」というかたちで提示される。これはもちろん事 件捜査(あるいは後の事実認定)においてきわめて重要な意味をもつ証拠となる。しかし一見どれほど明確で、疑いの余地ない目撃供述であるように見えても、 それが提示するのは事実そのものではなく、あくまで事実についての一つの仮説であることを忘れてはならない。そこには種々の誤謬の可能性がひそむ。目撃供 述が指し示す仮説を事実として認定するについては、考えうるその他のあらゆる仮説が明確に排除されるのでなくてはならない。つまり目撃供述についてあくま で仮説検証的な姿勢をとることを基本原則とするべきである。この仮説検証的な姿勢を堅持するために、次の諸点を守らなければならない。

1―1〈全手続過程の厳正化〉

目撃供述が聴取される過程、また被疑者との同一性識別の手続過程はすべて、誘導・暗示の効果を排除すべく、できるかぎり厳正化されなければならない。供 述という人的証拠は、物的証拠と違って、聴取者の質問の仕方、取り調べや手続の状況によって左右されやすい微妙な証拠である。とりわけ容疑者を絞り込んで 後に、その容疑を固めるべく証拠集め(有罪を示唆する証拠を選択的に収集する)するというような発想はきわめて危険であることを心得ていなければならな い。供述の聴取や識別手続という証拠収集の過程そのものが仮説検証であることを銘記するべきである。

1―2〈全手続過程の可視化〉

目撃供述が聴取される過程、また被疑者との同一性識別の手続過程のすべてが、後に仮説検証的検討を受けるように可視化されなければならない。供述聴取や 識別手続に入り込む誘導・暗示の効果は、微妙なものであるだけに、目に見えるかたちでの客観的記録が必須である。

1―3〈全手続過程の記録開示〉

裁判において目撃にかかわる事実認定に争いが生じたときは、目撃供述が聴取された過程、また被疑者との同一性識別の手続過程にかかわる証拠がすべて開示され、検討の資料として当事者に提供されなければならない。

この後、「ガイドライン(案)」は、以下の項目について詳細に規定している。

2 供述聴取手続
2―1供述聴取手続の基本条件
2―2供述聴取の手順
2―3供述及び供述聴取過程の記録

3 識別手続=他の証拠によって被 疑者が特定されている場合
3―1識別手続の方法
3―2ライブラインアップ
3―3ビデオラインアップ
3―4写真ラインアップ

4 写真面割手続=被疑者が特定さ れていない場合
4―1写真帳の作成
4―2実施者
4―3教示
4―4実施者の態度
4―5選別不能のとき
4―6選別前の確信度
4―7記録
4―8ライブまたはビデオラインアップ手続への接続
4―9写真ラインアップへの接続の禁止

5 供述聴取・識別手続の特則
5―1目撃者が既知の人物を目撃したという場合
5―2目撃者が複数存在する場合

6 目撃者の心理特性を考慮しなけ ればならない場合
6―1目撃者が子ども、知的障害者である場合
6―2目撃者が視力や聴力に障害をもつ場合
6―3被害者による犯人目撃供述

この「ガイドライン(案)」にも、「ここで私たちが提起するガイドラインのなかには、現在の捜査実務からは大きくかけ離れている ものも少なくないが、いずれも科学的に根拠をもっており、諸外国ではその実務規範として現実化しているものである。その意味でわが国でもこのガイドライン が、文字どおりに今後の捜査の『指針』となることを望みたい」とあるように、「現在の捜査実務から大きくかけ離れている」点について、「このように厳格な ガイドラインが果して日本の捜査において使われるかどうか」という議論は前からあった。富山再審弁護団でも、「現在の捜査とかけ離れている」「現実的でな い。捜査側は使わないだろう。実際の捜査で使われなければ意味がない」という意見もあった。ガイドラインを作成する過程でも常に問題になったようである。
こうした意見に「法と心理学会」のワークショップで、浜田寿美男先生は次のように説明されていた。
「予防的にチェックをしようということで作成した。その結果として、捜査の実務から離れたものになることは否めない。今の日本の捜査に用いられないので はないか、用いられないようなものでは意味がないのではないかという批判もあった。しかし、今の捜査手続きが続いたとしても、これを打ち立てることによっ て、今の捜査のあり方を批判する基準ができる。一定のベースの上で議論ができる。このガイドラインを弁護士が裁判の場面とかでどんどん使ってほしい。それ によって裁判所の認識も変わっていく」「捜査実務との乖離が言われるかもしれない。捜査実務にすぐに使われるとは思わない。公判で、ガイドラインに照らし てこういう問題があると指摘でき、それを裁判所が認識すれば、それによって捜査の実務も変わっていく可能性がある」「もちろん、捜査実務に携わっている 人々にも売り込んでいきたい。」

