カテゴリー
NEWS

ニュースNo.215(2006年8月15日発行)

 

タイトル 無実の富山さんの再審無罪をかちとる会ニュース ●ニュースNo.215(2006年8月15日発行)◎集会報告
集会でのアンケート
ヒロシマ行動に参加しました

大井町ビラまき報告

『異議あり!真実を踏みにじった再審請求棄却決定』富山再審集会」は、初めての方多数を含む65名の参加で成功しました。
みなさん、ありがとうございました。

【会場から事件現場が見下ろせます】

【椅子が足りずに、床に座りこむ方も。たいへん申し訳ありませんでした。】

□集会報告

七月八日、「異議あり!真実を踏みにじった再審請求棄却決定」富山再審集会が行われた。
はじめに、龍谷大学法学部中川孝博先生から「再審の現状と富山再審・異議審の課題」と題して講演が行われた。この講演をお願いしたのは、かちとる会として異議審における指針を得たいと考えての事だった。
冒頭、中川先生は「再審についてみなさんご存知でしょうか。証拠構造と全面的再評価と言われてピンとくる方はお手を」と会場に語りかけた。誰も手をあげる ひとはおらずみな苦笑い。「わかりました。説明いたしましょう」と、いきなりホワイトボードを引き寄せ図を書きながらの説明だった。
先生は、再審と再審請求審との違いを説明し、再審請求審では、一体何が求められているのかきちんとおさえておく必要があると強調した。その上で、富山再審・異議審での闘いを次のように語った。
「異議審でどうたたかうべきかという点から考えますと、棄却決定がどういう立場をとってるかというと限定的再評価説的方法をとってなるべく再審の門を狭め ようと解釈できる余地がある。白鳥・財田川決定に対する判例違反であると主張する必要性があるだろう」。しかし仮に「全面的再評価説にたったとしても、無 罪かというと必ずしもその保証はない。全面的再評価説にたったとすれば、どのように証拠評価を裁判官にさせるべきか、そこまで戦略を練ならければならな い」。
また「外在的批判のみでは危険だと思う。もう少し内在的に証拠評価をめぐるコミュニケーションを分析し直して、確定判決自身の弱点を抽出する必要があるのではないか。ツボを押さえた新証拠をつくる必要性がある」とした。
富山事件における証拠構造分析については目撃証人Oの例をあげ、確定判決が証人の供述を信用できるとした根拠に、「1警察官証言、2弁護人の尋問の仕方に 問題がある、3テキスト解釈がある」と指摘した。この「確定判決のツボを崩すという点から記録を精査し直して、新証拠の主張を補強する作業が必要になって くる」のではないかとした。先生は「弁護団が提出された新証拠で本来再審請求が認められて当然だと思う」としながらも「現状に鑑みると、まずは再審請求審 で無罪心証を抱いてもらわなければならない。請求人に対して厳しい状況の中では厳しい準備が必要になるのではないか」と指摘した(次号で講演の反訳を掲載 します)。
これを受けて富山再審弁護団から黒田純吉先生は、「札幌の渡部先生の所に伺ってディスカッションした帰りに考えていた」が「我々ももう一度考え直さなければならない点がある」として「捜査官の供述あるいは捜査の経過に関する分析」をあげた。
さらに今後の闘いについて「闘いは二つある。一つはすでに出された証拠。一審では無罪と判断し二審では有罪とした。なにゆえ反対の判断を受けなくてはなら なかったのか。二つめに、でていない証拠をどのようにださせるか、が重要」だと証拠開示の重要性について強調された。
次に、阿藤周平さんからのメッセージをビデオ上映した。八海事件の主犯とされ死刑、無罪を行き来しながらも無罪を勝ちとった阿藤さんは、司法が二度と同じ 過ちを犯し、冤罪で苦しむ人があってはならないと一九八九年一一月の富山集会以来、支援してくださっている。今回は主治医の判断もあり大事をとって頂き、 ビデオによるメッセージとなった。スクリーンから発せられる「裁判というのは、待つものではなく自分で勝つものなんです」の言葉に身が引き締まる思いがし た。
次にかちとる会の報告で、最初に阿藤さんからのメッセージを読みあげ、前日の申し入れ行動の報告と更なる支援を訴えた。
カンパアピールは、いつもアピールをしてくれる坂本さんに変わって、国賠ネットワークの土屋さんが「私の目の黒い限り富山再審をがんばりたい」と訴えた。会場からのカンパは一六六一〇円だった。ありがとうございました。
最後に、富山さんから「この闘いは展望があるし、勝てると思ってますし、絶対勝ちたい。勝つまでやめるつもりもありません。必ず勝てると信じてます」と最後まで闘い抜く決意を表明し、集会は終わった。
この集会で感じたのは、再審に限らず裁判は相手の土俵で闘わざるを得ないということだ。そんな中、運動は手探り状態でも諦めることなく、継続していかなけ ればならない。何もしなければ、何も始まらないし道は開かない。厳しい現実を前に、私達には更なる揺るぎない信念が要求されている気がした。 (うり美)