欧米、特にイギリスでは、犯人識別供述の取り扱いに関するルールは厳格に決められ、実際に捜査でも使われている。この点、日本は 大きく遅れている。「司法改革」の議論の中で、捜査の可視化と証拠開示については、検察庁が強硬に反対している現実がある。捜査の可視化と証拠開示がなさ れれば、今あるえん罪の多くがなくなると言われているにも関わらずである。「法と心理学会」という学会の名前で公式に「ガイドライン」が提起されることは 重要である。
「今の日本の捜査に用いられないようなものでは意味がないのではないか」という意見も考慮しなければならないが、しかし、この「ガイドライン」は日本で 最初の、科学的知見に基づいた総合的なガイドラインとなる。厳格で詳細なものになるのはやむを得ないのではないかと思う。浜田先生が言われるように、むし ろ、実際の裁判の場などで、今ある現状をこのガイドラインの地平にいかに近づけていくかという課題に取り組んでいくことが重要なのだと思う。九月号の ニュースで紹介した、目撃証言の信用性が争点となった事件での大阪地裁判決(4月19日付)を書くような裁判官を、裁判の場を通していかに増やしていくか だと思った。それがひいては捜査のあり方を変えることにもつながっていくのではないだろうか。「ガイドライン」ができたことは大きな一歩だと思う。(山 村)

 

紹介『取調室の心理学』

(浜田寿美男著・平凡社新書・700円)

『取調室の心理学』浜田寿美男著・平凡社新書 富山再審事件で、発達心理学・法心理学の立場から目撃者の供述変遷につき鑑定書を提出している浜田寿美男先生が、このほど『取調室の心理学』(平凡社新書)という本を刊行した。以下、感想を交えながら紹介したいと思う。

「なぜ被疑者・被告人はやってもいないことを『やった』と言ってしまうのだろうか。なぜ私たちはその『嘘』を見抜けないのだろうか」 (まえがきより)。この率直な疑問に、本書は無罪をかちとった免田事件、現在も再審請求を続けている帝銀事件等を中心に、いかに被疑者・被告人が自白に追 い込まれていくかを分析している。
八海事件の被告とされた阿藤周平さんは、この自白に追い込まれていく過程を幾度となくこう語っている。「真実だったら、その真実を守って、警察の拷問に うち勝つ、それが一番いいんです。だけどそれができない。それは、実際に、この身に激しい拷問を受けた人じゃないとわからないんですよ。その時に誰も味方 をする人がいないんですよ、壁の中で」
そして、横浜事件の被告とされた青地晨さんも自身の著書で「生ま身の人間は、その息のつまる密室の中での拷問は耐えられない。私は拷問に崩れた自分を恥 しいとは思うが、もう一度、同じ条件の下で拷問された場合、こんどは立派に耐えてみせるという確信を私はもっていない」
味方が誰一人いない取調室という密室の中で、拷問ではなく精神的な圧力があるだけでも、かなりの圧迫感を感じるのだろう。これは経験したものにしかわからないのかも知れない。
そして、浜田先生が本書で「平沢さんが、自白に落ちたのは、まさに取調室のなか」「目撃者たちの供述が取られたのも、また取調室のなか」だったと紹介し ている帝銀事件は、自白に追い込まれていく過程、目撃供述が変遷されていく過程を克明に分析している。その上でこう警告する。「自白に落ちていく過程も、 目撃供述の形成のされ方も同じなのです。捜査官が抱いた『証拠なき確信』に引きずられて、断固として否認する被疑者もやがて自白に追い込まれ、当初は似て いるかもわからなかった人物が、やがて『似ている』ということになっていく。あるいは似ていると思ったという程度の人が『同一人物』だと断定されてい く。」
富山事件に即して言えば、法廷に出廷した目撃者達は当初、富山さんと全く違う人物像を述べていた。にも関わらず、幾度となく調書を取られ面通しをされることによって、当初目撃した犯人像が徐々に富山さんの容貌に変遷していく。
「記憶は写真のように像として頭に焼きついているわけでは」ないから、「『これが犯人の顔だ』というかたちで事後に報道されるものが、知らず知らずに元 の記憶像の上に刷り込まれてしまうようなことがありはしないか。このことも問題」だと本書は指摘している。「取調べの場には目に見えない強力な磁場が働い ていて、その磁場に引きずられるようにして自白調書が作られ、目撃供述調書が作られてい」る。「その取調室の謎を暴かないかぎり、冤罪がこれからもあちこ ちで起こりつづけることを防ぐことはでき」ないと。
多くの冤罪事件は、密室で行われる取調室で起きている。もし、取調室の中にビデオが設置されていたなら、被疑者、被告人は、ここまで嘘の自白をすること があるだろうか。目撃者供述がこうまで変遷することがあるだろうか。仮にあったとして、ビデオや録音テープがあるならば、取調室で作られる虚偽の自白調 書、虚偽の目撃供述には一つの歯止めにならないだろうか。さらに後に検証することができるのならば、冤罪で苦しむ人が冤罪を晴らす一つのきっかけにならな いだろうか。再審事件においても、これほどまで「開かずの扉」といわれることもないのではないか。
今、刑事裁判の場では、捜査の可視化と証拠開示が強く求められている。すでにイギリスではえん罪をなくすため、ビデオ撮影や録音によって捜査を可視化す ることを行なっている。しかし、日本では1998年、国際人権規約委員会から証拠開示と捜査の可視化を行なうように勧告を受けているにもかかわらず未だ実 現されていない。冤罪の温床を作り出す捜査のブラックボックスと警察・検察の証拠開示に対する非協力。冤罪が作り出される過程を考える時、これからの司法 改革にも注目していかなければならない、と本書を読みながら思った。(うり美)

cat on the zabuton

大井町ビラまき報告

亀・・・・3
富山・・・1

今日は、亀さんとの一騎打ちである。うり坊も山村も、いろいろあって、巌流島にたどりつけなかった。

やせた武蔵と太った小次郎の対決が幕を切って落とした。下馬評は論じるまでもない。だが、勝負はやってみなければわからない。

線路をまたぐ橋を挟み、時々、ちらちらと様子をうかがいながらビラを渡す。あいかわらず、ビラのはけ具合だけは圧倒的に私が優る。亀さんもまだ署名はとれていない。
午後4時半開始、現在5時。亀さん1名(のようだ)、私ゼロ。いつもほど差は付いていない。緊迫の死闘戦である。と思っているのは私だけで、案外亀さん は悠然と構えているだけかもしれない。30メートルくらい(この距離があてにならない。なにしろ狭いところに20年弱閉じこめられていたので、距離感がお かしくなっている。運動部時代はタッチの差を競うとあって正確につかめたのだが、こうなってはおしまいだ。困ったものである。人間も「飼育可能な動物」を 身をもって実感させられる)離れているので、表情までは窺えない。いずれにせよ僅差だ。
ついに一人、私よりは若い、しかし明らかに中年の女性が立ち止まった。関西弁の快活そうな「おばちゃん」だ。説明開始。感じがいい人なので、つい話し込 んでしまう。「全学連?知らんわ」「全共闘なら知っとるよ」「30年前やったら、まだこっちに来とらんわ。どういう事件なん」「10年も刑務所におった ん、大変やったね」「なんで再審するん」率直な質問がつづく。こちらの説明ときちんとかみ合った会話になっている。結局、ビラを読んで、じっくり考え、納 得したうえで署名することになった。もっともだ。多分、次に出会ったときは署名してもらえるだろう。この時間帯にまたやろう。
亀さん、複数獲得の気配。まずい。ここで離されてなるものか。
男性一人立ち止まる。見た顔だ。
「オーッ、ひさしぶりだな、どうしてる」「11月7日の日比谷野音での労働者集会で会おう」
結果は冒頭にあるとおりである。いつもの「比較の対象にあらず」に比べれば善戦を通り越してほとんど引き分けも同然と言えなくもないが、負けは負けだ。潔く敗北を認めよう。亀は強かった。(とみやま)