□アンケートから

私が生きてきた年数だけ無罪を訴え続けているということは、本当に私にとっては信じられないことで、核マル(ママ)、中核なども全くわからないことで、それでもこの事件と関われたことはよかったと思います。(学生/女性/20歳)

今までゼミで裁判資料だけを見て事件を検討してきましたが、今回集会に参加し、いろいろな方のお話を聞くことかできました。資料の上だけでは分からない、みなさんの気持ちや考え、志を知ることができて良かったです。(学生/女性/20歳)

まだまだ私自身、事実など勉強不足なので頑張ってこれからも新たな事実をさがしていきたいと、今日の集会を聞いて思いました。(学生/女性/21歳)

初めて参加しましたが、参加者の多さに驚きました。今回の講演を聴いて証拠開示を求める思いが強くなりました。これからもがんばってください。(学生/女性/21歳)

研究者からの視点、実務家からの視点としてテーマをかぶらせて事前に打合せて、議論したらおもしろいと思います。(大学院生/男性/25歳)

中川先生、黒田先生のお話、とても示唆に富んだ重要な御指摘だったと思います。中川先生のお話は、最初はちょっとむずかしい印象でしたが(専門的すぎて、すぐには理解できなかった)、黒田先生のフォローで重要さがわかりました。
阿藤さんのビデオアピール、よかったです。(65歳)

中川教授の話がきわめてよかった。(男性)

①中川先生の講演は専門的で難解でしたが、今後の戦いのツボを示唆して下さり大変勉強になりました。
②地道にコツコツとした「かちとる会」のこの間の活動に敬意を表しますと共に富山氏の完全無罪まで、私も微力ながら共に闘いたいと強く感じました。(女性/58歳)

よかった。内容があった。(会社員/男性/56歳)

多くの人が一生懸命に闘って来たことが伝わる、とても感動的でした。正義が勝てる社会を! 本当にそのとおりです。がんばりましょう。(学生/男性/25歳)

講演がおもしろかったです。勉強になりました。(会社員/女性/53歳)

毎度の感想ですが、多勢の参加で心強く、感銘。富山さんのお人柄と無実の強さと、権力の横暴に対する心ある市民の方々の良識によ るものと存じます。運動を中止することは負けること。継続が生命、成田三里塚も40年、大阪生コン労組も40年です。(市民運動/男性/81歳)

国家権力、検察、警察官による無実無罪の圧殺に憤りを覚えます。再審開始まで応援しますので、無罪を勝ちとるまで頑張って下さい。(無職/男性/57歳)

この事件の大筋がようやくわかったように思います。しかし、それにしても推移が希薄な事を思いました。もっともっと肉迫しなけれ ばダメではないか、そして私はそれは充分出来る事だし、・・・この世に大口を開いてねらっている犯罪者の手口は平和の市民社会の中に善人として笑んで居 る。つまり皆が犯人にされる種子を持って生きている・・・という事を思うと、今日お聞きしたたような事ではまだまだ発想たくましく論理を固める必要がある のでは・・・。  (会社員/男性/54歳)

中川孝博氏の講演での提起は検討に十分値すると思います。重要な指摘です。黒田弁護士の証拠開示請求に関する提起からは、これま での開示請求が実現しなかった壁をどうやって突き崩すのかについて運動面と弁護活動の両面で具体的に検討する必要性を感じました。阿藤さんのビデオとメッ セージには勇気づけられました。阿藤さんの病状について大変心配しています。山村さん、うり美さん、ご苦労さま。富山君の話は説得力がありました。内容の あるいい集会でした。頑張りましょう! (男性/69歳)

中川先生のお話はとても刺激的で、勉強になりました。若い学者が富山さんへの弾圧に真剣にとりくんで、どうしたら勝てるかを考え てくれていることは力強い援軍であり、勇気づけられます。不屈にがんばって勝利への突破口をこじ開けなければいけないと誓いを新たにしました。 (編集者 /男性/62歳)

□ヒロシマ大行動に参加しました

今年も「8・6ヒロシマ大行動」に参加しました。 一生懸命ビラまき。それにしても暑い。

3000人が参加。若い力の台頭が感じ取れる熱気に満ちあふれた集会とデモでした。

大槻さんとガッチリ握手

 

大井町ビラまき報告

 □ビラまき報告
今回の大井町署名は、集会のビラまきのため報告はお休み。

大井町のYさんから

休載

jump page top