(ホームページ版調査)

●写真は、”宮本武蔵生誕の地大原町”のホームーページ内「2001武蔵まつり– ”観光寸劇 決闘巌流島”の公演」 より

●「関門海峡に浮かぶ巌流島」に関する詳しいホームページです。大観光地になっているようです。

うり坊:いのししの子のことをそう言います。

(調査&ホームページ版アレンジ=tyo)

大井町のYさんから

休載

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ニュースNo.193(2004年10月15日発行)

 

タイトル 無実の富山さんの再審無罪をかちとる会ニュース ●ニュースNo.193(2004年10月15日発行)◎再審動向・袴田再審・北海道庁爆破事件再審
また過ちをくり返すのか
長野県警がまたもでっち上げを策動

大井町ビラまき報告

袴田再審・即時抗告棄却決定を弾劾する 再審署名にご協力ください

【再審動向】

私の再審は、現在、東京高裁第四刑事部に係属し異議審がたたかわれています。あらゆる集まりに参加しては富山再審を訴えさせてもらっているのですが、まだまだ力不足を痛感させられる昨今です。
富山再審、富山無実があらゆるところにおいて、あらゆる人々にとって《常識》になるくらいどこにいっても富山がいて《再審・無実》を訴えているという状態をつくりださねばなりません。そうしたときはじめて富山再審勝利は現実性をもちます。
一日に何歩歩くのか、一年に何足靴を履きつぶすのか、この勝負です。血相を変えて、異議審勝利を訴えてまわらねばなりません。
みなさんのいっそうのご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
以下、ふたつの再審の動向を紹介します。

袴田事件再審請求即時抗告棄却決定を弾劾する

 8月26日、東京高裁第二刑事部は即時抗告を棄却する決定を行いました。断じてゆるせません。
袴田事件は明らかにえん罪です。事件の概要をながめただけで袴田さんが犯人とするのは無理だとわかります。
決定の全文を読んでいないので全面的な検討・批判はできませんが、浜田寿美男さんの鑑定にふれた抜粋を目にすることができましたので、私なりの感想を述べさせていただきます。

少し長くなりますが、決定は浜田鑑定について

浜田鑑定は、心理学者としての多年にわたる経験と心理学的方法とを駆使して、請求人の自白や関係証拠を分析し、請求人の自白調書 は、単に信用できないというに止まらず、むしろ請求人が真犯人ならば必ず知っているはずの事実を知らない、という意味で、請求人が「犯行について無知」な 者であって、請求人が積極的に無実であることを示している旨を明らかにしているものである。 すなわち、本鑑定は「秘密の暴露」が自白の真実性を裏付ける と同様に、「無知の暴露」が、被告人や再審請求人の犯罪内容に関する「無実」を裏付けることを明らかにした上で、請求人の自白調書を検討したところ、同自 白調書は、請求人が犯行に関する体験的記憶を有していないにもかかわらず、捜査官の執拗な追及にあって、犯行を認め、それまでの取調べの経緯において捜査 官から提供された情報に基づいて、犯行の貧しい想像力を働かせて推測、創作して供述したものであり、捜査官は時間的制約等のため請求人の供述を吟味しない ままとりあえず調書を作成し、後に証拠資料と照らし合わせて矛盾する部分を追及し、請求人がそれに応じて次々と供述内容を変遷させて行った過程にほかなら ないことを明らかにしているものである。

としたうえで、

浜田鑑定は、真犯人は、嘘を交える合理的な理由がない限り、自白する以上は「全面自白」をするものであることを前提とし、これと 無実の者の虚偽自白とを対比しているところ、真犯人の自白供述は嘘を交える合理的な理由がない限り、すべて全面自白であるなどということは、現実離れした 想定であるというほかない。

としています。これこそ卑劣なやりかたというものです。
浜田鑑定が述べているのは「問われている犯罪についてそれを自分がやったと全面的に認めたうえで、その犯行内容の個々の現実と齟齬する供述があるとき は、その齟齬について必ず何らかの理由がなければならない」ということであって、袴田事件に即していえば、「袴田さんは、深夜専務宅に侵入し、4人を刺し 殺し、金を奪って、油を撒いて火をつけたという〈住居侵入・強盗殺人・放火〉の全犯行を自分のやったこととして認めた。これを全面自白だと言わないものが いるだろうか」「そのうえで袴田さんは犯行動機その他で、犯行供述をずいぶん変遷させている。そのなかには単なる間違いと解釈しうるものもあるが、そう解 釈できないもの、つまり意識的な嘘と言わざるをえないものもたくさんある。その嘘については必ず何らかの理由があると考えるのは当然のことである」「さら にはおよそ全面自白した真犯人が嘘をつく理由がない部分について、現実とはっきり食い違う供述がある。これについて合理的な理由を提示できないならば、そ こに無実の者の虚偽自白を疑うべきである(無知の暴露論)」ということです。棄却決定は、浜田鑑定の趣旨を意識的に曲解し、都合のいい言い逃れをしている にすぎません。恥ずかしくないのでしょうか。
そして、

浜田鑑定は、本来、裁判官の自由な判断に委ねられるべき領域(刑訴法318条参照)に正面から立ち入るものであって、およそ刑事 裁判において、裁判所がこのような鑑定を命じるとは考えられないのである。その意味で浜田鑑定については、そもそもその「証拠」性にも疑問があるといわざ るを得ない。

と言っています。
事実認定は裁判官の専権事項だ、自由心証主義は葵の印籠だ、ということです。本音はここにあります。浜田鑑定の指摘に正面から応えられないというだけで なく、刑事裁判・事実認定に科学的知見など導入する必要などないということを四苦八苦しながら言い切っているのです。浜田鑑定の威力のまえに、従来の「ひ とつの見解にすぎない」という一言では言い逃れられなくなって論じようとしたばっかりに馬脚を現したということだったらいいのですが、司法改悪、裁判員制 度、刑法改悪等という〈刑事裁判の死〉に対応した反動的踏み切りの始まりなのではないかと危惧しないではいられません。じっさい、最近は事実認定にあたっ ても厳格な立証などかえりみられないできわめてあやふやな状況証拠の積み重ねによる「有罪」が跋扈しています。
いずれにせよ、浜田鑑定の威力はますますはっきりしました。それと同じくらい裁判を取り巻き、監視する広範な人民の目、声、決起が必要だということもま すますはっきりしました。不正義を憤るあらゆる人々と手を携え、粘り強く、意気軒昂とがんばりましょう。

北海道庁爆破事件再審請求審

 1976年3月の北海道庁爆破事件で死刑が確定し、現在札幌拘置支所に拘置されている大森勝久さんの再審請求審について、注目すべき記事が北海道新聞(9/30)に載っていたので紹介します。
記事によれば、大森さんの居室のカーテンや敷物などから爆弾材料となる除草剤の成分を検出したとの鑑定書を作成した事件当時の北海道警察犯罪科学研究所 の職員に対する証人尋問が行われたそうです。この鑑定書が死刑判決の決め手になったそうですが、証人尋問で元職員は①これまで鑑定作業は「十日以上かけ た」と証言していたのに尋問では「一日で終えた」と答えを変えた②除草剤検出に使用した水溶液は「二〇〇ccを一〇ccに濃縮した」としていたが「二〇 ccを七ccに濃縮した」と述べた―など、一、二審で自ら語った証言内容を次々に否定したそうです。
より詳しく言えば、元職員は「カーテンや敷物などの表面を脱脂綿でぬぐって水の中でもみ出し、あるいは押収品を水に浸して二〇〇ccの溶液をつくり、 ビーカーで一〇ccに濃縮」そのうえで「鑑定は午前九時に開始、午後二時半にカーテンや軍手などから(爆弾の材料の除草剤が付着していたことを示す)塩素 酸ナトリウムを検出したと報告した」と語っていたのに対して、弁護側が「公判で示された手法では時間が足りない。そんな短時間での濃縮は不可能」と指摘 し、北大助教授の実験結果を提出。これに対し、元職員は尋問で過去の証言をことごとく覆したが、手法は違っても、なぜ同じ鑑定結果が可能なのかについて答 えていないということのようです。また、「塩素酸ナトリウムの成分検出のため、カーテンの裏地やビニールシートを切り取り、水に浸した」としていたが、鑑 定後に撮影された押収品の写真では、ビニールシートやカーテンが切り裂かれた様子がない点について「ビニールシートは切っていない。切ったのは上司で、鑑 定の翌日だった」とし、さらに「押収品三十七点のうち三点を先に鑑定した」を「顕微鏡所見も含め、午後二時半までに三十七点の押収品すべての鑑定を完了し た。延べ二百以上の成分鑑定も行った」「すべての鑑定について四回以上の実験を繰り返した」と十日以上かけて三十七点を鑑定したとする証言を撤回したうえ で、鑑定の正確さを強調したそうです。しかし、逆に「たった四時間半で、二百以上もの成分鑑定や顕微鏡観察ができるのか」という新たな疑惑が浮上している そうです。
大森さんの一刻も早い再審無罪・釈放をかちとらねばなりません。 (富山保信)

花

また過ちをくり返すのか

―都教委、中・高一貫校で扶桑社版歴史教科書を採択

  8月26日、東京都教育委員会は来春開校する都立の中高一貫校である白鴎高校附属中学で使用する歴史教科書に、扶桑社版を採択しました。ご存知の通り、扶 桑社版教科書は「新しい歴史教科書をつくる会」の主導で編集された日本のアジア侵略を開き直り、正当化するために歴史の偽造を重ね、戦争を賛美し、戦争へ の道を開くものであると多くの人々の指弾を浴び、採択率が0・1パーセントにも満たないものです。それを、都教委は秘密裏に任命した教科用図書選定審議会 の調査研究資料をもとに、5分あまりの審議で採択してのけました。審議会は、メンバーも審議内容も調査研究資料も公表されていません。
さらに、杉並区教育委員会は、区立の44の小学校、23の中学校、1養護学校の校長が求める教師像を公表して賛同した教員が応募する公募制度を、来年度 から導入する方針を決定しました(9/21朝日新聞夕刊)。「教え子を再び戦場に送らない」教育労働者を排除し、侵略教育の権化となる御用教師の選別採用 の宣言にほかなりません。
すでに、小泉政権は憲法を踏みにじってイラク侵略戦争の現地に自衛隊の派兵を強行し、公然と憲法の改悪、教育基本法の改悪を唱え、国連常任理事国参入を追及しています。一連の攻撃は、戦争への道を小泉政権と競う石原都政の凶暴さを示すものです。
日の丸・君が代の強制にたいして良心と尊厳をかけて決起した教育労働者たちと連帯し、いまこそ反撃にたちあがりましょう。

【タウン紙に掲載された富山さんのコラムを転載しました】

遠山 秋

 

長野県警がまたもでっち上げを策動

 長野・愛知両県で発生した一人暮らしのお年寄りら4人が殺される事件の遺族の一人が「長野県警から犯人扱いされた」と抗議・弾劾されています。

長野県飯田市で4月27日に自宅で77歳の女性が殺害されているのが発見され、隣家に住む長女の桜井好子さん(51)が「犯人扱いされた」のです。6月 から7月にかけて毎週1回、長いときは午前9時から深夜0時頃まで警察署内で事情聴取と称する取調をうけ、嘘発見器にまでかけられたというのです。さら に、桜井さんの長女が駐在所に連れて行かれ「お母さんに自首を勧めてくれ」などと言われたそうです。真犯人が逮捕された(9月17日)ので事なきを得まし たが、そうでなかったらえん罪事件が増えるところでした。

周知のとおり、長野県警は「松本サリン事件」で河野義行さんを犯人扱いして「反省した」はずなのに、また同じ事を繰り返すところに正体が露呈しています。司法改悪プラスこの警察ではえん罪の絶え間がありません。

カットにかえて(朝日新聞10/2朝刊)

大井町ビラまき報告

 連投である。ということは、勝敗はあらためて言うまでもあるまい。残念である。

枯葉亀・・・・7
山村・・・0
富山・・・0

じゃんけんの結果、富山の負け。私が書くことになった。
紙面のスペースの都合で割愛したが、実は、8月号の山村のビラまき報告の当初の書き出しは

「負けた者に書かせるということで如何でございましょう、お代官様(*1)さすれば、おのずと書くのは・・・」
「フッフッフッ・・・。越後屋(*2)おぬしもワルよのう」
うり美さんに言わせると、署名集めで最下位になった人がこの原稿を書くと決めた時の私(山村)との会話はこのようなものだったという。しかし、思惑はは ずれた。前回、前々回と富山さんは意外にもしぶとかった。しかも、今回は負けた者同士のジャンケンでも負けたということで、またも私がこの欄を書く羽目に なった。

となっていた。代官も越後屋(*3)も返り討ちにしていたのである。
今回は代官と越後屋の奸計にはまってしまった。無念である。次回の必勝を期すほかない。
亀との大差は論じるまでもない。力の相違である。これくらい差がつくと、つべこべ能書きをたれる気もしなくなる。
それにしても、なんであんなに違うのかはきちんと解明しなければならない。あんまり見据えたくはないが、それをやらねば成果はかちとれない。 (とみやま)

(ホームページ版調査)

「禁無断転載」なるホームページもありましたので、語句の関連画像調査の結果は今号ではリンクページも紹介いたします。以下コメント。

(*1)お代官様:  ゲームソフト新作情報 —『悪代官TM』 「ふっふっふっ…お主も悪よのう」の悪代官になれる!のページです!
「 時代劇での悪代官といえば、敵役、斬られ役が相場。しかし、そんな悪代官が正義の味方を倒せるとしたら…そんな思いを実現したのがこのゲーム」(2002 年8月8日発売)—-という説明のプレイステーション2用のソフト宣伝ページです。ゲームソフトの年間総売り上げ額が減少中という世相を実感できる調 査結果でした。このソフトも多分・・・売れなかったとおもわれます。
(表示画像はチョンマゲ占いというサイトの、あなたは・・・お代官タイプという結果で表示されるもの??)

(*2)越後屋: 電通ミュージアム–>電通古今東西広告館–>着る–>商売もPRも上手・越後屋 のページ。(Copyright(C) 1997 DENTSU INC., all rights reserved. 禁無断転載 )だそうで。
(*3)越後屋:三井広報委員会ホームページ–>「越後屋の新商法」(江戸で高利が開いた呉服屋「越後屋」は、数々の新商法により大繁盛しました)
「越後屋」関連のリンクはやはりどこか胡散臭(うさんくさ)いところが散見いたします。

(表示画像は歌川広重 「名所江戸百景 する賀てふ」
(本図はこの揃物の一図。「万現金売(よろずげんきんうり)にかけ値なし」の商法で成功した越後屋呉服店(現・三越百貨店)が両側を占める駿河町の通りか ら遠く富士山を望む。駿河町は、通りに立って南西を望むと真正面ノ富士山を見られるようにとの都市計画がなされており、町名もこれに由来する。画面左側で 大きな風呂敷包みを背負って行く人物は、おそらくは注文の太物を運ぶ越後屋の外売係だろう。右手には天秤棒を担ぐ魚売りも歩いていく。駿河町は日本橋の魚 河岸にも近かった。遥かに望む霊峰富士は、絵巻物を想起させるすやり霞によって仕切られ、遠近感が強調されている。)とか。

(調査&ホームページ版アレンジ=tyo)

大井町のYさんから

休載

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